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戻らなかった……おお!!購入者だ!!! 2
しおりを挟む~翌日~
自販機生活2日目
(うぇええん、戻らないよぉおおぉぉぉ。)
小銭取り出し口から信じられない位の10円玉をチャリンチャリンと、雀の涙の如く僅かに零す自販機が一台、哀愁漂う姿で民家にそびえ立つ。
自販機と入れ替わった青年…陽斗はまだ戻ることが出来ていない。
ひょんなことから事故に遭い、こんな無様な姿になってしまった、自分の脆弱で堕落な生活や態度を反省した頃には遅い。
昨日は寝ればどうとでもなるとほざいていたものの、今日になっても変わらぬ姿に愕然としてしまった。
(く…誰か気づいてくれよ……!)
(誰か……!)
(誰か…………!!!)
自販機になってしまうと言う展開に動揺しているらしく、人と普段接するのが苦手な陽斗も今回ばかりは誰かに会いたい、誰かに気付いてもらいたいと思うばかりであった。
(本当頼む…だれか…俺に気付け!)
自販機が心でそう呟くと、偶然か必然か……それに合わせるかの如く1人の人影が見えた。
(お!人だ……って、ヨボヨボのジジイじゃねーかよおおおぉぉぉっ!ぜってぇ気付かねぇよ!だって瞼もたるんでるもん!前見えてないもん!)
そうして、杖をついただいぶヨボヨボのおじいさんは自販機の前に来た、そして口を金魚のように開き、大きな独り言を言い始めたのだった。
「まっ…孫の言ってた…のっ飲み物はどっどれじゃったかな?えっええと、全部買ってきゃ当たりゅじゃろ。」
アバウト過ぎるだろ、なんでやねん。
大雑把にも程がある爺さんに思わずつっこんでしまった。
(お孫さあああん、ジジイに任せるなよおおおぉぉぉ!覚えてないじゃーん!てか今にももげて死にそうじゃーーーーーん!!!!!)
今にも死にそうな入れ歯の取れかけたジジイに自販機、怒涛のツッコミ。
あんまり大きい声出すとショック死するよ?あれ?声出せないんだっけ?w
そうだそういやお前自販機やんwwwwww
今にも死にそうな入れ歯の爺さんは、どうやら自分の年金と思われる金をガマ口の財布から出し、全て買い始めた、持ってけるの?折れるよ腰が。
「あ、ありぇま、しぇ、しぇんえんが入らないのう。」
手先がブレる、悲報:全身ガクガクの爺さん、千円札入れられない症候群な件。
「ぁ、ああぁ。」
(ああああ早買えやぁあああぁぁぁ!)
「しょ…しょいや。」
(おっせぇ!!!)
まあまあ、あんまり怒るなよ、爺さん怒られてショック死してしまうぞ。
ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ!
(はぁあああぁぁぁ!?早ぁあ!!!)
なんと指が速すぎる、爺さんのボタン押す速度が異常すぎる。
しかも等速直線運動を上手く利用しており、なんとも只者ではない雰囲気になり始めた。
ガタガタガタン×沢山
「ふい~こりぇでええかの。」
爺さんは持参したであろうコンビニのビニールにまとめて詰め込んだ。
明らかに腰に来る重さだが何食わぬ顔で持つあたりやはり只者ではない。
「あぁそうじゃ、もし全部ちがってたりゃ大変じゃ、ゆっ許してもらうにゃゃ…………適当にアダルト雑誌を買って行こう、うん、しょれがええなぁ、孫も許してくれよう、うんうんうん、これで決まりじゃなぁあああぁぁぁ。」
入れ歯死にかけ杖つきボロボロヨボヨボエロクソジジイは、そう自問自答をして近くのコンビニへと向かった、多分あれ途中で腰が折れてしまうよ、やっぱり重そうだジュースの山が。
最初は余裕ぶっこいてたけどただの痩せ我慢だったようだ。
(こんのエロジジイイイイイィィィィィッ!てめーが読みたいんじゃねーかよークソジジイイイィィィ孫読まねーだろ!最低だなぁっ!オイィイイ!孫いくつだ!!)
「7歳じゃ。」
(何で自販機ひとの頭ん中読んでんだあああぁぁぁっ!プライバシーの侵害だろーがあああぁぁぁっ!)
「じゃっじゃあな、通りしゅがりの自販機君よ。」
(さっさと行けえええぇぇぇっ!!!)
そうして、入れ歯死にかけ杖つきヨボヨボエロクソジジイはコンビニに行った、その後の行方とかしらんし、生きててもある意味困るし。
(あ、俺の存在を見つけられた……?うそ!何者!ねぇ!ちょっと!爺さんんんん!カムバァーーーーーックっっっ!!!)
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