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やあ!久しぶり
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【記憶を取り戻したカトリーヌ編】
教室に入ると「おはようございます、カトリーヌ様」
みんな優しく話しかけてきた。
ーーえ?
いつもわたしを無視するか悪口を言うか、足を引っ掛けようとしたり本を隠したり、わたしの存在なんてみんなのストレスの捌け口でしかなかった。
なのにどうしてこんなに優しい態度なの?
とりあえずなけなしの笑顔で顔を引き攣らせながら
「おはよう?ございます」とみんなに返事をした。
10日前までのわたしの立ち位置は「嫌われ者」だったのに今は?…何?
わたしがキョトンとしていると、横からマッカーシー様が笑いながら話しかけてきた。
「久しぶりだな、カトリーヌ嬢」
「マッカーシー様、10日ぶりですよ?わたしにとっては。なんだか顔が老けました?」
「老けた?カッコよくなったとか大人になったとかもう少し違う表現はないの?それも10日ぶりって、まぁ君が休んでいたのは10日間だからあってはいるけど、君のその作り笑いではない笑顔を見るのは3年ぶりなんだ。
おかえりカトリーヌ嬢会えて嬉しいよ」
「ありがとう、わたしもマッカーシー様に会えて嬉しいわ」
セリーヌ様、リーゼ様、マッカーシー様と話していると、わたしのそばに見知らぬ男の子が近づいてきた。
「カトリーヌ様、お帰りなさい」
少し年下に見える、でも面影がある彼は
「ジャン様?…ですか?」
「良かった、わかってくれた。カトリーヌ様が記憶を取り戻したと聞いて俺のこと忘れたかもしれないと思ったんだ」
「だってわたしにとっては3年前は10日前だもの。でもみんな成長していてわからなかったり老けたりしてたけど、ジャン様はカッコよくなった!あんなに可愛い子だったのに美少年になってる!」
「おい!俺は老けててジャンはカッコよくなったってそれおかしくないか?」
横でマッカーシー様が相変わらずうるさい。
「マッカーシー様がジャン様と仲良くしてくれていたんですか?3年間の中でわたしが心配だったのはジャン様だったんです。上手くみんなと仲良くなれていたのか……良かった。顔を見たらわかるわ、楽しかったのね?」
「お淑やかで落ち着いたカトリーヌ様になれてしまったからそんな明るいカトリーヌ様にまた会えるなんて思ってもみませんでした」
「わたしってそんなにお淑やかだったの?」
「どんな酷い噂をされても静かに笑顔で笑ってたんだ。それにいつもイーサン殿下があなたを守っていたから」
「ーーーはあ???」
【記憶を失ったカトリーヌ編】
わたしは自分がいつも座っているという席に着いた。
周りの好奇な目を気にしないと言ったら嘘になる。でもどうしていいのか分からないし仕方なく座って過ごした。
授業は休んでいる間自宅で家庭教師に教えてもらったので困ることなくついていけた。
記憶を失う前のわたしは週末は王太子妃教育を受けながら、平日は放課後図書室で勉強をして、帰ると家庭教師に勉強を習うという、毎日勉強漬けの日々だったらしい。
おかげで勉強は苦にならない。
ただ「お母様」がわたしの髪の色を気にしていたのが今になってわかる。
周りがわたしの髪の色を見てはくすりと笑ったり、嘲るようにわたしを見る。
それが不思議でセリーヌ様に聞いた。
『ある国の王子を誑かした男爵令嬢の髪の毛がピンクで……態度がとても下品だったらしいの。それがあなたの珍しいピンクと同じだったの、しかもあなたは王太子殿下の婚約者でもあるでしょう。だから誰が言い始めたのか分からないけどあなたを馬鹿にする噂が広まったの、それからはあなたはみんなから酷いことをされていたの。でもねあなたはとても強くて負けない子だったのよ』
ーーわたしは嫌われ者だった。
この違和感に少し納得いった。
でも記憶のないわたしにはどうすることもできない。ならば作り笑いで過ごすしかない。
何かを言われても静かに笑顔で過ごしていた。
放課後、いつも寄っていたという図書室へとマッカーシー様に連れて行ってもらった。
そこにはわたしよりも二つ年下のジャン様と言う男の子がいてその子にわたしは勉強を教わっていたと聞いた。頭の良い天才少年らしい。
「お姉様」も頭が良くてずっと他国で大学に通い、一度帰ってきていたが今は二つ目の大学に通っているらしい。
頭のいい人っているものなのだと思った。
「カトリーヌ様?」
ジャン様はわたしをじっと見つめると優しい笑顔で話しかけてきた。
「怖かったですよね?世界が変わってしまったのですから。何も分からないのに「カトリーヌ」になれと言われても無理ですよね?あなたはあなたらしく生きたらいいと思います」
彼の言葉がいつも周りの目を気にして過ごすわたしの心にストンと落ちて……
「いいのかな?わたしはわたしであって。「カトリーヌ」ではなくても」
初めて会ったジャン様の言葉に涙が溢れて止まらなかった。
そんな時、わたしに話しかけてくる人がいた。
「……カトリーヌ?」
振り返ると隣の二人が小さな声で教えてくれた。
「イーサン殿下だよ」
教室に入ると「おはようございます、カトリーヌ様」
みんな優しく話しかけてきた。
ーーえ?
