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55話
「ドレス……そんなの私……卒業パーティーに出るつもりもなかったから…………「そうね、レインは卒業パーティーに出席しないと知ってた。だから私が貰ってもわからない、侯爵家にも連絡はしないだろうからわからない。私は他人のものを盗んでパーティーに婚約者と出席したの」
ミシェルは顔を歪めて悔しそうに私を見た。
「それがどれだけ惨めで……情けないことかわかる?自分が悪いの………そんなことわかってる!!だけど、どんどん惨めで性格の悪い自分が出来上がっていくの……貴女といると……やっと卒業して貴女と離れて………やっと幸せになれると思ったのに……」
ミシェルは泣き出した。
「……あ…なたに……レインに……罪悪感を感じながら……生きていくことになって……」
ミシェルは泣きながら私を睨みつけた。
「いつまで貴女は私の中にいるの?消えて欲しいのに!もう友達なんかやめたいのに!貴女は………いつも楽しそうに私に手紙を寄越すの……どうして?苦しめるの?どうして?もう嫌だ、貴女なんか要らない!!!」
何も言えなかった。
ミシェルの顔はくしゃくしゃで泣きじゃくっていた。
私は何故か泣けなかった。
こんなに責められているのに。
どう考えても理不尽なのはミシェルで、私は何も悪くないはずなのに。
腹も立たず、まるで劇でも見ているような気持ちで立ち尽くしてミシェルの責める姿を見ていた。
ドレスなんてミシェルが欲しいなら喜んであげたのに……
でも、こんな気持ちがミシェルにとっては嫌だったんだ……傲慢に感じたのかな。
「私は……学校に通いたかった。レインのお父様に貴女と仲良くするように頼まれたの……そうすれば我が家に支援してくれる。貴女のことを定期的に報告するだけで、私も兄様も学校へ通える、そして我が家の生活も楽になる……だから私は三年間、我儘な令嬢の友人を演じたの……毎日楽しそうに……親友のように……」
………嘘……
どんなにミシェルに酷い言葉を言われても傷つかなかった。だけど………
お父様に頼まれて……友達を演じてた?
「………ミシェル……出て行って……お願い……貴女のことを悪く言いたくない。今ここに居たら私……貴女に酷い言葉を投げつけてしまう…………」
多分顔色は血の気が引いていると思う。体が怒りで震えてる。
これは……ミシェルに対してではない。
お義父様に対して。
なんで13歳の娘にそんな酷いことをさせたの?
お金のためとは言えこんな残酷なことをミシェルはさせられたの?
友達でもない知らない女の子と仲良くなって、友達を演じさせられたの?
報告させられて……罪悪感の中過ごしてきたの?
「レイン、さよなら」
ミシェルは部屋を出るとき一瞬扉を閉めるのを躊躇した。
だけど振り返ることなく出て行った。
「気にしないで」「なんともおもってないの」
「また今度ゆっくり話したい」
そんな言葉をミシェルの背中に向かって言いたかった……
ふふふ、私のことなんて嫌いなんだよね、私のそんな言葉要らないか……
本当に大好きで一生親友で、パーカー領の屋敷に行くことは私にとって実家に帰るような気持ちだった。
毎回楽しみで『ただいま』って言って屋敷の中に入ってみんなと抱きしめあって、笑い合って、駆け回って………
全てが偽物だった……偽りの笑顔、偽りの幸せ……
部屋の中でポツンと立っていた。
ただ、ただ、立っていた。
何も考えたくなくて、何も考えられなくて……
ーー明日…仕事があるのに……そしてその後……
私は自由を勝ち取るために文官になって……自分の過去のことだって、家族のことだって調べようと思っていたはずなのに…忙しさにかまけてそんなことも忘れて…仕事ばかりしていた。
仕事をして頑張って休みをもぎ取って……ミシェルの結婚式に出て……
ああ、もう、結婚式に私が呼ばれることはないんだった。
外が真っ暗になって薄暗い部屋の中に我に返った。
私……明日、自分の過去を、そして真実を知るために、お義父様に会うんだった。
お義父様に………
会う必要があるのかな……セリウス殿下に話を聞くだけでいいじゃない。あの人達に会って、あの人達の声を聞くのも嫌だ。
さっきまで座っていた椅子に座りテーブルに手を置くと顔を埋めた。
「あ……あああ………ううっ」
もう嫌だ……どうして?
