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幼馴染が大切ならわたしとは離縁しましょう。
久しぶりの再会。
結婚したのはひと月前。
別にダレンとの再会にドキドキなんてしなかった。うん、しなかったわ。
そう、わたし達の間に恋とか愛とかそんなものは存在しなかった。
別に恋人だったわけではなく、ただの先輩と後輩。
朝たまに顔を合わせるだけの関係。
あの花壇で互いに無言で近くにいただけの存在。
周囲に拝み倒されて仕方なく首を縦に振って、仕方なく婚約することになったダレン・バーナード19歳。
わたしミズナは20歳。
貴族令嬢なら20歳といえばギリギリ適齢期、セーフ?くらいかな。
でも平民のわたしにとってはまだ働き盛りなので、別に行き遅れではない。まだ友人だって独身はたくさんいるし、みんな恋愛を楽しんでいるお年頃。
わたしも恋愛に興味が全くないわけではない……はずなんだけど何故か全く男っ気がない。
鏡に映る自分の姿を見るも、確かにダレンと比べれば美しくはないけど、それなりに見られないほどではないと思う。
わたしはダレンとの顔合わせのために父に強請ってちょっと高級なワンピースを買ってもらった。
肌触りの良いミントグリーンの生地にスカートの裾に花の模様の刺繍をさしてある。ウエストは少し上の方で切り返しされている。フレアスカートになっているので歩くたびにスカートがふわっとなる、とっても可愛らしいワンピースで一目惚れして買ってもらった。
父は「高っ!」と値段を見てちょっと引いてしまっていたけど、『これくらいの値段、今からの儲けを考えれば安いものでしょう』と言って無理やり買わせた。
だっておっさん達の願いを聞き入れてわたしの一生を棒に振るんだもん。
それくらい安いものよ。
好きでもない男に嫁ぐ。それもあのダレン。
ため息しか出ないわ。
これから先、ダレンと夫婦生活を送れば常に幼馴染のアデリーナがもれなく付いてきそう。
嫉妬で……わたし、嫌がらせされる?
あのアデリーナならやりそう。
わたし?わたしはしない。だってあのダレンだもの。
彼が女の子大好きなのは有名だし、いつも女の子がたくさんそばにいたし、焼きもちなんて妬くつもりはない。
まあ、家に帰って女の人と裸でベッドにいれば流石に引くかもしれないし、「キモっ!」って叫ぶかもしれないけど。
そんなことを考えながら、ダレンの住むお屋敷に両親と訪問する。
流石に平民とはいえ国内屈指の商会だけあってそこらの低位貴族より屋敷は大きくてなかなかお金がかかってる。
この王都で平民が建てられる屋敷じゃないわ。ちょっと屋敷に足を踏み入れるのに勇気がいるわ。
両親は流石に年の功。
ズカズカと屋敷の敷地に入り、「まぁ素敵なお庭ね」と母が言って楽しそうに眺めていた。
父は「これだけ庭が広いと金がかかるだろう」とぶつぶつ言っていた。
わたしは馬車を降りて、やはり緊張してきて周りを見る余裕は無くなった。
ダレンに再会する喜びよりもどちらかというとこんな広い屋敷に住む男と結婚しなければならない現実にかなり恐怖した。
なのに、「きゃっ!」わたしはお気に入りのワンピースを着ていたのに、玄関を開けた瞬間飛びかかってきた犬のおかげで思いっきり転んで、ワンピースが……汚れてしまった。
ああ、幸先悪い……これは、うん、なんだか悪い予感しかしない結婚になりそう。
わたしはその時そう思った。
別にダレンとの再会にドキドキなんてしなかった。うん、しなかったわ。
そう、わたし達の間に恋とか愛とかそんなものは存在しなかった。
別に恋人だったわけではなく、ただの先輩と後輩。
朝たまに顔を合わせるだけの関係。
あの花壇で互いに無言で近くにいただけの存在。
周囲に拝み倒されて仕方なく首を縦に振って、仕方なく婚約することになったダレン・バーナード19歳。
わたしミズナは20歳。
貴族令嬢なら20歳といえばギリギリ適齢期、セーフ?くらいかな。
でも平民のわたしにとってはまだ働き盛りなので、別に行き遅れではない。まだ友人だって独身はたくさんいるし、みんな恋愛を楽しんでいるお年頃。
わたしも恋愛に興味が全くないわけではない……はずなんだけど何故か全く男っ気がない。
鏡に映る自分の姿を見るも、確かにダレンと比べれば美しくはないけど、それなりに見られないほどではないと思う。
わたしはダレンとの顔合わせのために父に強請ってちょっと高級なワンピースを買ってもらった。
肌触りの良いミントグリーンの生地にスカートの裾に花の模様の刺繍をさしてある。ウエストは少し上の方で切り返しされている。フレアスカートになっているので歩くたびにスカートがふわっとなる、とっても可愛らしいワンピースで一目惚れして買ってもらった。
父は「高っ!」と値段を見てちょっと引いてしまっていたけど、『これくらいの値段、今からの儲けを考えれば安いものでしょう』と言って無理やり買わせた。
だっておっさん達の願いを聞き入れてわたしの一生を棒に振るんだもん。
それくらい安いものよ。
好きでもない男に嫁ぐ。それもあのダレン。
ため息しか出ないわ。
これから先、ダレンと夫婦生活を送れば常に幼馴染のアデリーナがもれなく付いてきそう。
嫉妬で……わたし、嫌がらせされる?
あのアデリーナならやりそう。
わたし?わたしはしない。だってあのダレンだもの。
彼が女の子大好きなのは有名だし、いつも女の子がたくさんそばにいたし、焼きもちなんて妬くつもりはない。
まあ、家に帰って女の人と裸でベッドにいれば流石に引くかもしれないし、「キモっ!」って叫ぶかもしれないけど。
そんなことを考えながら、ダレンの住むお屋敷に両親と訪問する。
流石に平民とはいえ国内屈指の商会だけあってそこらの低位貴族より屋敷は大きくてなかなかお金がかかってる。
この王都で平民が建てられる屋敷じゃないわ。ちょっと屋敷に足を踏み入れるのに勇気がいるわ。
両親は流石に年の功。
ズカズカと屋敷の敷地に入り、「まぁ素敵なお庭ね」と母が言って楽しそうに眺めていた。
父は「これだけ庭が広いと金がかかるだろう」とぶつぶつ言っていた。
わたしは馬車を降りて、やはり緊張してきて周りを見る余裕は無くなった。
ダレンに再会する喜びよりもどちらかというとこんな広い屋敷に住む男と結婚しなければならない現実にかなり恐怖した。
なのに、「きゃっ!」わたしはお気に入りのワンピースを着ていたのに、玄関を開けた瞬間飛びかかってきた犬のおかげで思いっきり転んで、ワンピースが……汚れてしまった。
ああ、幸先悪い……これは、うん、なんだか悪い予感しかしない結婚になりそう。
わたしはその時そう思った。
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