リセット〜絶対寵愛者〜

まやまや

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第6章〜宮廷編〜

手紙

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長い時間、私達は熱中して商品について話し込んでいたらしい。
ルドヴィックさんへ広めたい商品のアイデアについて説明が終わる頃には、すっかり外は夕焼け色となっていた。
が、気分はとても良い。


「本日はありがとうございました、ソウル様。とても有意義で楽しい一日でした。」
「こちらこそ、大変有意義な時間をありがとうございました、ルドヴィックさん。」


私達は固い握手を交わす。


「ソウル様、また何か新しいアイデアがありましたら、是非シーリン商会へお願いいたします!シーリン商会の全力でお力となりますので!!」
「えぇ、その時はルドヴィックさんにお願いしますね?」
「はい、お任せください!このルドヴィック、精一杯、ソウル様に協力させていただきますので!どうぞ、これれからも末永いお付き合いをお願いいたします。」


力強く頷くルドヴィックさん。
これからも長い付き合いになりそうですね?
ホクホク顔のルドヴィックさんとお店の前で別れ、私達は家へと帰る。


「「「お帰りなさいませ、ディア様。」」」


家へ帰れば盛大なお出迎えが私の事を待っていた。


「ただいま、皆んな。」

 
皆んなへ笑顔で返事を返し自室へ向かう。


「はぁ、今日は疲れた。」
「ふふ、本日は1日、お疲れ様でした、ディア様。お風呂に入られて、お疲れを癒されてはいかがですか?」
「ん、そうしようかな?」


アディライトからの提案に頷く。
お風呂で汗を流して、さっぱりとしますか。
疲れも癒したいしね。


「ディア様、それなら私もお風呂ご一緒しますわ。」
「えっ!?アディライト、本当?」


瞳を輝かせる。


「はい、よろしければ、ディア様のお背中をお流ししますよ?」
「ありがとう、アディライト。なら、せっかくだし下のお風呂てフィリアも一緒に入ろうか?」


3人でお風呂にはいるのは久しぶり。
ほとんど、コクヨウとディオンの2人が甲斐甲斐しく私のお風呂までお世話してくれるし。
たまには、良いよね?


「ふふ、今日は女子だけの入浴ですね。フィリオはもちろん、コクヨウとディオンの2人にも遠慮してもらいましょう。いつもディア様を独占しているのですから、今日ぐらいは我慢してもらいませんと。」
「アディライトの言う通りコクヨウとディオンの2人は拗ねそうだけど、今日は我慢してもらわなきゃ。私もアディライトとフィリアとたまには一緒にお風呂に入りたいもん。」
「まぁ、嬉しいですディア様。ですが、ディア様?」


いたずらっぽくアディライトは微笑む。


「きっと私達がディア様とお風呂に入ると知ったらコクヨウとディオンの2人から私とフィリアが恨まれてしまいますね。」
「確かに、あり得そうなんだけど!」
「そうなったら、ディア様が2人の機嫌を直してくださいませ。」
「何て責任重大な任務!もしかしたら2人の事が怖くて、私泣いちゃうかもよ?」
「まぁ、ディア様ったら。」


2人で笑い合う。
そのまま入浴の準備を済ませて、アディライトと2人でお風呂場へ。
その間にフィリアを回収するのも忘れない。
久しぶりの3人で入るお風呂を楽しみながら、存分に今日一日の疲れを癒す。


「ふぅ、さっぱりした。」


お風呂のおかげで多少は疲れも癒やされた様な気がする。
やっぱり、お風呂は最高だね。
お風呂上がりに水で渇いた喉を潤して一息。


「ディア様、風邪を引いては大変ですので、濡れた髪を乾かしてしまいますね?」
「うん、お願い。」


その間もアディライトのお世話に。
私の長い髪をアディライトが丁寧に魔法な風で乾かしていく。
簡易なドライヤーです。
魔法っがある世界って生活が本当に楽になるよね。


「アディライト、今日のご飯は何かな?」


今日はアディライト以外の子達数人が全員の夕食を作ってくれているらしいのだ。
アディライトに指導された子達の料理だから夕食が楽しみで仕方ない。


「きっと、ディア様の好きなグラタンだと思いますよ。」
「えっ、グラタン!?」


期待に目が輝く。
グラタンは私の大好物。
あちらの世界でも、グラタンが食事として出た時は嬉しかったんだよね。


「ふふ、ディア様は本当にグラタンがお好きですね?」
「うん、グラタン大好き。あっ、でも、アディライトの作った料理は全部好きだよ?」
「ありがとうございます。さぁ、髪の毛も乾きましたよ。」


魔法を使えば髪の毛が乾くのも早い。
こんなに髪の毛が長いと、お風呂に入った後に乾かすのも大変だし。


「ありがとう、アディライト。あぁ、ご飯まだかなぁ?」
「あらあら、もう少しで本日の料理当番の者がディア様をお呼びに来ますからお待ち下さいませ。」


櫛を片付けるアディライトが笑う。


「ーー・・ディア様、少しよろしいでしょうか?」


丁度その時。
自室のドアが叩かれる。


「はーい、どうぞ、入って良いよ。」
「失礼します。」


部屋の中へ入ってきたのは、ロッテマリー。
その手には一通の手紙が。
・・嫌な予感。


「・・・ロッテマリー、何、その手紙。」


眉を寄せる。


「お城より、ディア様へお手紙でございます。」
「へ?お城から?」


一体、なぜ?
私の目の前には、ロッテマリーが置いていったお城からの手紙。
不吉な予感しかしない。


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