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離縁してください
【20】
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ アレック✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
ーー俺が彼女を好きになったから……不幸にさせた。
辛い日々……酷い噂をされ、男に襲われ、夫は……他の女と愛し合っていると思われた。
シルビアにできることは……俺との離縁。本当は離縁などしたくない。
だが王命での結婚なんてクソ喰らえだ。
シルビアが俯き顔を上げない。
もう俺の顔を見るのも嫌なのか……そう思うと胸が痛い。
「シルビア……離縁はする。だけど……俺は…‥ずっと君を愛しているんだ。だから今度は君とはちゃんともう一度一から始めたい」
「えっ?」
目を見開き驚いて俺を見るシルビアを可愛らしく感じる。こんな顔も可愛いなんて……シルビアからすると嫌かもしれないな。
「俺は王命での結婚で無理やり君を妻にして苦しめた。もうソニア殿下の護衛騎士も……いや近衛騎士自体辞めることにした。
だから君とゆっくり向き合いたい。君が俺のことを好きじゃないのは知っている。無理やり結婚させられてミゼルのことを諦めたのもわかってるんだ。だけど俺はずっとシルビアを好きで……それを知った陛下が無理やり王命にして君と結婚させたんだ。すまなかった」
「わたしがミゼルを好き?えっ?ミゼルは……わたしの親友のカミラの恋人で……たまたま同じ職場だからカミラに頼まれてわたしの様子を見にきてくれてた………「嘘だろ?だってミゼルとは親しげに話していたしいつも楽しそうに話してたし……」
「ミゼルがいつもカミラのことを色々話してくれるからつい楽しくて話が弾んでしまうの」
「俺は……ずっとシルビアはミゼルを好きなんだと思ってた……」
「わたしもソニア殿下を愛してるんだと思ってた」
「ソニア殿下は幼馴染だし、護衛としてそばにいないといけないから、周りに勘違いされていたかもしれないが、愛情なんてない」
ーー周りからの勘違いなんていちいち訂正するのも面倒でどうでも良かった。
だけど、シルビアに勘違いされているのは辛かった。でももしシルビアに色々説明して、ソニア殿下がそれを知ってしまえば、シルビアに何をしでかすかわからない。
殿下の発言は日に日におかしくなっていた。
「シルビア、俺は君と一度離縁をする。誰かに強制された結婚ではなく、君に向き合って、俺を好きになってもらうように努力をして今度は俺がプロポーズをしたい。もちろん君には俺を拒否する権利もある……もちろん君に好かれるようにこれから努力をする……俺は自分から女性にまともにプレゼントを贈ったり手紙を書いたこともない……そんなつまらない男だけど…努力するつもりだ……」
「………離縁はソニア殿下を愛してるからではなくわたしを……愛してるから…?」
「ああ、君だけをずっと見てきた。なのに守り方を間違えてしまった。君を苦しめた。本当にすまない……もう君を苦しめたりしない。ソニア殿下の脅迫などに絶対負けない。愛しているのはシルビア、君だけなんだ」
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