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第12章 それぞれの結末
第79話
しおりを挟む「これはこれは!セイレン様、遠路遥々、ロゼルダまでようこそお出で下さいました!ロゼルダ全商人を代表して、心より歓迎申し上げますぞ!」
「こちらこそ、急な申し出にも関わらず、最高議長であるグソーク殿ばかりか、私如きに【十大評議員】の方々までお揃いになっての過分なお出迎え、誠に畏れ入ります 」
「ロゼルダ議事堂」とやらに到着し、俺達”最高ギルド長様御一行”が通されたのは〈第一等商談会議室〉という、普段は国家レベルでの商取引きで、外交官や貿易担当の大臣や政務官との会談に使用される部屋らしい。
この国はその名の通り商人が治める国である為、当然王様は居ない。その代わり、商人達の代表である十人の評議員【十大評議員】がトップとなり、その他何十人かの評議員達と合議して国を運営しているそうだ。
だが、まあこの”代表制”にしても選挙とかがある訳ではなく、『お金持ち』順、つまりは純粋に ー「金の力」ーの順番であるだけだ。現代地球の「民主主義」とは程遠い。
やたらと顔を引き攣らせた係の男性に案内され、両脇に控えた護衛、と言うよりは高級ホテルのドアボーイの様な二人が一礼してから両側から扉を開け、婆さんを先頭に部屋の中へと入る。
中に入ると、一目で高級品だと分かる衣服を纏った八人が全員席を立ち、内七人は胸に手を当て腰を折る、例の”貴人への礼”の姿勢で、正面の老人「グソーク・ダルムント」だけは満面の笑みを浮かべて両腕を広げた姿で婆さんへの歓迎の言葉を述べる…、という冒頭の流れになった訳だが…。
『八人全員、発汗量、心拍数共に、激しい緊張状態、はっきり言うなら”脅えている”状態ですね、マスター 』
『ああ、それでも表情には出さずに笑顔でいられるとは…、さすが”商人国家”のトップ連中だけはあるな 』
『真ん中の、セイレンさんに話しかけているグソークという男性は、さらに動揺が少ないようです 』
『其処はそれ、海千山千の妖怪ジジイ共の更に頂点に君臨している”大妖怪”って事だろう。まったく、地球でもこっちでも、特殊工作員とかより商売人の方が、よっぽどポーカーフェイスが上手いぜ 』
アイが、そんな風に室内に居た【十大評議員】の様子を報告してきた。
ま、一瞬だけとはいえ、ほぼ手加減無しの〈威圧〉を放ったんだ、その位の反応は無きゃ困る。逆にそんな状態でも”営業スマイル”を貼り付けておけるってのがスゴイ。
『クスクスッ! ”大妖怪”ですか、確かにそんな雰囲気ですね~ 』
『後はどうだ、アイ?』
『イエス、マイマスター、壁の向こうの皆さんも同様ですよ 』
『右に四人、左に五人か。〈ランクA〉が四人に〈ランクB〉が四人…、おっ!?〈ランクS〉まで一人居るじゃないか!”ロイヤルガード”にしちゃまあまあだなー 』
などと、骨面で隠した顔の下で、アイと呑気に会話していると、席を勧められた婆さんが着席する。
俺とクランプは護衛なので、当然立ったままだ。位置は俺が右斜め後ろで直立不動。クランプは左斜め後ろで、何やらカクカクと怪しい動きをしながら。
本来ならこの場は他国のトップとの会見、つまりは王様への「謁見」に当たる。婆さんはともかく、俺達は動くなんて以ての外、本当なら跪いて頭を垂れていなくちゃいけないんだが、あくまで彼等は商人。
身分的な事だけで言うなら、前辺境伯夫人である婆さんが一番高く、冒険者である俺達も〈ランクA〉以上になると、貴族と同列の扱いになるらしい。
まあ、今回はそれでなくても嫌がらせの為に、俺は「尊大で無礼」に、クランプは終始「ふざけた態度」でいろ、との婆さんの命令である。
【十大評議員】とやらから、何か文句でも言われたり、露骨に睨まれたりするかと思いきや、どうやら最初に一発かましたのが効いているらしい。
いや…、居るな?ひとり。
ギャンタ・ソルレム
ヒト族 男 31歳 Lv32
ソルレム商会会頭 ロゼルダ商国家連合【十大評議員 第十席】 奴隷商組合代表
