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さよならのかわりに ブロアとセフィルの恋ーーあなたを愛していますーー
急変。
セフィルもお父様もしつこい。
多分わたくしの命が短いからと心配でたまらないのだろう。
もう少し早くわたくしに関心を持ってくれれば……なんて馬鹿なことを考えてしまうくらいわたくしはもう体が言うことを聞かなくなりつつある。
「ブロア様……今回もダメでしたか……」
肩を落としている先生に
「でも……おかげで体が少し楽になっている時期もありました……先生、もう大丈夫……わたくしそろそろお母様の元へいきたい……だからもう無理はしないで……ねっ?」
そう言うと「わたしはなんて無力なんだ」とさらに落ち込んでしまった。
本当に感謝しているの、この気持ちを先生に伝えたいのに……先生はわたくしをなんとか助けようと最後まで諦めようとしない。
最近はサイロもウエラもミリナちゃんまで昼間は忙しいのか出かけてしまうことが多い。わたくしは屋敷のメイド達が世話をしてくれるので特には困らないしみんないい人たちなので助かってはいるのだけど、少しだけ寂しい。
みんなわたくしだけに構ってはいられないのもわかっているのに、つい甘えたことを考えてしまう。そばにいて欲しい………と。
ふと気がつくとあれだけ毎日通って来たお父様もセフィルも顔を出さなくなっていた。
諦めてくれたのね……安心した。………のに、もう会うことはないのだと思うとやはりぽっかりと穴が空いてしまった気がする。
自分に呆れながら重たい体を少し動かしてベッドの横に置かれた棚に手を伸ばした。
お水を飲みたい……たったそれだけなのに……今日は手が震えてコップを掴みたいのに力が入らない。
情けない……誰かを呼ぶのも忙しそうにしているので気の毒で……ウエラやサイロにどれだけ甘えて過ごしていたのか……
なんとかコップを持つがやはりこぼしてしまいベッドが濡れてしまった。
寝巻きも毛布もシーツも……
「誰か……」
声を出しても2階にいる誰かの耳に入らなければ来てはもらえない。
みんないつも1階にいるので上には人の気配はない。
仕方なくそのまま濡れているしかなかった。
ちょっと肌寒いかな……
水はしっかり寝巻きの上にこぼれてしまったので思ったよりも濡れている。
昼食の時間になれば誰か顔を出すだろう。病気がなければ……体さえもう少し動いてくれれば……そう思うのに……ままならない……悔しくて……そして……元気なみんなが羨ましかった。
生きることを諦めているくせに、わたくしを置いて出かけるみんなが羨ましい。
わたくしを愛していると言いながらもう顔も出してくれないセフィルを恨んでしまう。
お父様だってわたくしを大切だと言ってくれたのにもう興味がないのだろう。
気がつけば涙が溢れて止まらない。
ーーーーー
「ブロア様………?」
「や、やだ、ブロア様が………」
サイロとウエラはやっと見つけた薬草を持ち帰り、今日は昼食を一緒に摂れると急いで山から帰って来ていた。
なのに……ブロアはぐったりとしていて意識がなかった。
「体が熱い……熱がある……早く先生を!」
サイロが慌てて部屋を出ていった。
ウエラはブロアの寝巻きが濡れていることに気がついた。
ベッドの下には割れたコップ……ブロア様……こんなに濡れて……「誰も部屋に来てくれなかったのですね?」
急いでタンスから新しい寝巻きを取り出した。大きな声で一階にいるメイドに声をかけた。
「誰か手伝って!ブロア様を着替えさせないといけないの!」
慌てて一人のメイドが駆けつけた。
「えっ?どうしたんですか?ブロア様?」
「どうしたって……ブロア様のことお願いしたじゃないですか?こんなに濡れて……誰も部屋をのぞいてくれなかったんですか?」
「呼ばれなかったから……」
メイドは視線を逸らした。
確かにブロアはここの主人でもないし、ただの居候だ。だけど病人だと伝えてあるし、エイリヒさんは客人として迎えてくれていた。
なのに……
「どうしたの?ウエラ?」
ミリナは一緒に山に入って薬草を探して帰って来ていた。
着替えてブロアの部屋にやって来たところにウエラが大きな声で怒っていた。
