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恋に落ちた日
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気づけばその人に恋をしている
ありえないな。翔斗はそう考えていた。
自然と人を好きになるだろう。そう考えていた中学3年間はなにもなく、つまらない毎日を送ってきた。高校でも人を好きになるのだろうか。入学式前から不安であった。
なぜ俺は人を好きにならないのだろうか。中学にも周りから人気の可愛い女子はいたものの、好きになったりは無かった。理想が高すぎるのだろうか。
「高校でも恋もなく、つまらない生活すんのか…いや、きっと自然に誰かを好きなっているだろ!じゃなきゃ、俺…」
「一生童貞だな」
気づけば隣に見知らぬ男がいた。制服だとか、見た目からして同じ新入生だろうか。目鼻立ちが整っていて、髪はしっかりセットされている。男目から見てもわかるイケメンだった。
「え…?」
「悪い。なんか近くでボヤいてる奴居たからさ、気になって聞かせてもらったわ」
「は…?てか、声漏れてた…?」
「うん。めっちゃ聞こえてた」
「マジか…」
めちゃくちゃ恥ずかしい。この歳にもなって人を好きになったことないんなんて、かなり驚くだろう。下手すれば引かれる。
「いきなり話しかけて悪いな、俺は1年C組、高木和叶」
「C組ってことはクラスメイトか。俺は皆川翔斗。高木はさ…」
「和叶でいいよ。なんならカズでもいい」
「じゃあカズで。カズはさ人好きになったことってある?」
「まぁそりゃ」
これが一般的な男子高校生の回答だろう。
「だよなぁ…それが普通だよな」
「まあ、焦ることないんじゃね?高校生活始まれば自然に恋してるんじゃね?」
「そんなもんかなぁ。」
「そんなもんだろ。ショート顔も悪くないんだしさ。話してて良い奴っぽいし」
「え…?」
顔がいいだなんて言われたことに驚いた。確かに高校デビューとして、自分をよく見せようと、中学の頃と髪型や、雰囲気を変えてみた。それらを変えたことの効果が見れたことが嬉しかった。
「もしかして…これが恋か…」
「ぜってぇに違ぇ」
そんな会話をカズとしながら教室へ入った。
教室内は新たな友人を作ろうとする新入生たちで賑やかだった。
「どこ中出身??」
「え?!あのバンド好きなの?!同じー!」
「LINE交換しようぜー」
いろんな新入生たちの声が飛び交う中で、その声を一声で静まらせる声が扉の方から入ってきた。
「みなさーん!席についてください」
その声を聞き生徒たちは一瞬静まり返ったものの、またざわざわ騒ぎながらそれぞれの席についた。
「初めまして。私がこのクラスの担任を務めます。奥村咲です。」
柔らかい優しい声と、笑顔だった。可憐で美しい女性だった。
翔斗は気づけばその人に恋をしていた。一目惚れだった。ありえないと思っていた事が今起こった。
ありえないな。翔斗はそう考えていた。
自然と人を好きになるだろう。そう考えていた中学3年間はなにもなく、つまらない毎日を送ってきた。高校でも人を好きになるのだろうか。入学式前から不安であった。
なぜ俺は人を好きにならないのだろうか。中学にも周りから人気の可愛い女子はいたものの、好きになったりは無かった。理想が高すぎるのだろうか。
「高校でも恋もなく、つまらない生活すんのか…いや、きっと自然に誰かを好きなっているだろ!じゃなきゃ、俺…」
「一生童貞だな」
気づけば隣に見知らぬ男がいた。制服だとか、見た目からして同じ新入生だろうか。目鼻立ちが整っていて、髪はしっかりセットされている。男目から見てもわかるイケメンだった。
「え…?」
「悪い。なんか近くでボヤいてる奴居たからさ、気になって聞かせてもらったわ」
「は…?てか、声漏れてた…?」
「うん。めっちゃ聞こえてた」
「マジか…」
めちゃくちゃ恥ずかしい。この歳にもなって人を好きになったことないんなんて、かなり驚くだろう。下手すれば引かれる。
「いきなり話しかけて悪いな、俺は1年C組、高木和叶」
「C組ってことはクラスメイトか。俺は皆川翔斗。高木はさ…」
「和叶でいいよ。なんならカズでもいい」
「じゃあカズで。カズはさ人好きになったことってある?」
「まぁそりゃ」
これが一般的な男子高校生の回答だろう。
「だよなぁ…それが普通だよな」
「まあ、焦ることないんじゃね?高校生活始まれば自然に恋してるんじゃね?」
「そんなもんかなぁ。」
「そんなもんだろ。ショート顔も悪くないんだしさ。話してて良い奴っぽいし」
「え…?」
顔がいいだなんて言われたことに驚いた。確かに高校デビューとして、自分をよく見せようと、中学の頃と髪型や、雰囲気を変えてみた。それらを変えたことの効果が見れたことが嬉しかった。
「もしかして…これが恋か…」
「ぜってぇに違ぇ」
そんな会話をカズとしながら教室へ入った。
教室内は新たな友人を作ろうとする新入生たちで賑やかだった。
「どこ中出身??」
「え?!あのバンド好きなの?!同じー!」
「LINE交換しようぜー」
いろんな新入生たちの声が飛び交う中で、その声を一声で静まらせる声が扉の方から入ってきた。
「みなさーん!席についてください」
その声を聞き生徒たちは一瞬静まり返ったものの、またざわざわ騒ぎながらそれぞれの席についた。
「初めまして。私がこのクラスの担任を務めます。奥村咲です。」
柔らかい優しい声と、笑顔だった。可憐で美しい女性だった。
翔斗は気づけばその人に恋をしていた。一目惚れだった。ありえないと思っていた事が今起こった。
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