ほう……。”奴隷商組合代表”、ね?察するに、「黒幕の黒幕」ってところか? 仮に直接的な指示では無かったにせよ、一番不利益を被るのはこのギャンタだろう。 なら、今回の婆さんの”訪問”を、一番苦々しく思ってるのはこいつだな。
こちらに気付かれない様にしてるつもりらしいが、表情に険があるのを隠し切れてない。
若くして【十大評議員】の一角に食い込んでいる事からも、相当プライドが高いタイプだろうと思うが、”危険感知”能力は低そうだな? まあいいか、何かを仕掛けて来たとしても叩き潰すだけだし。
しかし…、ロードベルクから、主にシイラの様なエルフ族や他の希少な獣人族を拐って奴隷にしていたから、てっきりヒト族以外を”亜人”と呼んで差別しているモノだとばっかり思っていたが、どうやらそうでは無いらしい。
現に、この場に居る【十大評議員】の中には、エルフ族の女性と、狸獣人の男性が一人ずついる。
と、いうことは、冒険者も多数集まるこのロゼルダでの優劣は、やはり『金の力』が全てであって、そこに種族による差はあまり無さそうだ。で、なければ、エルフ族や獣人族が、国のトップである【十大評議員】に入れる訳が無い。
奴らがロードベルクからそうした人達を狩り集めていたのは、ただ単にレアリティが高い商品を、安く手に入れる為だったようだ。
部屋の中に居た給仕のメイドさん達が、婆さん達の前に紅茶のカップを並べて行き、それらが全員に行き届いて、一礼と共にメイドさん達が後ろへと下がったのを見計らってグソークが口を開いた。
「それでセイレン様、本日こちらに参られた御用件は…やはり?」
「うむ、そちらとしても不本意であったろうが、以前よりロードベルク王国内で問題となっていた”行方不明”事件の真相が、漸く明らかとなった。先ずはこちらをご覧頂きたい 」
婆さんは、持参したファイルケースから紙束を綴じた物を取り出し、テーブルの上へと置く。すると、グソークの後ろに控えていた執事だか秘書だかがこちらへ来て、婆さんに礼をしてからそれをグソークの元へと持って行った。
「セイレン様、これはもしかして…?」
「うむ、先頃、件のヒギンズ男爵領及び、ロードベルク各都市にて行われた、誘拐・人身売買組織の潰滅作戦に於いて、彼奴等の拠点としていたアジトから、押収されたものです。幾つかの拠点からは、運良く誘拐された被害者を救出する事が出来ましたが、救出された被害者の種族が、同時に押収したその書類に記された要求通りの人種構成であった為、まず間違いないでしょう 」
「これは…っ!? むぅ………っ!」
紙束を見た途端、表情を顰めるグソーク。上手いなぁ…、本当に今初めて見た、という顔をしてのけた。心拍数や発汗量、呼吸の具合など、人が驚いた時に必ずある生体反応が何一つ変わらないというのに。
パラパラと紙束を捲り、それらに右手を翳す。すると、グソークの右手の中指に嵌る指輪の宝石が、淡い緑色の光を放つ。
「”奴隷売買契約書”に、”納入人種の要望指示書”ですか……。正直、信じたくはありませんが、この指輪が反応したという事は、我がロゼルダ所属の商人の契約書に間違いありません 」
「グソーク殿、その指輪は?」
「これは【十大評議員】の証たる指輪なのですが、同時に契約書等に押されている印判が本物かどうか?を判定する、判別用の魔道具となっているのですよ。我々【十大評議員】は、商人同士で何らかの取り引きのトラブルがあった際、最終最後の裁定をする立場にあります。その為、我が国の商人達が使用する印鑑の魔道具は、公正な取り引きを保つ為に、偽造など出来ぬ様、全てこの指輪の魔術回路に反応する様に義務付けられております。……その指輪が反応致しました。遺憾ながら、この契約書を交わした商人達は、犯罪を犯していた、と判ぜざるをえません。残念な事です…… 」
痛ましげに表情を歪めるグソーク。その様子は、如何にも信頼していた者が犯罪を犯していた事に、心を痛めているように見える。
「グソーク殿、心中お察し致します。今回の事には、愚かにも欲に目の眩んだ我が冒険者ギルド所属の冒険者達も、多数関わっておりました。ロードベルク国内の不届き者共は、全て粛清、及び捕縛したのですが、こちらのロゼルダでも綱紀粛正に努めるべく、私自らが参った次第。そして、こちらが……ロードベルク王国 ジオン国王陛下から、グソーク殿への書状、並びにロードベルク王国政府からの犯罪者の引き渡し要求などです。今回、丁度行き先、目的が同件であった為、私自身が依頼を引き受けました 」