驚いて声をかけるとメイドがムスッとしていた。
「イリア、説明して」
ミリナはまだ子供ながらにここの主人としてしっかりと強い口調でメイドに質問をした。
「わたし達は自分の仕事が忙しいんです。ブロア様は呼ばれなかったんだからお部屋に顔を出す必要はないと思います……なのに……まるでわたし達が悪いみたいに……酷いと思いませんか?」
「それじゃあ、説明にはなっていないわ」
ミリナがそう言うと、ウエラは代わりに帰って来てからのことを説明した。
「わかったわ……ウエラ、とりあえず怒りは抑えてちょうだい。それよりも早くブロア様を着替えさせてあげなきゃ」
「あっ……はい」
「熱がかなり上がってるわ」
ミリナはブロアの体がとても熱いと心配していた。
「さっき薬草を先生に渡したばかりで先生もすぐに来てくれると思うんだけど……ブロア様は体が衰弱しているからコップすら持つ力が無かったのかもしれないわね」
「あ、あの、ブロア様はそんなに悪いんですか?」
イリアはミリナの言葉に驚いた。そこまで悪いとは思っていなかった。
「………そうね、詳しく説明していなかったわたし達がいけなかったのよね」
ミリナは唇を噛んだ。
ブロアの治療薬にもしかしたら効くかもしれないと言われる薬草が裏山にあることがわかった。
まさかこんな近くにあるかもしれないなんて誰も思わなかった。日に日に体が衰弱していくブロアのために最近毎日山に入って薬草を探していた。
それはサイロやウエラ、セフィルや父までも。さらには公爵について来た騎士や官僚達も必死で探して回った。
そして探すこと一週間、やっと見つけることができた。でも見つけたのはほんの少し。まだまだ足りない。だから他の人たちはまだ探し回っている。
ウエラとサイロはブロアが最近寂しそうにしているからと見つけた薬草を持って帰る役目を言い渡され、ミリナと共に帰って来たところだった。
屋敷の使用人達はブロアを冷遇していたわけではない。でもだかと言って一人がずっと付いて看病することもなかった。
何か声が掛かればしてあげればいい、そう思っていたしそれで過ごせていた。
まさか……コップすら持てないほど衰弱しているなんて知らなかったし思ってもいなかった。
「申し訳ありません……」
ーーだってブロア様はこの屋敷で自分が主人でもあるかのようにいるから……少しだけ……呼ばれても聞こえないふりをみんなでしていた……
みんなミリナ様が大好きでブロア様に対して不信感を抱いていた。勝手に世話になって自分の使用人達まで我が物顔で棲みついて一体何様なの?と思っていた。
エイリヒにとってこの国にとって彼女が動いてくれたことで大きくいい方へと変わった。
大きな役割を果たしてくれたことなどミリナも含めて知らなかった。大恩人だなんて知らなかった。だからエイリヒはブロア達を大切に扱っていた。
イリアは今目の前で死にかけているブロアを怖くて見ることもできず泣き崩れていた。そしてその騒ぎを知った他の使用人達も真っ青になっていた。
先生が急いで診察を始めた。
「とりあえず解熱剤を飲ませましょう」
そう言って意識のないブロアの口に解熱効果のある薬液を無理やり飲ませた。
「わたしはとにかく一刻も早く治療薬を作って来ます……これが最後の希望の薬なんです……これがダメなら……もう……」
先生は診察が終わるとすぐに部屋を出ていった。ブロアの看病はウエラが一人ですると言って他のメイドは部屋に入らないで欲しいと言い捨てた。
セフィル達は暗くなる前に山を降りた。
探していた薬草をなんとか見つけ出すことができた。
「明日もまた探しにいきます」
そう言って先生に薬草を渡す。
「セフィル殿……公爵様……ブロア様の容態が急変して……もしかしたら薬が間に合わないかもしれません……ぜひお顔を見て帰られることをお勧めします」
「ブロアが………」
「嘘でしょう?この薬草が見つかれば……助かるかもしれないと……」
「ブロア様は……生きることを望んでいませんでした……生きる希望を見つけなければ……どんなにいい薬ができても助かりません……あなた達のこれからの態度に今は期待するしかないのです……彼女に生きていたいと思わせてあげてください……会ってもらえないからと諦めて薬草探しの手伝いだけしても気持ちは通じないんですよ」
