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あなたを愛していました
あなたを愛していました。 中編①
屋敷に現れたのは少し疲れた感じのわたしより少し年上の女性と1歳くらいの男の子だった。
可愛らしい男の子の顔はどこか面影があった。
それはタイラン……えっ……バイズ…?
「私達、仕事も家もありません。ここにしか頼るところがないのです」
泣きながら訴えてくる女性の名はサリー。男の子の名は……バイラス。
「…………この男の子は……」
怖くてその先の言葉が出てこない。
サリーはわたしをチラッと見るも、無視するとタイランに向かい甘える声で「この子はバイズの子です。わたしとバイズはずっと愛し合っていました。わたしを庇ってバイズは亡くなったのです……お腹の子供とわたしを庇って……」
そう言うと泣き崩れた。
泣きたいのはわたしなのに……
わたしはバイズに裏切られていたのだ。
戦争に行く前日、愛するバイズに操を捧げ、彼が戦争から無事に帰ってくることだけを祈りながら過ごしてきたのに……バイズは戦地で恋人を作り、子供まで……そして二人を庇い亡くなった……
言葉も出ず立ち尽くすわたしを泣き崩れていたはずのサリーはこそっと見上げて、クスッと笑った。
この顔はわたしがバイズの婚約者だったと知っている顔だ。そして……この女狐は今度はタイランを狙っている。
タイランは疲れ果ててやってきて泣き崩れるサリーに優しく接している。
ーーああ、目の前でわたしはタイランが恋に落ちていく姿を見ているのかしら?
こんな感じでバイズもこの女に靡いてしまったの?
疲れ果てているのに、どこか儚げで、どこか妖艶に感じる女の甘い空気。
屋敷の男性使用人達も思わず固唾を飲んだ。サリーに魅了されていく。
女性の使用人達は眉根を寄せて怖い顔をしてサリーを見つめていた。
この屋敷に二つの空気ができてしまった。
そんな屋敷の空気をわたしは一人、何故か劇でも見ているかのように客観的にじっと見ていた。
男も女もこのサリーに魅入られる姿を。
それからのタイランは毎日のようにサリーのために尽くした。
美味しい料理、綺麗なドレス、宝石を買い与え、子供には数人のメイドをつけた。
毎晩わたしと夜を共にしていたタイランはいつの間にか違う部屋で眠るようになった。
「サリーが夜眠るのが怖いらしい」
「俺が守ってあげないとバイラスは兄の息子だからね」
「サリーは兄貴の大切な人なんだ」
ーーじゃあ、わたしは?わたしはバイズの婚約者だった。そして今はあなたの妻なのよ?
わたしはその言葉を彼に伝える気にはならなかった。ヤキモチだとか悔しいとかそんな気持ちすら湧かない。
ただ………虚しいだけ……わたしは誰にも愛されていなかったのだ。
一人忙しく伯爵家の仕事をこなす日々。
屋敷の庭にはいつの間にか子供用の遊具が新しく置かれていた。そこで楽しそうに遊ぶバイラスの姿。もちろんそばにはタイランとサリーが笑い合っていた。
「ままぁ!」
「バイラス、危ないから走ってはダメよ」
「だっこぉ」
お義父様にも一度だけ話してみた。タイランにもう少し伯爵家の仕事をして欲しいと。サリーに買い与える宝石やドレスの請求書も見せた。
膨れ上がる支払いに最近はつい頭を抱えてしまう。
さほど多い収入ではない伯爵家。慎ましく生活をしていればそれなりに暮らしてはいける。でも今の状態が続けば……いずれは破産するだろう。
ーーどこで間違えてしまったのだろう。
サリーに甘い義父母、そしてタイラン。
最近は仕事の疲れなのか不安からなのか眠る事ができなくなってきた。食欲も減り目眩が酷く立っている事ができない。でも目の前にはたくさんの仕事の山。
「タイラン、少しは仕事をしてください」
「僕はまだ仕事を覚えているところだ。セシリアのようにはこなせないよ、君の助けに感謝しているんだ」
ーーーーー
「うわっ!」
お昼寝していたわたしはベッドから飛び起きた。
思わず立ったまま周りをキョロキョロと見回
した。
ーーはあああ~~…………目が覚めたら……寝てたはずなのになんだか疲れちゃった。
夢なのにすっごい辛かった。なんなの、あの男。なんなのあの女。サリーって名前も気に入らないわ。
お姉ちゃんの名前の砂莉亜に似てない?セシリアだって世莉亜……わたしの名前に似ているわ。
あーー、嫌だ。
お姉ちゃんの顔を見るとあの時の二人の姿を思い出す。お姉ちゃんはわたしの4歳年上。大学の近くで一人暮らしをしている。たまに帰ってきて、たまに泊まって、一人暮らしの家に帰っていく。
お姉ちゃんとは出来るだけ関わらないようにしている。だって拓也とエッチしてたんだよ?
