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告白
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今日、俺はあなたに告白する。そしてきっとフラれる。そう分かっていながらも俺はサキ先生を呼び出した。
俺が恋したのは先生。奥村咲先生だ。英語教師であり、俺の居る、2年B組の担任でもあった。男女生徒共にサキちゃん先生の愛称で親しまれている人気の先生だ。目鼻立ちが整った美人であり、艶やかで美しいロングヘア、人柄もよく、スタイルもいい20代前半の若い女性。語りきれないほどの魅力を持った、まさに理想の女性という印象だった。
好きになった相手は先生。もちろん叶うはずもない。叶わない片想いをずっと続けてきた。
どうして先生なんか好きになったんだろな
何度も思ったことがあった。叶わない悲しい恋なのだ、もう忘れてしまおう。
そう思うたびに彼女の声が、笑顔が、匂いが、愛おしさが浮かび上がるばかりであった。結局いつまでも諦めきれずにいた。
そこで俺は先生を諦める簡単な方法を思いついた。
全て伝えて、フラれよう。そうすればきっと諦められる。忘れて、また別の誰かに恋して、付き合って楽しい時間を作ろう。
「遅くなってごめんね~」
そんな愛おしい声と、教室のドアが開く音共にサキ先生が来た。告白のことばかり考えていた俺は焦って、少し早口になってしまっていた。
「全然大丈夫ですよ!先生も忙しいんですし」
「でも遅れちゃったのは申し訳ないよ。ごめんね?文法で分からないところがあるんだったよね?サキちゃん先生に任せなさい!」
もちろん英語の文法が分からないから教えて欲しい。なんて理由で呼び出した訳では無い。先生を呼び出し、告白するための嘘だ。
「先生、本当は文法が分からない、って言うのは嘘なんです。」
「え?!嘘?あれ、じゃあなんで皆川くんは私を呼び出したの??」
「先生に言いたいことがあるんです」
告白ってこんなにも、難しいものなのか。
思えばこれまでの俺は告白など1回もしたことが無い。なにしろこれが俺の初恋だ。
中学まで、恋になんて全く興味もなかった俺が初めて好きになった相手がサキ先生なのだ。
初恋の相手を前にして既に、鼓動の音は早くなり、声は少し震えてしまっていた。うまく伝わるのかも分からない。この思いが本当に声となって発せられているのか、そんなことも分からなくなるほど俺は焦っていた。
だが、そんなことを気にしている暇もなく、先生が言葉を発して気まずさが頂点に達してしまう前に、俺が言葉を発し、伝えた。
「サキ先生。ずっと前から好きでした。」
俺が恋したのは先生。奥村咲先生だ。英語教師であり、俺の居る、2年B組の担任でもあった。男女生徒共にサキちゃん先生の愛称で親しまれている人気の先生だ。目鼻立ちが整った美人であり、艶やかで美しいロングヘア、人柄もよく、スタイルもいい20代前半の若い女性。語りきれないほどの魅力を持った、まさに理想の女性という印象だった。
好きになった相手は先生。もちろん叶うはずもない。叶わない片想いをずっと続けてきた。
どうして先生なんか好きになったんだろな
何度も思ったことがあった。叶わない悲しい恋なのだ、もう忘れてしまおう。
そう思うたびに彼女の声が、笑顔が、匂いが、愛おしさが浮かび上がるばかりであった。結局いつまでも諦めきれずにいた。
そこで俺は先生を諦める簡単な方法を思いついた。
全て伝えて、フラれよう。そうすればきっと諦められる。忘れて、また別の誰かに恋して、付き合って楽しい時間を作ろう。
「遅くなってごめんね~」
そんな愛おしい声と、教室のドアが開く音共にサキ先生が来た。告白のことばかり考えていた俺は焦って、少し早口になってしまっていた。
「全然大丈夫ですよ!先生も忙しいんですし」
「でも遅れちゃったのは申し訳ないよ。ごめんね?文法で分からないところがあるんだったよね?サキちゃん先生に任せなさい!」
もちろん英語の文法が分からないから教えて欲しい。なんて理由で呼び出した訳では無い。先生を呼び出し、告白するための嘘だ。
「先生、本当は文法が分からない、って言うのは嘘なんです。」
「え?!嘘?あれ、じゃあなんで皆川くんは私を呼び出したの??」
「先生に言いたいことがあるんです」
告白ってこんなにも、難しいものなのか。
思えばこれまでの俺は告白など1回もしたことが無い。なにしろこれが俺の初恋だ。
中学まで、恋になんて全く興味もなかった俺が初めて好きになった相手がサキ先生なのだ。
初恋の相手を前にして既に、鼓動の音は早くなり、声は少し震えてしまっていた。うまく伝わるのかも分からない。この思いが本当に声となって発せられているのか、そんなことも分からなくなるほど俺は焦っていた。
だが、そんなことを気にしている暇もなく、先生が言葉を発して気まずさが頂点に達してしまう前に、俺が言葉を発し、伝えた。
「サキ先生。ずっと前から好きでした。」
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