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知る必要のあることと知らなくてもいいこと。
「タバサはゆっくり知っていけばいいと言うの。でもわたしはこの5年間のことを知りたいわ……でも怖いの。
だって、ノエル君がわたしの子供だって言われてもまだ信じられないもの……これ以上知るのはもっと怖いわ……でも逃げてていいのかしら?ねぇ、グレイ様とわたしの関係は夫婦だったのかしら?グレイ様からわたしに愛情を感じないの」
正直に伝えた。だって彼はツンとして無愛想でわたしに対してとても冷たい。
どこにもわたしに対して愛情なんて感じない。
だけど好きにさせてくれているのも確かだし……本当はよくわからないことだらけ。
「俺とティアの関係は……上手くはいっていなかったと思う……」
躊躇いながらも正直に答えてくれた。
見た目は怖いけど、やさしい真面目な人なのかな。
「やっぱり……」
「俺と君は5歳しか歳は離れていない。俺は君にとっておじさんではない。そこだけはハッキリとさせておきたい!」
真面目な顔をして声高々に言われて思わず吹き出してしまった。
「ご、ごめんなさい。おじさんなんて失礼なことを言って……だって怒るととても怖い顔なんだもの。そんな時はどうしても、怖い人にしか見えないから……」
「こ、怖い?俺が?俺は……君に怒ったことなどないはずだ。ティアのことを愛しているんだ、怒るなんてあり得ない」
「えっ?………え、ええええ?嘘ですよね?わたしを?だって、いつも睨んでいるようにわたしを見ていたし、それにまずほとんど会ってないですよね?わたし完全に避けられていましたよね?話しかけてもこないし!」
ーー愛してるって、それ、好きって言うことだよ?どこからどう見たらそう思えるの?
グレイ様は確かにイケメンかもしれないけど、氷のように冷たいんだよ?顔も雰囲気も。
そう、どこがわたしを愛していると言う態度なの?
あんな怖い顔して見つめて!
それに愛しているわたしとの子供をどうしてあんな家に住まわせるの?どうしてあんな酷いことをするアンミリカさんを信頼して預けることができたの?
絶対あり得ないわ!口だけよ!
本当は別の屋敷に愛人がいるはずだわ。大体の小説の話ではそう書いてあるもの!
貴族の男には愛人がいるって!
わたしみたいな小娘を相手にしても満足するはずがないもの!
「アンミリカのことはわたしの失敗だ。だがこの顔は生まれつきなんだ、それに俺は君を愛しているし、君に満足している」
「えっ?嘘っ!!こ、声に出てた?」
わたしが目を見開いてカルロさんを見るとカルロさんが「声に全部出てますよ」と小さな声で言われた。
「ま、マジですか?」
「はい、さっきから心の声がダダ漏れです」
「ティア、わざとしていたのではないのか?」
呆れながらグレイ様が言った。
もう何度首を横にふればいいの!
「違いますよ!いくらわたしだって本当のことは声に出しませんよ!多少はオブラートに包みますよ!本当のことは普通声に出すわけないじゃないですか!」
「では本当のことなのか?………本心だということなのか?」
「えっ、ええ、…………(目線を逸らしながら)まぁ、ほぼ?」
下を向いて目を合わせられなかった。
「「…………………」」
沈黙が続いているとカルロがとうとう口を挟んでくれた。
「………ティア様、この5年間の間にあなたはとても辛い体験をされました。そして心が病んでしまったのです」
「辛い体験?わたしが?」
胸に手を置いて考えた。
わたしに何があったというの?
わからない……だけど、ノエル君と離れてしまうほど辛いことがあったのだろうということはわかる。
だって自分が産んだ子供をあんなところに住まわせてしまうのだもの。
「いつかは知らないといけないことです。ただ……タバサの言う通り一気に全て知ってしまうのは心が壊れてしまうかもしれません」
カルロの言葉の意味が頭に入ってこない。
「心が壊れる?そんな辛いことがあったの?」
「………すまないティア……君を守ってあげたいのに……出来なかった」
胸が痛い。頭も痛い。
嫌だ、嫌だ、聞きたくない。
だけど……この話は知っておかないといけない大切なことだとわかる。以前のわたしが壊れてしまったのにわたしに耐えられるのかな?