私は大切なものを失った。
ミシェルは顔を歪めて悔しそうに私を見た。
「それがどれだけ惨めで……情けないことかわかる?自分が悪いの………そんなことわかってる!!だけど、どんどん惨めで性格の悪い自分が出来上がっていくの……貴女といると……やっと卒業して貴女と離れて………やっと幸せになれると思ったのに……」
ミシェルは泣き出した。
「……あ…なたに……レインに……罪悪感を感じながら……生きていくことになって……」
ミシェルは泣きながら私を睨みつけた。
「いつまで貴女は私の中にいるの?消えて欲しいのに!もう友達なんかやめたいのに!貴女は………いつも楽しそうに私に手紙を寄越すの……どうして?苦しめるの?どうして?もう嫌だ、貴女なんか要らない!!!」
何も言えなかった。
ミシェルの顔はくしゃくしゃで泣きじゃくっていた。
私は何故か泣けなかった。
こんなに責められているのに。
どう考えても理不尽なのはミシェルで、私は何も悪くないはずなのに。
腹も立たず、まるで劇でも見ているような気持ちで立ち尽くしてミシェルの責める姿を見ていた。
ドレスなんてミシェルが欲しいなら喜んであげたのに……
でも、こんな気持ちがミシェルにとっては嫌だったんだ……傲慢に感じたのかな。
「私は……学校に通いたかった。レインのお父様に貴女と仲良くするように頼まれたの……そうすれば我が家に支援してくれる。貴女のことを定期的に報告するだけで、私も兄様も学校へ通える、そして我が家の生活も楽になる……だから私は三年間、我儘な令嬢の友人を演じたの……毎日楽しそうに……親友のように……」
………嘘……
どんなにミシェルに酷い言葉を言われても傷つかなかった。だけど………
お父様に頼まれて……友達を演じてた?
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多分顔色は血の気が引いていると思う。体が怒りで震えてる。
これは……ミシェルに対してではない。
お義父様に対して。
なんで13歳の娘にそんな酷いことをさせたの?
お金のためとは言えこんな残酷なことをミシェルはさせられたの?
友達でもない知らない女の子と仲良くなって、友達を演じさせられたの?
報告させられて……罪悪感の中過ごしてきたの?
「レイン、さよなら」
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だけど振り返ることなく出て行った。
「気にしないで」「なんともおもってないの」
「また今度ゆっくり話したい」
そんな言葉をミシェルの背中に向かって言いたかった……
ふふふ、私のことなんて嫌いなんだよね、私のそんな言葉要らないか……
本当に大好きで一生親友で、パーカー領の屋敷に行くことは私にとって実家に帰るような気持ちだった。
毎回楽しみで『ただいま』って言って屋敷の中に入ってみんなと抱きしめあって、笑い合って、駆け回って………
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ただ、ただ、立っていた。
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ああ、もう、結婚式に私が呼ばれることはないんだった。
外が真っ暗になって薄暗い部屋の中に我に返った。
私……明日、自分の過去を、そして真実を知るために、お義父様に会うんだった。
お義父様に………
会う必要があるのかな……セリウス殿下に話を聞くだけでいいじゃない。あの人達に会って、あの人達の声を聞くのも嫌だ。
さっきまで座っていた椅子に座りテーブルに手を置くと顔を埋めた。
「あ……あああ………ううっ」
もう嫌だ……どうして?
私は大切なものを失った。
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