ファイルケースから書類を取り出して、先程のように机の上に並べていく婆さん。そしてまた、さっきの焼き直しのように、秘書らしき男性が、一礼をしてから書類を回収、グソークの元へと持って行く。
「そうですか……。 いや、今までジオン陛下より何度か書状を頂き、我々としても疑いのあった商人や、取り扱っていた奴隷達に対して聞き取り調査は何度か行っていたのですが…… 」
「仕方のない事でしょう、犯罪を犯している者が、『私がやりました』などと正直に答えるはずもありませんからなぁ… 」
「ええ、この書類に記されている中には、結構な中堅どころの商会がいくつもありました。 また、その中の何人かには私が直接問い質した者もおります。信じていただけに、余計に腹立たしく、口惜しい限りです 」
静かにだが、”憤懣やる方無し”と憤って見せるグソークだが……、
『よく言いますね!あんな苦痛や即死の〈魔術回路〉が組まれた〈呪詛〉の様な〈隷属プログラム〉の付いた首輪を着けられた奴隷が、例え強制でも主人設定された人間に対して、不利益になる事など言えるはずがないじゃないですか!! 』
と、何処までも白々しいグソークの言葉と演技に、ウチのサブ電脳内お姫様はお怒りである。
聞けば、アレは重度の犯罪奴隷であっても着けたりはしない程の非道な物で、普通は麻痺する程度の魔術回路しか組んではいないそうだ。
そのあまりに軽い命に対する考え方が、新生命となったアイには我慢がならない様だ。ま、俺も非常に同感であるのだが。
「それでは……、陛下からの要求に、我等が直接動くことを、御容赦願えますかな?」
「仕方がない……いえ、こんな言い方は失礼ですな。ジオン陛下からの書状にも、”要求するのは犯罪者共の引き渡しと今後の綱紀粛正のみ”で、”ロゼルダとの国交に対しては何ら変えるつもりは無い”こと、逆に私の心痛に対する御心配りまで頂きました。 我が国の不届き者共の起こした事に、セイレン様方のお手を煩わせる事となって誠に申し訳ありません。我々商人にとって、”信用”は第一の事、今回の事は、この国全ての商人に対する信用を失くさせかねない重大な”裏切り行為”にも当たります。ならば、この者等はもはや商人ではありません。如何様にもなさって下さって結構です 」
”苦渋の決断”とでも言う様に、絞り出すように婆さんへと返答を返すグソーク。
本当に演技が上手いな…? アカデミー賞モンだよ、クソったれジジイ。
「……それは、「ロゼルダ商国家連合」の総意と取らせて頂いて良いのですかな?」
婆さんは、やや目を眇めて念を押すようにグソークに確認する。
「はい、二人ほど他国での商談の為欠けておりますが、今この場に居る【十大評議員】全員が見届け人で御座います。セイレン様と、冒険者ギルドが今回の件で如何様に動かれるとも、我等からは一切何も異議を申さないとお約束致します。 それからジオン陛下には、後日【十大評議員】連名での正式な謝罪文、また、不届き者共の全資産を処分して加算した上での賠償金をお届けさせて頂きます 」
「お心遣い痛み入ります。陛下もさぞかしお喜びになるでしょう。……では、私共はこれにて失礼致します。本日は急にも関わらず、誠意溢れる御対応、誠にありがとうございました。この事も、重ねて陛下に御報告申し上げましょう 」
”ニコリ”ではなく、”ニヤリ”と笑いながら、婆さんが席を立つ。しかし、当然というか、待ったをかける様にグソークが声をかけて来た。
「あぁっ!? お待ち下さいセイレン様!私共はまだ何もお持て成しさせて頂いておりません! 此処までの馬車での長旅で護衛の方々もお疲れでしょう。何よりセイレン様の御身体に何かあってはいけません! 心ばかりですが、歓待の席を設けます故、今宵はゆっくりとお休み下さい 」
立ち上がったグソークが、満面の笑みで婆さんに話しかける。
