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あなたの隣に
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自分の恋に気づいてから、より一層先生のことを考えてしまっていた。
もっと話していたい。サキ先生の一番近くにいたい。
そんな思いが募るばかりで、仕方なかった。どうやら完全にサキ先生に恋をしてしまったようだ。
つい最近初めて恋をした奴がここまで変わってしまうのだ、恋というやつは恐ろしい。いや、ここまで変えた先生が凄いのか?
「お前なんか、最近ニコニコしてんな。そんなに恋してるのが楽しいのか?」
「え?顔に出てんの?」
「うん。思いっきり。お前って色々表にダダ漏れだよな」
そういえば、カズと知り合ったのも自分の独り言を聞かれたからだった。思い返せばほんとに感情がダダ漏れだったようで、恥ずかしい。
「てかさ、結局お前が好きなやつって誰なの?」
「は?!やだ!言わねぇ!!
「いいじゃんかー誰にも言わねぇからさぁ、な?」
「あ…もう!分かったよ」
カズに小さな声でサキ先生が好きだと伝えた。
「はぁ?!!お前ほんとに言っての?」
「だから言いたくなかったんだよ!」
だが、これが一般的な答えだろう。生徒が先生に恋をするなど、普通の人なら驚く。
「なるほど、だから好きな奴言わなかったり、この恋は叶わない、とか言ってたのね」
「あぁ、そうだよ!悪い?」
「いや、いいじゃん。叶わないかなんかわかんねぇじゃん。叶う確率低いかもだけどな。恋の形なんてそれぞれだって言っただろ?」
「………」
「お前が、ほんとに叶えたいなら、もっとサキちゃん先生に近づいてみれば?」
「簡単に言うなよ」
そんなこと言われなくても、そうしたいといつも思っている。できるだけ長い時間、サキ先生と一緒にいたい。
「あぁ…そうだな…例えばサキ先生が顧問やってる部活入ってみたら?」
「そんな不純な動機で入ってもいいもんか?」
「良いんだよ!確か、サキ先生が顧問やってる部活って…」
「皆川くん、高木くんちょっといいかな?」
女子生徒の声がした。振り返ってみるとクラスメイトの滝本美桜が居た。滝本とは高校生活初日に話をして、友人になった。
「いいけど、どした?」
「文芸部一緒に入らない?」
「文芸部?どうして?」
「私、文芸部入ろうと思ってるんだけど、誰か一緒じゃないと不安でね。女子に声掛けてもダメだったから、皆川くんと高木くんはどうかなーって…」
突然の誘いで驚いた。文芸部か。特に興味があるわけでもから、滝本には悪いけど断ろう。
「文芸部って確か顧問が国語の切山で副顧問がサキちゃん先生だったよね?」
「ん?そうだよ。それがどうかしたの?」
「いや、なんでも」
カズがニヤニヤしながらこちらを見ている。副顧問に、サキ先生…
「サキ先生と一緒に居られる時間が増えるぜ?」
カズが俺に囁いてきた。その一言俺の迷いを加速させた。
「小説とか書いたことない人とかでも、全然大丈夫だから!どう?」
「俺…入ってみる」
気づけばOKを出してしまっていた。好きな人と近くに長くいたいから部活に入る。不純な動機だ。でも、それで、サキ先生の近くに居られるならそれでいいと思った。
「やった!!高木くんはどう?」
「ショートが入るなら、俺も入ってみようかな。小説とか結構好きだし。」
「やったぁ!ありがとう2人とも!」
部活か。なんだか、青春らしい。それに、少しだけどサキ先生と居られる時間が増えた。そのことが幸せで仕方がなかった。
幸せだ。先生に1歩近づいていく度にそう思える。もっと近くにいたい。出来ることなら、あなたのすぐ隣に。
もっと話していたい。サキ先生の一番近くにいたい。
そんな思いが募るばかりで、仕方なかった。どうやら完全にサキ先生に恋をしてしまったようだ。
つい最近初めて恋をした奴がここまで変わってしまうのだ、恋というやつは恐ろしい。いや、ここまで変えた先生が凄いのか?
「お前なんか、最近ニコニコしてんな。そんなに恋してるのが楽しいのか?」
「え?顔に出てんの?」
「うん。思いっきり。お前って色々表にダダ漏れだよな」
そういえば、カズと知り合ったのも自分の独り言を聞かれたからだった。思い返せばほんとに感情がダダ漏れだったようで、恥ずかしい。
「てかさ、結局お前が好きなやつって誰なの?」
「は?!やだ!言わねぇ!!
「いいじゃんかー誰にも言わねぇからさぁ、な?」
「あ…もう!分かったよ」
カズに小さな声でサキ先生が好きだと伝えた。
「はぁ?!!お前ほんとに言っての?」
「だから言いたくなかったんだよ!」
だが、これが一般的な答えだろう。生徒が先生に恋をするなど、普通の人なら驚く。
「なるほど、だから好きな奴言わなかったり、この恋は叶わない、とか言ってたのね」
「あぁ、そうだよ!悪い?」
「いや、いいじゃん。叶わないかなんかわかんねぇじゃん。叶う確率低いかもだけどな。恋の形なんてそれぞれだって言っただろ?」
「………」
「お前が、ほんとに叶えたいなら、もっとサキちゃん先生に近づいてみれば?」
「簡単に言うなよ」
そんなこと言われなくても、そうしたいといつも思っている。できるだけ長い時間、サキ先生と一緒にいたい。
「あぁ…そうだな…例えばサキ先生が顧問やってる部活入ってみたら?」
「そんな不純な動機で入ってもいいもんか?」
「良いんだよ!確か、サキ先生が顧問やってる部活って…」
「皆川くん、高木くんちょっといいかな?」
女子生徒の声がした。振り返ってみるとクラスメイトの滝本美桜が居た。滝本とは高校生活初日に話をして、友人になった。
「いいけど、どした?」
「文芸部一緒に入らない?」
「文芸部?どうして?」
「私、文芸部入ろうと思ってるんだけど、誰か一緒じゃないと不安でね。女子に声掛けてもダメだったから、皆川くんと高木くんはどうかなーって…」
突然の誘いで驚いた。文芸部か。特に興味があるわけでもから、滝本には悪いけど断ろう。
「文芸部って確か顧問が国語の切山で副顧問がサキちゃん先生だったよね?」
「ん?そうだよ。それがどうかしたの?」
「いや、なんでも」
カズがニヤニヤしながらこちらを見ている。副顧問に、サキ先生…
「サキ先生と一緒に居られる時間が増えるぜ?」
カズが俺に囁いてきた。その一言俺の迷いを加速させた。
「小説とか書いたことない人とかでも、全然大丈夫だから!どう?」
「俺…入ってみる」
気づけばOKを出してしまっていた。好きな人と近くに長くいたいから部活に入る。不純な動機だ。でも、それで、サキ先生の近くに居られるならそれでいいと思った。
「やった!!高木くんはどう?」
「ショートが入るなら、俺も入ってみようかな。小説とか結構好きだし。」
「やったぁ!ありがとう2人とも!」
部活か。なんだか、青春らしい。それに、少しだけどサキ先生と居られる時間が増えた。そのことが幸せで仕方がなかった。
幸せだ。先生に1歩近づいていく度にそう思える。もっと近くにいたい。出来ることなら、あなたのすぐ隣に。
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