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報告書 2
日報 21
しおりを挟むバーサーク・ボアの襲撃で大怪我を負ったミーナだったが、ある事に思い至った彼女は、システィーナの身を案じるあまり治療院を抜け出してしまう。
何とかシスティーナの元へと辿り着いたミーナだったが、待っていたのはシスティーナからのお説教であった⁉︎
果たしてミーナの運命や如何に⁉︎
頑張れミーナ!闘えミーナ!出番が無いぞ(笑)キルマオーー‼︎
「まったく!何をしてるんですかミーナさん、治療院を抜け出して来るなんて⁉︎ せっかく運んだのに意味ないじゃないですかっ‼︎ 」
システィーナ激おこである。
しかし、それも無理からぬことだろう。何しろあの時ミーナは命こそ別状はないものの、バーサーク・ボアの攻撃によって大怪我を負っていたのだ。
「いや、…その!でもなっ?」
「"でも"も"その"もありません!」
「ご、ごめんなさい…⁉︎ 」
しどろもどろになりながら、何とか言い訳を聞いてもらいたいミーナであったが、システィーナはまったく聞く耳を持ってはくれない。
ミーナはミーナでシスティーナが心配で堪まらなかったために、怪我を押してでもここに来たのだが、その心配していた相手から説教をされて思わずトホホなミーナである。
と、そこへ、ミーナが今最も警戒し、システィーナの身を案じるあまり、怪我を押してまで治療院を抜け出して来る原因となった人物が現れた。
「あれっ?何でミーナさんがこんなところに居るんだよ⁉︎ 怪我は大丈夫なのかっ?」
「キュウト…っ⁉︎ 止まれ!そこを動くな‼︎ シス、私の後ろに下がれっ‼︎ 」
「えっ!っちょっ、ミーナさん…っ⁉︎」
慌てて立ち上がったミーナは満身創痍の身体でありながら、突いてきた杖を剣のように構え、キュウトからシスティーナを庇うように自らの背後へと隠す。突然のミーナの行動に、システィーナも説教などしていたことも忘れて驚き、慌てふためくしか出来ない。
「えっ?何だよ、どーしたんだよミーナさんっ⁉︎ 」
「動くなと言ったっ‼︎ 」
先程怪我を負ったミーナを治療院へ運んだことは別として、キュウトはミーナとは先日警備隊の詰所で別れた以来である。
だが、自分を見る険しい目付きに、触れれば切れそうな程の尖った気配は、何処か緩い雰囲気だったミーナとはまるで別人。明らかに自分を警戒していると判断したキュウトは、ひとまずミーナが言う通りにする事に決めた。
「分かった!分~かったよ。動かねーし、抵抗もしない。どうすりゃいいんだ?」
「武器は…持っていないようだね?だけど、そこに腹這いになって、手を頭の後ろで組むんだ 」
「はいはい… 」
(何だろな、俺はいったい何を疑われてるんだ?)
もはや完全に犯罪者扱いである。
相手がミーナであるだけに、間違ってもシスティーナに危害を加えることはないだろうとは思うが、ミーナが極度の緊張状態にあると見て取ったキュウトは、万が一の事を考えて全てミーナの言う通りにしていく。
何とか表情には出さなかったが、キュウトが"警告"に対して温順しく従った事に内心でホッと安堵するミーナ。
「シス、今のうちに警備隊を呼んで来てちょうだい。………シス?」
キュウトからは決して目を離さないようにしたまま、後ろにいるシスティーナに声をかけるミーナだったが、システィーナからの返事は無い。不審に思いチラッと背後に目をやれば、俯いたままプルプルと震えるシスティーナの姿が。
「………こ、」
「…こ?」
「こぉの、バカちぃ~~~~~~んっ‼︎ 」
「ぎょぺっ⁉︎ 」
スパァーーーーン‼︎ と勢いよくミーナの後頭部を引っ叩くシスティーナと、叩かれてあまり若い女の子が上げてはいけない類いの声を上げて悶絶するミーナ。
「い、痛ったぁっ⁉︎ シ、シス!いったい何を…っ‼︎ 」
「何を?じゃありません!キュウトさんはミーナさんをわざわざ治療院まで運んでくれた恩人なんですよ!なんて事するんですかっ‼︎ 」
「いや、だって!その…‼︎ 」
何とかシスティーナを説得しようとしたミーナだったが、システィーナのあまりの剣幕にしどろもどろになって言葉が出てこない。
「シ、システィーナさん?ミーナさん怪我人だから、もうちょっと優しく…… 」
「キュウトさんは黙っていて下さい!」
「は、はい…っ‼︎ 」
キュウト、ステイ…‼︎ おろおろとするミーナの姿を見かねて、体を起こしたキュウトがシスティーナを宥めようとするが、逆にピシャリと言い切られ、慌てて何故かまた腹這いの姿勢に戻るキュウト。
「…ミーナさん、座りなさい 」
「………へっ?」
「正座っ‼︎ 」
「は、はいぃぃっ⁉︎ 」
何とかシスティーナに説明しようと試みたものの、ギロリと睨まれた挙句に正座を言い渡され、腹這いになったキュウトの横に正座したミーナが並ぶという、なかなかカオスなよく分からない状況が出来上がってしまった。
「さて、ミーナさん?な・ん・で、こんな事をしたのか、説明してもらえますよ、ね?」
「ひ、ひぅ………っ」
笑顔のまま激怒するシスティーナの迫力に、思わず涙目になるミーナ。こうしてシスティーナからミーナへの尋問タイムが始まった ーーーー 。
「ハァ~~………ッ、いったい何をどうすればキュウトさんが危険人物になるんですか………?」
「だって、だって!キュウトが来た途端に今までになかった色々な事が起こるとか、私でも勝てなかったモンスターに勝てるほど強いのに行き倒れてたとか、すごく怪しいじゃないか‼︎ だから、もしキュウトが何か事件に関わってるなら、シスが危ないと思ってっ‼︎ だから私ぃ~~~~~~っ‼︎ 」
グスグスとベソをかきながら、必死になってシスティーナに弁解をするミーナ。
どうやらこの二人、普段とは別にこういった場合には立場がまるっきり逆転するらしかった。
(シ、システィーナさん怖ぇ~~~~~~っ⁉︎ )
そんな二人を見て、システィーナだけは絶対に怒らせないようにしようと心に誓うキュウトだった………。
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