まあ、婆さんは各国を股にかける冒険者ギルドの最高ギルド長、どの国に行ったとしても国賓扱いだから、当然と言えば当然の申し出だ。
何より、古今東西、あちらもこちらも”接待”といえば、悪感情を改善し、自分達に有利な条件へと持って行く商人にとっての必須スキルだろう。
おまけに、今回は恐らく時間稼ぎの目的もあるだろう。
だが、その程度の事は婆さんもお見通しである。
「いや、お心遣いは感謝するばかりだが、今回は陛下よりの正式な依頼でもありますし、犯罪者共へと時間を与えるのが惜しい。その御気持ちだけありがたく頂戴しておきます。では… 」
そうグソークに返すと、踵を返して俺とクランプの横に並ぶと、顔だけグソークに振り向いて”ニタリ”と嗤う。
それを合図として、俺はノアへと念話を送り、俺達の姿は”闇”に呑まれて会議室から消え失せたのだった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『『『『………………っ!!!?』』』』
私だけでなく、その場に居た全員が、その信じられ無い出来事に息を呑む。それは、先程の議事堂全体を揺さ振るかの様な、強大な〈威圧〉をも上回るほどの衝撃をもたらした。
「信じられん…、《転移魔法》…だと!? 」
あの忌々しい魔女めがこちらを振り向いて、嫌らしい笑みを浮かべたと思った途端、床から伸び上がった影が奴らの姿を包み込んだかと思うと、信じ難い事に、その一瞬の間に奴等の姿は消え失せていた。
「まさかっ!? いくらロードベルク王国の研究機関が優秀とはいえ、《転移魔法》を復活させたなど、聞いた事もありませんぞっ!? 」
「せ、せやけど、現にアイツ等、ワシ等の目の前で消えてしもたやないかい!出入り口も開いとらへんのやで!?」
目の前で起きた信じ難い出来事に、会議室内は再び騒然となる。無理もない、《転移魔法》と言えば、古代魔法文明の古文書で存在こそ確認されているものの、そんなモノが解読、実用化されたなど、我々商人の情報網でも聞いた事すら無いのだから。
「鎮まれ!今のが本当に《転移魔法》かどうかを確かる術は無い。ならば、いくら憶測したところで益はない。…問題は、そんな事が出来る男を、態々我々に見せつける様に魔女が連れて来た、ということだ 」
ーーゴクリッーー と、沈黙の落ちた室内に、誰かが唾を飲み込む音が響く。
そうだろう、此処に居合わせる事が出来る程の者ならば、その程度の事には直ぐに気付く。
「解ったか?これはあの魔女からの”言葉無き脅迫”だ。『分かっているな?』…と。明らかに尋常ではない実力を持った冒険者、それが、《転移魔法》か、それに準ずるスキルまでも持っていたとしたら……? 」
「何処にでも気付かれること無く暗殺に侵入可能、例え気付かれたとしても、問題無く皆殺し…………っ!? 」
『『『………っ!!』』』
”事の重大さ”に全員が気付いて蒼白となる。そうだろう、どれだけ厳重な警備に囲まれた部屋に隠れようと、全く障害にすらならないのだから。
おまけにこの議事堂内は、《攻撃魔法》の類いや、一定以上の魔力を伴う魔法は使用する事が出来ない様に、特殊な《防御結界》が建設の段階から幾重にも施してある。
並みの魔法使いならば、ごく初歩の初歩の魔法ですら、行使するのに相当の苦労と集中を余儀無くされる程厳重にだ。
にも関わらず、あの男はあっさりと使って見せた。”そんな物はまるで問題にもならない”と嘲笑うが如くに。
いつ以来だろうか?背中を冷たい汗が流れ落ちるのは…。
何処で見つけて来たのかは知らないが、全く魔女め、厄介や手駒を手に入れたものだ。
「”別室”の護衛達を呼べ、彼らから見た奴等に対しての意見も聞きたい 」
「畏まりました 」
秘書官に指示をすると、壁際に居たメイド達二名に目線で指示を送る。すると指示を受けたメイド達は綺麗な御辞儀をすると、自分達の立って居た直ぐ後ろの壁をノックするように軽く叩いた。
だが、何も変化は無い。
「どうした?何故護衛達は出て来ないのだ?」
何かあれば護衛達の判断か、今メイド達がやったようにこちらから合図を送れば、護衛の者達が壁の奥に作られた”別室”から、隠し扉を開けて飛び出して来る仕組みになっているのだが?
