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「レイン、泣くな。すまない……」
「兄様に子供ができたと聞いた時どんなにショックだったか……兄様の背中をずっと見てきたんです。兄様に婚約者がいた時も恋人がいた時も、遊びなのかわからないけどいろんな女性との噂がながれていた時も……ずっと見てきたんです!」
「………すまない」
「キース兄様が……アレックス兄様を信じて待ってろと言ってくれました。だけど……まさか全てを捨ててくるなんて思わなかった……私のせいで……どうしてそんなバカなことを……私は兄様を切り捨てようとしたんですよ?」
もう私のことなんか忘れて幸せになってほしいのに……また兄様を諦めきれなくなる……
「俺だって何度もレインを諦めようとした……でも無理だった。他の女性と付き合ったこともある、お前を忘れようと遊んだことも事実だ。俺は汚い……そんなずるいことばかりして……」
ふと兄様と視線が絡む。
「兄様………私……この国にきてやっと自然に笑えて、楽に息をすることができるようになりました……幸せなんです」
「ああ、レインの生き生きとした姿を何度も見てきた……意地っ張りで寂しがり屋で笑うのが苦手だったレインが笑ってるのを見て何度ホッとしたことか……俺がここに居ない方がレインは幸せなんだな」
兄様が項垂れて「すまなかった」と部屋を出ていく。
私はそれをただ黙って見つめていた。
カイさんはずっと一人本を読んで会話に加わらないでいてくれたようだ。本をテーブルに置くと私の方を見た。
「レイン、いいのか?」
「っ、だ、だって……もう苦しいのは嫌なんだもの……自分自身も。そして兄様にも……私のせいで不幸になってほしくない」
「お前なぁ…」
カイさんが髪の毛を掻きながら大きなため息をついた。
「あいつは自分で選んだんだ。この新しい人生を。まぁお前がアレックス卿をいらないというんなら仕方ないさ。だがまだ好きならあいつの手を取って何が悪いんだ?お前はただ怖いだけだろう?自分のせいになるのが」
「…………っ、そうかもしれない……」
「もうあいつはこの国に住んで働いてる。お前があいつを要らないんだったらあいつは他の女と幸せになる。それをお前は近くで見守ることになる。それでいいんだな?」
兄様が他の女性と………頭ではわかってる……でも本当にその時がきたら……私は……耐えられる?
またこの国から逃げ出してしまうの?そうやって逃げ続けて……
黙ったまま返事をしないでいるとカイさんが今度は私の頭に手を置いて髪の毛をくしゃっとした。
「おーーーい、いい加減認めたら?好きなんだろ?あいつが他の女と結ばれてもいいのか?」
「……………わけない」
「い、いやに決まってるじゃないですかっ!」
顔を真っ赤にして小刻みに震える。
「私……」
カイさんが背中を押した。
「ほら、行ってこい」
「………うん」
こくりと頷いて私はアレックス兄様を……ううん、大好きなアレックスを追いかけた。
彼がこの孤児院に来ると必ずいく場所。
孤児院から少し離れた大きな公園。
その公園のすぐそばには森があり、小川が流れていた。いつもそこに行き私にここはグリス国のうちの領地にある小川に似ていると教えてくれた。
私たち兄妹がよく遊んだ場所。懐かしい思い出の場所に似ていてとても落ち着く場所。
いつも笑い合って過ごした。
はぁはぁと肩で息を切らしながら辺りをキョロキョロと探した。
あ……やっぱり……
アレックスがいつもの場所にいた。
大きい石の上に腰掛け、空を見上げていた。
「アレックス!!」
私の声に振り向く。
「………レイン?」
「私……アレックスを愛しています。愛してるんです。素直じゃなくてごめんなさい」
「おいで」
アレックスは大きく腕を広げて私が走ってくるのを待った。
私は迷わずアレックスの胸に飛び込んだ。
終
「兄様に子供ができたと聞いた時どんなにショックだったか……兄様の背中をずっと見てきたんです。兄様に婚約者がいた時も恋人がいた時も、遊びなのかわからないけどいろんな女性との噂がながれていた時も……ずっと見てきたんです!」
「………すまない」
「キース兄様が……アレックス兄様を信じて待ってろと言ってくれました。だけど……まさか全てを捨ててくるなんて思わなかった……私のせいで……どうしてそんなバカなことを……私は兄様を切り捨てようとしたんですよ?」
もう私のことなんか忘れて幸せになってほしいのに……また兄様を諦めきれなくなる……
「俺だって何度もレインを諦めようとした……でも無理だった。他の女性と付き合ったこともある、お前を忘れようと遊んだことも事実だ。俺は汚い……そんなずるいことばかりして……」
ふと兄様と視線が絡む。
「兄様………私……この国にきてやっと自然に笑えて、楽に息をすることができるようになりました……幸せなんです」
