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さよならのかわりに ブロアとセフィルの恋ーーあなたを愛していますーー
セフィル。
やっと遠征が終わり屋敷に帰ってきた。
「父上、母上、俺は寮に入ることになりました。ブロアとの結婚までもうこの屋敷には戻ることはありません」
挨拶を兼ねてはっきりと屋敷に帰らない意思を伝えた。
リリアンナに振り回されるのはもういい加減にして欲しいと伝えたつもりだった。
俺は早くブロアに会いに行きたい。連絡が取れないだけに不安でイライラしていた。
なのに………
「もうブロア様はこの国にはいないわよ?公爵様はブロア様をこの国から追放されたの。あなたとの婚約も次期に解消されることになるわ。リリアンナがあなたの婚約者になるのよ?」
母上はニコニコ笑いながら、さも当たり前のように告げる。
「ブロアが追放?なんで……どういうことですか?俺は何も聞いていない!」
母上のことは無視して父上に目を向けた。
「王太子殿下に側妃にとお声がかかったのに……断ったそうだ……それを知った公爵が怒り追放したと聞いている」
「側妃?ふざけないでください!俺の婚約者なんです!俺は今回の遠征が終わったら結婚の準備を始めるつもりでした。もうリリアンナに振り回されてブロアに辛い思いをさせたくなかった」
「振り回されるって……そんな言い方はないんじゃないかしら?リリアンナのことをとても可愛がっていたのはセフィルでしょう?」
「妹として可愛いとは思っています………ただそれだけです。頼まれたから面倒は見ていましたがそれでブロアに誤解されてしまったようです。
愛しているのはブロアだけです。やっと後少しで結婚できると思っていたのに……何があっても絶対に別れませんし、リリアンナと結婚なんてしない」
「リリアンナはあなたとの結婚を楽しみにしているのよ?」
「リリアンナと結婚しなければならないのなら俺を伯爵家の籍から抜いてください。俺はブロアしかいらない」
俺はこの部屋から出て行こうとした。
「どこへ行くの?」
母上は叫ぶように俺に聞いてきた。
「もちろんブロアの行方を探すために公爵家に向かいます」
「公爵様のご機嫌が悪くなったらどうするの?ブロア様は疎んじられているのよ?ブロア様がいなくなって公爵様はご機嫌がいいとの噂よ?」
「誰がそんなことを?」
「リリアンナはロザンナ妃と仲がいいのよ、いろいろ教えてくれるのよ。公爵様は宰相でもあるからロザンナ妃も色々知っているみたいなの。だから、ね?リリアンナと結婚すれば王族とも繋がりが持てるのよ。悪女で無能と呼ばれ実の父親からも疎んじられているブロア様との結婚よりも絶対にリリアンナとの結婚の方がいいのよ。可愛らしくて愛らしい、いつもニコニコしているリリアンナが娘になってくれたらわたしも嬉しいわ」
「だったら母上がリリアンナと結婚したらいいでしょう?」
「何を馬鹿なことを!!」
「俺の方が、馬鹿なことを!と思っています。もうあなたとこれ以上話したくありません」
「あ、あなた!セフィルに何か言ってやってくださいな!母親に向かってこんな口を聞くなんて!」
「セフィル、もうブロア様のことは諦めろ。この国から追放された人を探してどうする?我が伯爵家にまで悪い影響があるかもしれない。縁がなかったと思ってリリアンナと結婚しなさい」
「なんでそんなにリリアンナとの結婚をすすめるのですか?」
俺はリリアンナの本性を知ってから妹としても可愛いと感じなくなっていた。
「そ、それは……」
父上が口籠る。
「もしかして借金でも?」
「少しだけ……その……」
「もう結構です………あなた達には幻滅しました」
俺はこの人達に育ててもらった恩はある。どこまでの借金かはわからない。自分のできることは後でなんとかしようと思いながらも、だかと言って俺を売るようなやり方は気に入らなかった。
「先を急ぎますので」
俺は振り切って屋敷を出た。
「セフィル!」
怒鳴り声が聞こえてくる。しかしもう振り返らない。優しいだけの俺はもうやめた。親の言いなりになるのはもうやめた。
そんなことで大切なブロアを失うなんて絶対嫌だ。
馬を走らせブロアの屋敷へ着くとそこにはたくさんの騎士達がいるのに、使用人が少ない。
不思議に思い顔見知りの騎士に声をかけた。
俺の顔を見て一瞬顔を歪め嫌悪を見せた。
ーーなぜ?