「おい、扉を開けてみろ」
「畏まりました」
秘書官が壁の方へと歩いて行き、隠し扉の横の柱に、目立たない様設置されている開閉装置のスイッチを入れる。
「な…っ!? おい!どうしたんだ!? 」
ーーガコンッーー っと音がして隠し扉がスライドするが、中を見ていた秘書官が、驚愕に眼を見開いて声を上げながら、”別室”の中へと飛び込んで行く。
訝しんだ私は席を立ち、自らも”別室”の方へと足を向け、中を覗き込んだ。しかし、”別室”の中は、私の想像を絶する状態となっていた。
「い…、いったい何があったというのだ……っ!? 」
”別室”の中では、〈ランクS〉を含む高ランクの護衛達が床の上で息も絶え絶えの状態で倒れ伏し、秘書官が必死な表情で彼らに呼びかけていたのだった。
暫くすると、彼らの中で最も高ランクである〈ランクS〉の護衛の状態が回復したのだが、〈ランクS〉という比類無き戦闘力を持つ筈の彼が、恐れにその身を戦慄かせながら、その口から語られた事実は、更に我々を驚愕させるものだった。
「こ…、”声”が聞こえたのです!?『ゴクロウサン』…と。しかも、直ぐ耳元で…。その後直ぐに息苦しくなって、目の前が真っ暗に……。その後は、何が何やら!? ……グソーク様、申し訳ございません!」
……確証は無い…、だが、恐らく…、恐らくはヤツが…、あの骨面の男の仕業だと何故か確信できる。
「…………厳命する。今後暫くの間は、あの骨面の男の情報収集に努め、ロードベルク王国内における”裏の仕事”、その一切を禁止する。また、今回の件での冒険者ギルドや王家、その他関係者に対しての報復行動も、絶対にしてはならん!特にギャンタ!一番損をするのはお前だが、一切手を出すな」
「し、しかしグソーク様っ!? 」
「二度は言わん。良いな? 国境沿いの元男爵領では、「治安維持」との名目で、【黒き武神】自らが秀真武士団を率いて陣を張った、との情報までも入って来ている。もちろん、治安維持とは名ばかりで、目的は間違い無くロゼルダに対しての”示威行動”であろう。ギャンタ、貴様の配下共はやり過ぎたのだ。どれだけ被害を被ろうと、儲けを減らそうと我々にまで飛び火する事は御免被る。良いな、もし我が意に反するならば、この儂を敵に回すと思え!! 」
ギリッと歯を噛み締めて、悔しげに俯くギャンタ。
(「いったい、どれだけの化け物を、味方に引き入れたというのだ!? クソッ!魔女めが……っ!」
今頃、このグリゼルダ中で、冒険者ギルド主導による一斉検挙や、捕縛が始まっている事だろう。口惜しいが、【英雄王】に【炎禍の魔女】、【黒き武神】に加え、あんな化け物まで出て来てしまった様では、今回は我々の負けだ。
だが、痛い目を見せる方法は色々とある。この屈辱は、絶対に忘れん!
じっとりと汗をかいた掌を握り締めながら、私は報復への算段を考え始めるのだった……。
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