「ああ、レインの生き生きとした姿を何度も見てきた……意地っ張りで寂しがり屋で笑うのが苦手だったレインが笑ってるのを見て何度ホッとしたことか……俺がここに居ない方がレインは幸せなんだな」
兄様が項垂れて「すまなかった」と部屋を出ていく。
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カイさんはずっと一人本を読んで会話に加わらないでいてくれたようだ。本をテーブルに置くと私の方を見た。
「レイン、いいのか?」
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「あいつは自分で選んだんだ。この新しい人生を。まぁお前がアレックス卿をいらないというんなら仕方ないさ。だがまだ好きならあいつの手を取って何が悪いんだ?お前はただ怖いだけだろう?自分のせいになるのが」
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「もうあいつはこの国に住んで働いてる。お前があいつを要らないんだったらあいつは他の女と幸せになる。それをお前は近くで見守ることになる。それでいいんだな?」
兄様が他の女性と………頭ではわかってる……でも本当にその時がきたら……私は……耐えられる?
またこの国から逃げ出してしまうの?そうやって逃げ続けて……
黙ったまま返事をしないでいるとカイさんが今度は私の頭に手を置いて髪の毛をくしゃっとした。
「おーーーい、いい加減認めたら?好きなんだろ?あいつが他の女と結ばれてもいいのか?」
「……………わけない」
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顔を真っ赤にして小刻みに震える。
「私……」
カイさんが背中を押した。
「ほら、行ってこい」
「………うん」
こくりと頷いて私はアレックス兄様を……ううん、大好きなアレックスを追いかけた。
彼がこの孤児院に来ると必ずいく場所。
孤児院から少し離れた大きな公園。
その公園のすぐそばには森があり、小川が流れていた。いつもそこに行き私にここはグリス国のうちの領地にある小川に似ていると教えてくれた。
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あ……やっぱり……
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「アレックス!!」
私の声に振り向く。
「………レイン?」
「私……アレックスを愛しています。愛してるんです。素直じゃなくてごめんなさい」
「おいで」
アレックスは大きく腕を広げて私が走ってくるのを待った。
私は迷わずアレックスの胸に飛び込んだ。
終
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実はこうだった、という謎がかくれている話が好きなので、
そういう部分がたくさんあるのは面白かったんですが
レインとアレックスがすれ違いがありすぎて、
レインが素直になれないモダモダが長すぎました。
レインがアレックスと婚約を発表するところまででも結構いろいろあったのに
妊娠してる女性が乗り込んできてレインが逃げ出す展開に、まだあるの?って思いました。
アレックスの子供を妊娠しているという部分は違うって周りの人はすぐにわかったのに
レインにだけそれが伝わらないというのがもどかしすぎて
せめてそこは周りが教えてあげて、その上で時間をおいて考えさせてあげればいいのにと思いました。
そこを勘違いしてるとどうしても諦める方向で気持ちを整理しようとするだろうし
気持ちの部分は本人同士で話し合う必要があるとしても、事実を誤認した状態で考えさせても意味ないのでは?って思うので、アレックスもかわいそうだし、最後の部分はなんだかなぁ・・・って感じでした。
侯爵家で暮らしていた頃のつらかったいろいろなことについても、ただ謝罪されたというだけで、
当時どう思っていて、今それをどう感じているのかという描写があまりないので、昇華されずモヤッとしました。
特に父親が、養子なんだから食事をぬかれたり使用人に何かされても我慢するべきだと言ってたことが、あまりに酷くて、実は愛情を持っていたしレインを守ろうとしていたと後で説明されても、全然納得できません。
レインに使われていたはずのお金はどうなっていたのか、調べると言ってたのにその後が何もない、実の兄、王子のその後もなく、いろいろと気になるところを残して終わりました。
感想ありがとうございます
完結おめでとうございます🎉
なかなかモヤモヤ好き避けのような煮え切らなかったので😆
レインが素直になれて良かった😆
2人が末永く仲良しでありますように😙
感想ありがとうございます
長かった……!
このお話の中で、カイさんが一番活躍していたような気がします。
感想ありがとうございます