いつもわたしを無視するか悪口を言うか、足を引っ掛けようとしたり本を隠したり、わたしの存在なんてみんなのストレスの捌け口でしかなかった。
なのにどうしてこんなに優しい態度なの?
とりあえずなけなしの笑顔で顔を引き攣らせながら
「おはよう?ございます」とみんなに返事をした。
10日前までのわたしの立ち位置は「嫌われ者」だったのに今は?…何?
わたしがキョトンとしていると、横からマッカーシー様が笑いながら話しかけてきた。
「久しぶりだな、カトリーヌ嬢」
「マッカーシー様、10日ぶりですよ?わたしにとっては。なんだか顔が老けました?」
「老けた?カッコよくなったとか大人になったとかもう少し違う表現はないの?それも10日ぶりって、まぁ君が休んでいたのは10日間だからあってはいるけど、君のその作り笑いではない笑顔を見るのは3年ぶりなんだ。
おかえりカトリーヌ嬢会えて嬉しいよ」
「ありがとう、わたしもマッカーシー様に会えて嬉しいわ」
セリーヌ様、リーゼ様、マッカーシー様と話していると、わたしのそばに見知らぬ男の子が近づいてきた。
「カトリーヌ様、お帰りなさい」
少し年下に見える、でも面影がある彼は
「ジャン様?…ですか?」
「良かった、わかってくれた。カトリーヌ様が記憶を取り戻したと聞いて俺のこと忘れたかもしれないと思ったんだ」
「だってわたしにとっては3年前は10日前だもの。でもみんな成長していてわからなかったり老けたりしてたけど、ジャン様はカッコよくなった!あんなに可愛い子だったのに美少年になってる!」
「おい!俺は老けててジャンはカッコよくなったってそれおかしくないか?」
横でマッカーシー様が相変わらずうるさい。
「マッカーシー様がジャン様と仲良くしてくれていたんですか?3年間の中でわたしが心配だったのはジャン様だったんです。上手くみんなと仲良くなれていたのか……良かった。顔を見たらわかるわ、楽しかったのね?」
「お淑やかで落ち着いたカトリーヌ様になれてしまったからそんな明るいカトリーヌ様にまた会えるなんて思ってもみませんでした」
「わたしってそんなにお淑やかだったの?」
「どんな酷い噂をされても静かに笑顔で笑ってたんだ。それにいつもイーサン殿下があなたを守っていたから」
「ーーーはあ???」
【記憶を失ったカトリーヌ編】
わたしは自分がいつも座っているという席に着いた。
周りの好奇な目を気にしないと言ったら嘘になる。でもどうしていいのか分からないし仕方なく座って過ごした。
授業は休んでいる間自宅で家庭教師に教えてもらったので困ることなくついていけた。
記憶を失う前のわたしは週末は王太子妃教育を受けながら、平日は放課後図書室で勉強をして、帰ると家庭教師に勉強を習うという、毎日勉強漬けの日々だったらしい。
おかげで勉強は苦にならない。
ただ「お母様」がわたしの髪の色を気にしていたのが今になってわかる。
周りがわたしの髪の色を見てはくすりと笑ったり、嘲るようにわたしを見る。
それが不思議でセリーヌ様に聞いた。
『ある国の王子を誑かした男爵令嬢の髪の毛がピンクで……態度がとても下品だったらしいの。それがあなたの珍しいピンクと同じだったの、しかもあなたは王太子殿下の婚約者でもあるでしょう。だから誰が言い始めたのか分からないけどあなたを馬鹿にする噂が広まったの、それからはあなたはみんなから酷いことをされていたの。でもねあなたはとても強くて負けない子だったのよ』
ーーわたしは嫌われ者だった。
この違和感に少し納得いった。
でも記憶のないわたしにはどうすることもできない。ならば作り笑いで過ごすしかない。
何かを言われても静かに笑顔で過ごしていた。
放課後、いつも寄っていたという図書室へとマッカーシー様に連れて行ってもらった。
そこにはわたしよりも二つ年下のジャン様と言う男の子がいてその子にわたしは勉強を教わっていたと聞いた。頭の良い天才少年らしい。
「お姉様」も頭が良くてずっと他国で大学に通い、一度帰ってきていたが今は二つ目の大学に通っているらしい。
頭のいい人っているものなのだと思った。
「カトリーヌ様?」
ジャン様はわたしをじっと見つめると優しい笑顔で話しかけてきた。
「怖かったですよね?世界が変わってしまったのですから。何も分からないのに「カトリーヌ」になれと言われても無理ですよね?あなたはあなたらしく生きたらいいと思います」
彼の言葉がいつも周りの目を気にして過ごすわたしの心にストンと落ちて……
「いいのかな?わたしはわたしであって。「カトリーヌ」ではなくても」
初めて会ったジャン様の言葉に涙が溢れて止まらなかった。
そんな時、わたしに話しかけてくる人がいた。
「……カトリーヌ?」
振り返ると隣の二人が小さな声で教えてくれた。
「イーサン殿下だよ」
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