「………わたしはノエル君のことを知りたいです……わたしが本当に母親ならどうしてわたしが彼を育てていないのか……」
だって、ノエル君がわたしの子供だって言われてもまだ信じられないもの……これ以上知るのはもっと怖いわ……でも逃げてていいのかしら?ねぇ、グレイ様とわたしの関係は夫婦だったのかしら?グレイ様からわたしに愛情を感じないの」
正直に伝えた。だって彼はツンとして無愛想でわたしに対してとても冷たい。
どこにもわたしに対して愛情なんて感じない。
だけど好きにさせてくれているのも確かだし……本当はよくわからないことだらけ。
「俺とティアの関係は……上手くはいっていなかったと思う……」
躊躇いながらも正直に答えてくれた。
見た目は怖いけど、やさしい真面目な人なのかな。
「やっぱり……」
「俺と君は5歳しか歳は離れていない。俺は君にとっておじさんではない。そこだけはハッキリとさせておきたい!」
真面目な顔をして声高々に言われて思わず吹き出してしまった。
「ご、ごめんなさい。おじさんなんて失礼なことを言って……だって怒るととても怖い顔なんだもの。そんな時はどうしても、怖い人にしか見えないから……」
「こ、怖い?俺が?俺は……君に怒ったことなどないはずだ。ティアのことを愛しているんだ、怒るなんてあり得ない」
「えっ?………え、ええええ?嘘ですよね?わたしを?だって、いつも睨んでいるようにわたしを見ていたし、それにまずほとんど会ってないですよね?わたし完全に避けられていましたよね?話しかけてもこないし!」
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グレイ様は確かにイケメンかもしれないけど、氷のように冷たいんだよ?顔も雰囲気も。
そう、どこがわたしを愛していると言う態度なの?
あんな怖い顔して見つめて!
それに愛しているわたしとの子供をどうしてあんな家に住まわせるの?どうしてあんな酷いことをするアンミリカさんを信頼して預けることができたの?
絶対あり得ないわ!口だけよ!
本当は別の屋敷に愛人がいるはずだわ。大体の小説の話ではそう書いてあるもの!
貴族の男には愛人がいるって!
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「アンミリカのことはわたしの失敗だ。だがこの顔は生まれつきなんだ、それに俺は君を愛しているし、君に満足している」
「えっ?嘘っ!!こ、声に出てた?」
わたしが目を見開いてカルロさんを見るとカルロさんが「声に全部出てますよ」と小さな声で言われた。
「ま、マジですか?」
「はい、さっきから心の声がダダ漏れです」
「ティア、わざとしていたのではないのか?」
呆れながらグレイ様が言った。
もう何度首を横にふればいいの!
「違いますよ!いくらわたしだって本当のことは声に出しませんよ!多少はオブラートに包みますよ!本当のことは普通声に出すわけないじゃないですか!」
「では本当のことなのか?………本心だということなのか?」
「えっ、ええ、…………(目線を逸らしながら)まぁ、ほぼ?」
下を向いて目を合わせられなかった。
「「…………………」」
沈黙が続いているとカルロがとうとう口を挟んでくれた。
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「いつかは知らないといけないことです。ただ……タバサの言う通り一気に全て知ってしまうのは心が壊れてしまうかもしれません」
カルロの言葉の意味が頭に入ってこない。
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「………すまないティア……君を守ってあげたいのに……出来なかった」
胸が痛い。頭も痛い。
嫌だ、嫌だ、聞きたくない。
だけど……この話は知っておかないといけない大切なことだとわかる。以前のわたしが壊れてしまったのにわたしに耐えられるのかな?
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