信じられないよ!わたしの彼氏だったんだよ?しかも中3の男の子と大学1年の女子大生って……どっちが誘ったか知らないけど、不潔だよ!
あの不潔な最低最悪な姉と夢で見るサリー、顔も髪の色も全く違うのに何故か雰囲気が似てる……やだ、気持ち悪い。
姉と彼氏のエッチをしている姿を見てからわたしは二人の顔を見るのも気持ち悪い。なのに二人とも完全に避ける事ができない。
お姉ちゃんは家族だし、拓也はお母さんの従兄弟の子供だから親戚だし、ご近所だし……
ほんと最悪。
「世莉亜、お買い物に行ってきてちょうだい」
「何を買うの?」
「小麦粉!コンビニでもいいからね、ついでにアイス買ってきてもいいから!」
「アイス?やったあ!行く行く!」
鏡を見ると髪の毛がボサボサ。部屋着なんでとりあえずトレーナーとパンツに着替えて髪の毛は面倒なんで一つに結んだ。
コンタクトをするのも面倒。眼鏡をかけて「よし!」とマイバック持参で「行ってきます!」とお遣いに行く。
コンビニで小麦粉をカゴに入れてアイスを選んでいると「世莉亜」とわたしを呼ぶ声。
ーー絶対振り向かない、気がつかないフリ。
わたしは無視してアイスを選んでいると肩を掴まれた。
「触らないで!」思わず大きな声が出てしまった。
ハッとして周りを見たらみんなチラチラとこちらを見ていた。仕方なく「何?」と拓也に返事をした。
「話をしたい」
ーー今更?
「わたしはない」
そう答えてまたアイスを選んだ。
横にじっと立っている拓也を無視し続ける。
ーー鬱陶しい。
さっき見た夢のせいなのか拓也があのバイズとかタイランとかと同じ最低野郎にしか見えない。
ーーあっ、最低野郎だった。
浮気野郎の馬鹿男だ!
なんだかイライラしてきて結局新発売の抹茶味のカップのアイスを買った。
コンビニのアイスって割高だけど美味しいんだよね。
お金を払ってコンビニを出て、アイスが溶ける前にさっさと帰ろうと急足で帰ることにした。別に拓也を意識してるわけじゃない。
アイツなんかどうでもいい。アイスが大事なだけ。
「待って、世莉亜、話を聞いて」
後ろから拓也がまた声をかけてきた。
「無理、アイスが溶けてしまう。それに小麦粉をお母さんに頼まれてるの」
「じゃあ、家まで着いていくよ」
「好きにすれば?」
振り払っても着いて来そうだし、お母さんはわたし達の関係を知らない。
拓也とあまり仲が良くないのも年頃特有のものだと思っているみたい。
「あんた達子供の頃は仲が良かったのに、お互い意識してしまうのかしら?」
ーー呑気でいいよね、あなたの産んだ長女、いろんな男と付き合ってるって知ってるのかな?
彼氏がいてもセフレと切れないお姉ちゃん。自慢げにSNSに投稿してる。彼氏にバレないように裏垢で。
わたしのスマホも勝手に触って裏垢フォローさせられてた。ブロックしてもいいんだろうけど、いいねを押してやらないと後々うるさい。
ほんと関わらないようにしているのに、向こうが勝手に関わってくる。身内って面倒だよ。
「ただいま」
玄関開けると後ろから拓也も「お邪魔します」と家に入って来た。
「あら、拓也、いらっしゃい。世莉亜と一緒なんて珍しいわね?」
お母さんは拓也が来ると機嫌がいい。
「さっき世莉亜と会ったんだ。世莉亜に宿題のプリント貸してもらおうと思って」
「学校に忘れたの?」
「うん、コピーさせて」
「勝手にやってね、わたしはお夕飯作らないといけないから」
お母さんは拓也と楽しそうに話してる。わたしは拓也の前にジュースを入れたコップを置いてアイスを持って部屋に行った。
ミニテーブルにアイスを置いてカップの蓋を開けて食べ始めた。
拓也のことはもう考えない。一応宿題のプリントはドアの前の廊下に置いた。これで奴は入ってこないだろう、よしっ!
