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戻らなかった……おぉ!!購入者だ!!!
しおりを挟む~翌日~
(……結局元に戻らなかった……。)
自販機は絶望した。
(俺…………今日からプロの自販機になろ……。)
自販機は何かが間違っている。
(お…小坊か?)
小学生と思しき少年が青年(自販機)で飲み物を購入しようとしていた。
(え!?買うの!?)
少年は片手に財布を持っており、何かを購入するつもりなのは明らかだった。
(……よし!買ーえ!買ーえ!買ーえ!…………ってあれ?こいつ……。)
自販機が少年を良く良く見てみるとなんと、顔が腫れている。
主に右頬が真っ赤に腫れ上がっており大きめな手形付きで。
(まさか……虐待!?)
自販機は最悪の事態を想像した、ガタガタ震えているのがキメェぞ。
すると、少年が口を開く、独り言だろうか、どいつもこいつも独り言が大きすぎるぞ、キモいと思われるわよ、マジ。
「痛ってーよー、くそ~あのクソ姉貴、普通間違ってねーちゃんのジュース飲んじまっただけでビンタするか?」
……自販機は出来ればズッコケたかった……しかし当然ながらそれは無理だ。
(姉貴にやられたんかいぃっ!)
自販機、怒涛のツッコミ、少年には届かない!届け!天までレリゴー!
(つーか姉貴こえー……。)
自販機は、自分に姉がいなかった事を心底喜び、そして全国の弟を持った姉の恐ろしさを知った…………やっぱ女兄弟は妹だな。
「チクショー罰としてあの超有名な最初にコがついて最後にラが付く某ジュースを30本買って来いとか、ありえないわー。」
(お前の姉貴どんだけスパルタ!?)
超説明口調だし、少年よ…………大志を……叩け。
ガタガタガタン×30
「ヒィ~重いィ~~。」
30本持ってると絵面がとんでもないから( ゜д゜)
恐ろしく顔を真っ赤にしてふらふらおぼつかない足取りの少年がなんとも不憫だ。
(……ボウズ……ご苦労さん……。)
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