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第二章 アルカディア王国編
52.静かな夜と【N side】▼
このアルカディア王国の宮殿で、こんな時間まで起きているのはきっと門番と自分たちぐらいだろう。窓の外に浮かぶ月の動きが時間の経過を教えている。
湿った肌は手の平に吸い付くようで気持ちが良い。なだらかな双丘に手を乗せれば、小さく身体は震えた。恥ずかしがって目を閉じる彼女の瞼に口付けられるのは、自分だけ。
「リゼッタ、目を開けて」
フルフルと首を振るから、少し意地悪をしたくなった。
お行儀よく揃えた脚に手を添えて片方を持ち上げる。慌てて伸びて来た手を掴むと、動きを封じられた彼女はもう何も出来ない。
舌を挿れるとそこはトロリと十分に濡れていた。甘い蜜を吸うように丁寧に舐めると、ビクビクと腰を震わせる。
「まだダメだよ」
「……っあ…なんで?」
良いところで止められた刺激をもっと求めるように、リゼッタは潤んだ瞳をこちらに向けた。それは彼女がこちら側に落ちて来た合図のようなもので、堪らない興奮を覚える。
いつも大人しく粛々と生きる彼女を抱くということが、ここまで自分の気分を昂めるなんて知らなかった。優しくしたいのに、待ちきれなくて滅茶苦茶にしたくなる。入り口に当てがうと、すぐに吸い込まれるように受け入れてくれた。
「………んんっ!」
「ねえ、今日は意地悪したい気分なんだ」
「ノア、やだ、一緒はだめ…!」
挿入した穴の少し上で小さく膨らんだ突起を捏ねるように触ると、リゼッタは大きく跳ねた。
「ダメじゃないよね。好きでしょう?」
「っやなの…出ちゃう、それ気持ちよくなっちゃ、」
「良くなっていいよ」
きゅっと摘むと一際高い声を上げて彼女は大きく身体を震わせた。飛び散った液体がシーツを濡らす。ぐったりとした身体を抱き上げて上に座らせると、精一杯の反抗心を目に宿して睨まれた。
そんな顔すらも、男の欲を誘うのに。
「休憩を…、」
「しない」
「っひん、あ……っ」
「リゼッタだけ気持ち良いのは狡いよね。俺のこともいっぱい気持ちよくして、もっと」
耳元でお願いすると絶対に頷いてくれる。彼女の弱いところもだいたい分かって来た。時間を掛けて攻略しただけあって、そのすべてが愛おしい。
娼館で彼女と逢瀬を重ねていた時、自らに課したお預けの反動が今来ているのだろうか。だとしたら、ナターシャには金を払えと怒られそうだ。心配しなくても身請けの時には幾らでも払うから許してほしい。
リゼッタの腰を掴んで最奥まで突くと、彼女自身気持ちが良かったのか、強く膣内が締まった。
「……っはぁあ!」
「好きだよ……リゼッタ…っ」
空になるまで全部全部注ぎたい。射精を終えた己を引き抜くとドロリと白く泡だった液体が溢れ出た。何も考えなくて良いなら、もう一戦始めたいくらいだけれど、流石にこれ以上の無理をさせると明日に響く気もした。
重い愛が足枷にでもなるなら、喜んで彼女を愛したい。
この手を切り落として逃げるくらいでないと、離れることはできないほどに。
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