先生の厳しい言葉に二人は「はい」としか言えなかった。
多分わたくしの命が短いからと心配でたまらないのだろう。
もう少し早くわたくしに関心を持ってくれれば……なんて馬鹿なことを考えてしまうくらいわたくしはもう体が言うことを聞かなくなりつつある。
「ブロア様……今回もダメでしたか……」
肩を落としている先生に
「でも……おかげで体が少し楽になっている時期もありました……先生、もう大丈夫……わたくしそろそろお母様の元へいきたい……だからもう無理はしないで……ねっ?」
そう言うと「わたしはなんて無力なんだ」とさらに落ち込んでしまった。
本当に感謝しているの、この気持ちを先生に伝えたいのに……先生はわたくしをなんとか助けようと最後まで諦めようとしない。
最近はサイロもウエラもミリナちゃんまで昼間は忙しいのか出かけてしまうことが多い。わたくしは屋敷のメイド達が世話をしてくれるので特には困らないしみんないい人たちなので助かってはいるのだけど、少しだけ寂しい。
みんなわたくしだけに構ってはいられないのもわかっているのに、つい甘えたことを考えてしまう。そばにいて欲しい………と。
ふと気がつくとあれだけ毎日通って来たお父様もセフィルも顔を出さなくなっていた。
諦めてくれたのね……安心した。………のに、もう会うことはないのだと思うとやはりぽっかりと穴が空いてしまった気がする。
自分に呆れながら重たい体を少し動かしてベッドの横に置かれた棚に手を伸ばした。
お水を飲みたい……たったそれだけなのに……今日は手が震えてコップを掴みたいのに力が入らない。
情けない……誰かを呼ぶのも忙しそうにしているので気の毒で……ウエラやサイロにどれだけ甘えて過ごしていたのか……
なんとかコップを持つがやはりこぼしてしまいベッドが濡れてしまった。
寝巻きも毛布もシーツも……
「誰か……」
声を出しても2階にいる誰かの耳に入らなければ来てはもらえない。
みんないつも1階にいるので上には人の気配はない。
仕方なくそのまま濡れているしかなかった。
ちょっと肌寒いかな……
水はしっかり寝巻きの上にこぼれてしまったので思ったよりも濡れている。
昼食の時間になれば誰か顔を出すだろう。病気がなければ……体さえもう少し動いてくれれば……そう思うのに……ままならない……悔しくて……そして……元気なみんなが羨ましかった。
生きることを諦めているくせに、わたくしを置いて出かけるみんなが羨ましい。
わたくしを愛していると言いながらもう顔も出してくれないセフィルを恨んでしまう。
お父様だってわたくしを大切だと言ってくれたのにもう興味がないのだろう。
気がつけば涙が溢れて止まらない。
ーーーーー
「ブロア様………?」
「や、やだ、ブロア様が………」
サイロとウエラはやっと見つけた薬草を持ち帰り、今日は昼食を一緒に摂れると急いで山から帰って来ていた。
なのに……ブロアはぐったりとしていて意識がなかった。
「体が熱い……熱がある……早く先生を!」
サイロが慌てて部屋を出ていった。
ウエラはブロアの寝巻きが濡れていることに気がついた。
ベッドの下には割れたコップ……ブロア様……こんなに濡れて……「誰も部屋に来てくれなかったのですね?」
急いでタンスから新しい寝巻きを取り出した。大きな声で一階にいるメイドに声をかけた。
「誰か手伝って!ブロア様を着替えさせないといけないの!」
慌てて一人のメイドが駆けつけた。
「えっ?どうしたんですか?ブロア様?」
「どうしたって……ブロア様のことお願いしたじゃないですか?こんなに濡れて……誰も部屋をのぞいてくれなかったんですか?」
「呼ばれなかったから……」
メイドは視線を逸らした。
確かにブロアはここの主人でもないし、ただの居候だ。だけど病人だと伝えてあるし、エイリヒさんは客人として迎えてくれていた。
なのに……
「どうしたの?ウエラ?」
ミリナは一緒に山に入って薬草を探して帰って来ていた。
着替えてブロアの部屋にやって来たところにウエラが大きな声で怒っていた。
驚いて声をかけるとメイドがムスッとしていた。
「イリア、説明して」
ミリナはまだ子供ながらにここの主人としてしっかりと強い口調でメイドに質問をした。
