【完結】氷の騎士は忘れられた愛を取り戻したい〜愛しています〜令嬢はそれぞれの愛に気づかない

たろ

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17話

少しずつ兄様との距離が近づいてきたのがわかる。

一緒に朝食を食べ、夜は互いの敷地の真ん中にある中庭の四阿で話をする。
そうただ話すだけ。
そんな穏やかな時間が今はとても愛おしい。

最近はわたしが失った記憶の時の話を懐かしそうにしてくれる。
彼にとっては辛い思い出だったはず。
今こうして笑いながら話してくれる、彼の話を聞きながらわたしは今もわたしを思ってくれる兄様に感謝しながら話を聞いた。

ーーー

いつものように学校が終わり馬車で帰ろうと馬車乗り場へと向かった。

「すみません誰か助けてください」

道を歩いていると道の外れから声が聞こえた。

今日に限って友達が周りにいない。
放課後先生から頼まれて雑務をして一人で帰っているところだ。この時間に帰る人はほとんどいなかった。

わたしはどうしようかと思ったけど女の子の声なので警戒を緩めて「どうしました?」と聞きながらその声に近づいた。

そっと覗くと草の上に足首を触りながら座り込んでいるわたしと同じ年頃の女の子を見つけた。

「よそ見をしてしまって転んでしまって」

わたしは驚きながらも足首のところをチラッとみようとした。
よく考えればわかるのに……
よそ見したからと言ってこんな道ハズレまで転ぶわけがない。それもわたしに顔を見せないようにしているのに……

わたしは後ろから布で口を塞がれて甘い匂いの薬品を嗅がされた。そして……そのまま意識を失った。

「バカな女。わたしのモノを奪うからよ」
わたしを嘲笑いながらお腹を蹴り上げるのはさっきまで蹲っていた女の子だった。

遠い意識の中で「なぜここに?」
わたしは疑問に思いながらそのまま意識を失ってしまった。



ーーーー

目が覚めるとわたしは知らない部屋に手を縛られて床に寝かされていた。

ーー痛い。蹴られたお腹が痛む。
腰のあたりやお尻も………

たぶんあの後何回か蹴られたのだろう。

ここは何処?
あの人は……伯爵令嬢のアンネ・カスタマル様、ギルス殿下の恋人だった人。

でもわたしのものを奪うと言っていたけど、わたしは彼女と殿下が恋人になってからは殿下に近付こうとはしなかった。
邪魔なんてしていなかった。

でも気を失う前の彼女の顔は私のことを憎くて仕方がないという顔をして睨んでいた。

カチャッ。

物音が聞こえてわたしは慌てて目を閉じた。
意識がないフリをしておくのがいいだろう。

「まだ眠っているの?厚かましい」
アンネ様の声だと思う。

「この子を叩き起こしてちょうだい!」

ボコッ!

「っうぐっ」
思わず声が出てしまった。
男はわたしの髪の毛を掴んでわたしの頭を持ち上げた。
「へぇ、思った以上の上玉ですね。この子を俺たちが犯してもいいんですか?」

わたしの体を上から下まで舐めるように見るとそのままわたしを引き摺って行こうとした。

「その子を死にたくなるくらい犯してちょうだい」

「……や、やめて、、な、なんで?」
恐怖で体が震える。何を言っているのか頭の中で理解できない。

「ギルス殿下はあなたと婚約解消してからはわたしを見ようともしなくなったわ。あんなにわたしに愛を囁いてくれたのに。
まぁ、あなたから殿下を奪ってあなたが辛い顔をしたのをみたから別に別れようとどうでも良かったの。
だってわたしはセルジオ様が好きだったの。お父様に何度も婚約を申し込んでもらったわ、なのにずっと断られてばかり、あんたがセルジオ様のことを忘れてしまったと聞いてセルジオ様の代わりに復讐してやったの。殿下をわたしのものにすればあんたが傷つくと思ったから。
なのにセルジオ様はあんたのことを忘れるどころか今もあんたにいいように振り回されているわ。だから邪魔なあんたを排除してやるの」

悪意が自分に向けられたことに背筋がぞくりとした。  
わたしが兄様を振り回している?

「あんたセルジオ様がどれだけ辛そうにしていたか知りもせずに、殿下の婚約者になって一人で幸せそうにしていたでしょう?だからわたしがその幸せを壊してやることにしたの。
なのにセルジオ様はまだあんたのことを忘れようとしない。わたしが愛されるべきなのに!」

アンネ様はとても可愛らしい人。小柄で庇護欲を誘う。男の人ならまずわたしのように可愛げのない女より彼女を好きになるだろう。

そんな彼女がここまで怒りをわたしにぶつけてくる。

「…アンネ様、やめてください。こんなことをしたらあなたもご家族も大変なことになります」

「ふふふふ、大丈夫よ。あんたが誰にも話せなくなるくらい壊してあげるから。死にたくなるくらいにね」

彼女の目は狂気じみていた。

「…………」
涙がいっぱい溢れてくる、首を横に振る、でももう怖くて声が出ない。

わたしは男達に別の部屋へと引き摺られていった。

床に投げ捨てられて着ていた制服をナイフで切られ始めた。

ザクっ。

歯が何度か肌をかすめヒリヒリとしてきた。
血が滲み出した。

体が震える。声が出ない。

わたしがなくした記憶のせいでセルジオ兄様を傷つけたから?
罰を受けるの?


男達がわたしの服を脱がしていく。

でも助けはこない。







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