可愛らしい男の子の顔はどこか面影があった。
それはタイラン……えっ……バイズ…?
「私達、仕事も家もありません。ここにしか頼るところがないのです」
泣きながら訴えてくる女性の名はサリー。男の子の名は……バイラス。
「…………この男の子は……」
怖くてその先の言葉が出てこない。
サリーはわたしをチラッと見るも、無視するとタイランに向かい甘える声で「この子はバイズの子です。わたしとバイズはずっと愛し合っていました。わたしを庇ってバイズは亡くなったのです……お腹の子供とわたしを庇って……」
そう言うと泣き崩れた。
泣きたいのはわたしなのに……
わたしはバイズに裏切られていたのだ。
戦争に行く前日、愛するバイズに操を捧げ、彼が戦争から無事に帰ってくることだけを祈りながら過ごしてきたのに……バイズは戦地で恋人を作り、子供まで……そして二人を庇い亡くなった……
言葉も出ず立ち尽くすわたしを泣き崩れていたはずのサリーはこそっと見上げて、クスッと笑った。
この顔はわたしがバイズの婚約者だったと知っている顔だ。そして……この女狐は今度はタイランを狙っている。
タイランは疲れ果ててやってきて泣き崩れるサリーに優しく接している。
ーーああ、目の前でわたしはタイランが恋に落ちていく姿を見ているのかしら?
こんな感じでバイズもこの女に靡いてしまったの?
疲れ果てているのに、どこか儚げで、どこか妖艶に感じる女の甘い空気。
屋敷の男性使用人達も思わず固唾を飲んだ。サリーに魅了されていく。
女性の使用人達は眉根を寄せて怖い顔をしてサリーを見つめていた。
この屋敷に二つの空気ができてしまった。
そんな屋敷の空気をわたしは一人、何故か劇でも見ているかのように客観的にじっと見ていた。
男も女もこのサリーに魅入られる姿を。
それからのタイランは毎日のようにサリーのために尽くした。
美味しい料理、綺麗なドレス、宝石を買い与え、子供には数人のメイドをつけた。
毎晩わたしと夜を共にしていたタイランはいつの間にか違う部屋で眠るようになった。
「サリーが夜眠るのが怖いらしい」
「俺が守ってあげないとバイラスは兄の息子だからね」
「サリーは兄貴の大切な人なんだ」
ーーじゃあ、わたしは?わたしはバイズの婚約者だった。そして今はあなたの妻なのよ?
わたしはその言葉を彼に伝える気にはならなかった。ヤキモチだとか悔しいとかそんな気持ちすら湧かない。
ただ………虚しいだけ……わたしは誰にも愛されていなかったのだ。
一人忙しく伯爵家の仕事をこなす日々。
屋敷の庭にはいつの間にか子供用の遊具が新しく置かれていた。そこで楽しそうに遊ぶバイラスの姿。もちろんそばにはタイランとサリーが笑い合っていた。
「ままぁ!」
「バイラス、危ないから走ってはダメよ」
「だっこぉ」
お義父様にも一度だけ話してみた。タイランにもう少し伯爵家の仕事をして欲しいと。サリーに買い与える宝石やドレスの請求書も見せた。
膨れ上がる支払いに最近はつい頭を抱えてしまう。
さほど多い収入ではない伯爵家。慎ましく生活をしていればそれなりに暮らしてはいける。でも今の状態が続けば……いずれは破産するだろう。
ーーどこで間違えてしまったのだろう。
サリーに甘い義父母、そしてタイラン。
最近は仕事の疲れなのか不安からなのか眠る事ができなくなってきた。食欲も減り目眩が酷く立っている事ができない。でも目の前にはたくさんの仕事の山。
「タイラン、少しは仕事をしてください」
「僕はまだ仕事を覚えているところだ。セシリアのようにはこなせないよ、君の助けに感謝しているんだ」
ーーーーー
「うわっ!」
お昼寝していたわたしはベッドから飛び起きた。
思わず立ったまま周りをキョロキョロと見回
した。
ーーはあああ~~…………目が覚めたら……寝てたはずなのになんだか疲れちゃった。
夢なのにすっごい辛かった。なんなの、あの男。なんなのあの女。サリーって名前も気に入らないわ。
お姉ちゃんの名前の砂莉亜に似てない?セシリアだって世莉亜……わたしの名前に似ているわ。
あーー、嫌だ。
お姉ちゃんの顔を見るとあの時の二人の姿を思い出す。お姉ちゃんはわたしの4歳年上。大学の近くで一人暮らしをしている。たまに帰ってきて、たまに泊まって、一人暮らしの家に帰っていく。
お姉ちゃんとは出来るだけ関わらないようにしている。だって拓也とエッチしてたんだよ?