「わたし達は自分の仕事が忙しいんです。ブロア様は呼ばれなかったんだからお部屋に顔を出す必要はないと思います……なのに……まるでわたし達が悪いみたいに……酷いと思いませんか?」
「それじゃあ、説明にはなっていないわ」
ミリナがそう言うと、ウエラは代わりに帰って来てからのことを説明した。
「わかったわ……ウエラ、とりあえず怒りは抑えてちょうだい。それよりも早くブロア様を着替えさせてあげなきゃ」
「あっ……はい」
「熱がかなり上がってるわ」
ミリナはブロアの体がとても熱いと心配していた。
「さっき薬草を先生に渡したばかりで先生もすぐに来てくれると思うんだけど……ブロア様は体が衰弱しているからコップすら持つ力が無かったのかもしれないわね」
「あ、あの、ブロア様はそんなに悪いんですか?」
イリアはミリナの言葉に驚いた。そこまで悪いとは思っていなかった。
「………そうね、詳しく説明していなかったわたし達がいけなかったのよね」
ミリナは唇を噛んだ。
ブロアの治療薬にもしかしたら効くかもしれないと言われる薬草が裏山にあることがわかった。
まさかこんな近くにあるかもしれないなんて誰も思わなかった。日に日に体が衰弱していくブロアのために最近毎日山に入って薬草を探していた。
それはサイロやウエラ、セフィルや父までも。さらには公爵について来た騎士や官僚達も必死で探して回った。
そして探すこと一週間、やっと見つけることができた。でも見つけたのはほんの少し。まだまだ足りない。だから他の人たちはまだ探し回っている。
ウエラとサイロはブロアが最近寂しそうにしているからと見つけた薬草を持って帰る役目を言い渡され、ミリナと共に帰って来たところだった。
屋敷の使用人達はブロアを冷遇していたわけではない。でもだかと言って一人がずっと付いて看病することもなかった。
何か声が掛かればしてあげればいい、そう思っていたしそれで過ごせていた。
まさか……コップすら持てないほど衰弱しているなんて知らなかったし思ってもいなかった。
「申し訳ありません……」
ーーだってブロア様はこの屋敷で自分が主人でもあるかのようにいるから……少しだけ……呼ばれても聞こえないふりをみんなでしていた……
みんなミリナ様が大好きでブロア様に対して不信感を抱いていた。勝手に世話になって自分の使用人達まで我が物顔で棲みついて一体何様なの?と思っていた。
エイリヒにとってこの国にとって彼女が動いてくれたことで大きくいい方へと変わった。
大きな役割を果たしてくれたことなどミリナも含めて知らなかった。大恩人だなんて知らなかった。だからエイリヒはブロア達を大切に扱っていた。
イリアは今目の前で死にかけているブロアを怖くて見ることもできず泣き崩れていた。そしてその騒ぎを知った他の使用人達も真っ青になっていた。
先生が急いで診察を始めた。
「とりあえず解熱剤を飲ませましょう」
そう言って意識のないブロアの口に解熱効果のある薬液を無理やり飲ませた。
「わたしはとにかく一刻も早く治療薬を作って来ます……これが最後の希望の薬なんです……これがダメなら……もう……」
先生は診察が終わるとすぐに部屋を出ていった。ブロアの看病はウエラが一人ですると言って他のメイドは部屋に入らないで欲しいと言い捨てた。
セフィル達は暗くなる前に山を降りた。
探していた薬草をなんとか見つけ出すことができた。
「明日もまた探しにいきます」
そう言って先生に薬草を渡す。
「セフィル殿……公爵様……ブロア様の容態が急変して……もしかしたら薬が間に合わないかもしれません……ぜひお顔を見て帰られることをお勧めします」
「ブロアが………」
「嘘でしょう?この薬草が見つかれば……助かるかもしれないと……」
「ブロア様は……生きることを望んでいませんでした……生きる希望を見つけなければ……どんなにいい薬ができても助かりません……あなた達のこれからの態度に今は期待するしかないのです……彼女に生きていたいと思わせてあげてください……会ってもらえないからと諦めて薬草探しの手伝いだけしても気持ちは通じないんですよ」
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