そう思った途端、俺の胸ぐらを掴んだ。
「セフィル、何やってたんだ!ブロア様はもう屋敷を追い出されてどこに行ったかわからないんだぞ」
「はっ?追放されたとは聞いたけど……場所くらいは……」
「公爵家の執事が勝手に何も持たさずに追い出したんだ」
「父上、母上、俺は寮に入ることになりました。ブロアとの結婚までもうこの屋敷には戻ることはありません」
挨拶を兼ねてはっきりと屋敷に帰らない意思を伝えた。
リリアンナに振り回されるのはもういい加減にして欲しいと伝えたつもりだった。
俺は早くブロアに会いに行きたい。連絡が取れないだけに不安でイライラしていた。
なのに………
「もうブロア様はこの国にはいないわよ?公爵様はブロア様をこの国から追放されたの。あなたとの婚約も次期に解消されることになるわ。リリアンナがあなたの婚約者になるのよ?」
母上はニコニコ笑いながら、さも当たり前のように告げる。
「ブロアが追放?なんで……どういうことですか?俺は何も聞いていない!」
母上のことは無視して父上に目を向けた。
「王太子殿下に側妃にとお声がかかったのに……断ったそうだ……それを知った公爵が怒り追放したと聞いている」
「側妃?ふざけないでください!俺の婚約者なんです!俺は今回の遠征が終わったら結婚の準備を始めるつもりでした。もうリリアンナに振り回されてブロアに辛い思いをさせたくなかった」
「振り回されるって……そんな言い方はないんじゃないかしら?リリアンナのことをとても可愛がっていたのはセフィルでしょう?」
「妹として可愛いとは思っています………ただそれだけです。頼まれたから面倒は見ていましたがそれでブロアに誤解されてしまったようです。
愛しているのはブロアだけです。やっと後少しで結婚できると思っていたのに……何があっても絶対に別れませんし、リリアンナと結婚なんてしない」
「リリアンナはあなたとの結婚を楽しみにしているのよ?」
「リリアンナと結婚しなければならないのなら俺を伯爵家の籍から抜いてください。俺はブロアしかいらない」
俺はこの部屋から出て行こうとした。
「どこへ行くの?」
母上は叫ぶように俺に聞いてきた。
「もちろんブロアの行方を探すために公爵家に向かいます」
「公爵様のご機嫌が悪くなったらどうするの?ブロア様は疎んじられているのよ?ブロア様がいなくなって公爵様はご機嫌がいいとの噂よ?」
「誰がそんなことを?」
「リリアンナはロザンナ妃と仲がいいのよ、いろいろ教えてくれるのよ。公爵様は宰相でもあるからロザンナ妃も色々知っているみたいなの。だから、ね?リリアンナと結婚すれば王族とも繋がりが持てるのよ。悪女で無能と呼ばれ実の父親からも疎んじられているブロア様との結婚よりも絶対にリリアンナとの結婚の方がいいのよ。可愛らしくて愛らしい、いつもニコニコしているリリアンナが娘になってくれたらわたしも嬉しいわ」
「だったら母上がリリアンナと結婚したらいいでしょう?」
「何を馬鹿なことを!!」
「俺の方が、馬鹿なことを!と思っています。もうあなたとこれ以上話したくありません」
「あ、あなた!セフィルに何か言ってやってくださいな!母親に向かってこんな口を聞くなんて!」
「セフィル、もうブロア様のことは諦めろ。この国から追放された人を探してどうする?我が伯爵家にまで悪い影響があるかもしれない。縁がなかったと思ってリリアンナと結婚しなさい」
「なんでそんなにリリアンナとの結婚をすすめるのですか?」
俺はリリアンナの本性を知ってから妹としても可愛いと感じなくなっていた。
「そ、それは……」
父上が口籠る。
「もしかして借金でも?」
「少しだけ……その……」
「もう結構です………あなた達には幻滅しました」
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俺は振り切って屋敷を出た。
「セフィル!」
怒鳴り声が聞こえてくる。しかしもう振り返らない。優しいだけの俺はもうやめた。親の言いなりになるのはもうやめた。
そんなことで大切なブロアを失うなんて絶対嫌だ。
馬を走らせブロアの屋敷へ着くとそこにはたくさんの騎士達がいるのに、使用人が少ない。
不思議に思い顔見知りの騎士に声をかけた。
俺の顔を見て一瞬顔を歪め嫌悪を見せた。
ーーなぜ?
そう思った途端、俺の胸ぐらを掴んだ。
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