信じられないよ!わたしの彼氏だったんだよ?しかも中3の男の子と大学1年の女子大生って……どっちが誘ったか知らないけど、不潔だよ!
あの不潔な最低最悪な姉と夢で見るサリー、顔も髪の色も全く違うのに何故か雰囲気が似てる……やだ、気持ち悪い。
姉と彼氏のエッチをしている姿を見てからわたしは二人の顔を見るのも気持ち悪い。なのに二人とも完全に避ける事ができない。
お姉ちゃんは家族だし、拓也はお母さんの従兄弟の子供だから親戚だし、ご近所だし……
ほんと最悪。
「世莉亜、お買い物に行ってきてちょうだい」
「何を買うの?」
「小麦粉!コンビニでもいいからね、ついでにアイス買ってきてもいいから!」
「アイス?やったあ!行く行く!」
鏡を見ると髪の毛がボサボサ。部屋着なんでとりあえずトレーナーとパンツに着替えて髪の毛は面倒なんで一つに結んだ。
コンタクトをするのも面倒。眼鏡をかけて「よし!」とマイバック持参で「行ってきます!」とお遣いに行く。
コンビニで小麦粉をカゴに入れてアイスを選んでいると「世莉亜」とわたしを呼ぶ声。
ーー絶対振り向かない、気がつかないフリ。
わたしは無視してアイスを選んでいると肩を掴まれた。
「触らないで!」思わず大きな声が出てしまった。
ハッとして周りを見たらみんなチラチラとこちらを見ていた。仕方なく「何?」と拓也に返事をした。
「話をしたい」
ーー今更?
「わたしはない」
そう答えてまたアイスを選んだ。
横にじっと立っている拓也を無視し続ける。
ーー鬱陶しい。
さっき見た夢のせいなのか拓也があのバイズとかタイランとかと同じ最低野郎にしか見えない。
ーーあっ、最低野郎だった。
浮気野郎の馬鹿男だ!
なんだかイライラしてきて結局新発売の抹茶味のカップのアイスを買った。
コンビニのアイスって割高だけど美味しいんだよね。
お金を払ってコンビニを出て、アイスが溶ける前にさっさと帰ろうと急足で帰ることにした。別に拓也を意識してるわけじゃない。
アイツなんかどうでもいい。アイスが大事なだけ。
「待って、世莉亜、話を聞いて」
後ろから拓也がまた声をかけてきた。
「無理、アイスが溶けてしまう。それに小麦粉をお母さんに頼まれてるの」
「じゃあ、家まで着いていくよ」
「好きにすれば?」
振り払っても着いて来そうだし、お母さんはわたし達の関係を知らない。
拓也とあまり仲が良くないのも年頃特有のものだと思っているみたい。
「あんた達子供の頃は仲が良かったのに、お互い意識してしまうのかしら?」
ーー呑気でいいよね、あなたの産んだ長女、いろんな男と付き合ってるって知ってるのかな?
彼氏がいてもセフレと切れないお姉ちゃん。自慢げにSNSに投稿してる。彼氏にバレないように裏垢で。
わたしのスマホも勝手に触って裏垢フォローさせられてた。ブロックしてもいいんだろうけど、いいねを押してやらないと後々うるさい。
ほんと関わらないようにしているのに、向こうが勝手に関わってくる。身内って面倒だよ。
「ただいま」
玄関開けると後ろから拓也も「お邪魔します」と家に入って来た。
「あら、拓也、いらっしゃい。世莉亜と一緒なんて珍しいわね?」
お母さんは拓也が来ると機嫌がいい。
「さっき世莉亜と会ったんだ。世莉亜に宿題のプリント貸してもらおうと思って」
「学校に忘れたの?」
「うん、コピーさせて」
「勝手にやってね、わたしはお夕飯作らないといけないから」
お母さんは拓也と楽しそうに話してる。わたしは拓也の前にジュースを入れたコップを置いてアイスを持って部屋に行った。
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