異世界で俺の初級魔法が最強でした。無自覚に絶望から救った美女やエルフたちに溺愛されています

仙道

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第3話

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ギルドに戻り、受付の女性にゴブリンの討伐部位を渡した。

「はい、ゴブリンの討伐確認しました。お疲れ様でした。初めてのクエストで怪我もなく戻ってこられて何よりです」
「なんとか無事に終わりました」

俺は受け取った報酬を革袋にしまいながら、ギルド内を見渡した。
冒険者たちは皆、剣を磨いたり、槍の穂先を布で拭いたりしている。杖を持っているような魔法使いの姿は、全くと言っていいほど見当たらない。

「やっぱり、みんな魔法を縛って武器でじっくり戦うのが主流なんだな」

俺は小さく呟いた。
せっかくの冒険だ。魔法で遠くから一瞬で終わらせてしまうのは、この世界では無粋なやり方なのだろう。みんなで汗を流して、武器を交えてスリリングな戦闘を楽しむ。それがここでの普通だ。
俺もみんなに合わせて、これからは魔法を使えることを隠しておこう。
俺はギルドの隅にある売店に向かった。

「すみません、一番安い剣をください」
「おお、新人かい。ならこの鉄の剣がいい。少し刃こぼれしてるが、まだまだ使えるぞ」

俺は店主から使い古された鉄の剣を買い、腰に下げた。
これで見た目は完全に駆け出しの剣士だ。いざという時以外は魔法を使わず、この剣で適当に戦うふりをすれば、誰にも怪しまれないはずだ。

完璧なカモフラージュに満足した俺は、喉の渇きを潤すためにギルドに併設されている酒場スペースへ向かった。
空いているテーブルを見つけて腰を下ろした、その時だった。

「……うおっ」

俺は思わず息を呑み、視線を釘付けにされた。
酒場の入り口から、一人の女性冒険者が歩いてくる。
彼女が足を踏み出すたびに、暴力的なまでに豊かな胸が大きく上下に揺れていた。
身につけているのは、防御力があるのか疑わしいほど露出の多い革の鎧だ。胸の谷間がくっきりと露わになり、歩く動きに合わせてこぼれ落ちそうになっている。
下半身も短い丈の装備で、肉感的で吸い付くような白い太ももが惜しげもなく晒されていた。

「すごいな……」

俺は生唾を飲み込んだ。
彼女が歩くたびに、周囲にいる男たちの視線が吸い寄せられているのがわかる。当然だ。あんなに色気のある女性がいたら、男なら誰だって見てしまう。
ただそこにいるだけで、理性を激しく揺さぶられるような強烈な魅力がある。

彼女はきょろきょろと周囲を見回し、やがて俺の目の前にある空き席へと近づいてきた。

「ねえ、ここ空いてるかしら?」

すぐ目の前で声がした。
俺はハッとして顔を上げた。

「あ、はい。誰も座ってないです」
「ありがとう。今日はいっぱいで座る場所がなくて困ってたのよ」

彼女はにっこりと微笑むと、俺の向かいの席にドスッと腰を下ろした。
その振動で、机に乗るほどの大きな胸がブルンと震える。俺は思わず視線をそらしてしまった。
距離が近い。甘くていい匂いが、ふわりと俺の鼻をかすめた。

「私、リナって言うの。あなたは?」
「お、俺は渉です。今日、冒険者になったばかりで」
「へえ、渉っていうのね。新人さんなんだ。通りで見ない顔だと思ったわ。今日は何のクエストに行ってきたの?」
「森でゴブリンを倒してきました」

俺が答えると、リナは感心したように目を丸くした。

「ゴブリンを? 初日にしてはやるじゃない。ゴブリンってけっこう素早いし、油断すると痛い目を見るのよ。それで、何人のパーティで行ったの?」
「え? パーティは組んでないですよ。俺1人で倒しました」

俺が普通に答えた瞬間、リナはぽかんと口を開けた。
そして、数秒後に肩を震わせ始めた。

「あはっ……あははははっ! 渉、あなた面白すぎるわ!」
「え?」

リナはお腹を抱えて笑い転げた。その声を聞きつけた周囲の冒険者たちが、面白そうにこっちを見てくる。

「ねえみんな聞いて! この新人さん、1人でゴブリンを倒したんですって!」

リナの言葉に、酒場中が水を打ったように静まり返り、次の瞬間、爆発したような大爆笑が巻き起こった。

「おいおい嘘だろ! 1人でゴブリン倒せるのは上位の冒険者だけだぞ!」
「初日でソロ討伐たぁ、大きく出たな新人!」
「ギャハハハ! 威勢が良くて嫌いじゃないぜ!」

ギルド中の男たちが腹を抱えて俺を見て大笑いしている。
俺は顔から火が出るほど恥ずかしくなった。

なるほど、そういうことか。
魔法を縛ってじっくり武器の戦闘を楽しむのがこの世界の常識なのに、俺は「一人でサクッと倒しました」なんて、空気が読めない自慢をしてしまったのだ。
ゲームの初心者が、チートツールを使って全クリして得意げに語っているようなものだ。戦闘の楽しみ方を全くわかっていない無粋なやつだと思われて、笑われているに決まっている。
何より、目の前にいるこんなに魅力的なリナに笑われてしまったことが、死ぬほど恥ずかしかった。

「あー……その、冗談です。ごめんなさい、ちょっと見栄を張っちゃって」

俺が必死に取り繕うと、リナは涙目になりながら笑いを収め、テーブルの上に豊かな胸を押し付けて身を乗り出してきた。
その拍子に、深い谷間がすぐ目の前に迫る。

「あはは、ごめんね笑いすぎちゃった。でも渉って、真顔ですごい冗談言うから本当に面白いわ。私、そういう楽しい人って好きよ」

リナは悪戯っぽく微笑んだ。
その笑顔の破壊力に心臓が跳ねたが、今はそれ以上に「空気が読めないやつ」と思われた恥ずかしさのほうが勝っていた。

「ねえ、渉。もしよかったら、今度一緒にクエストに行かない?」

リナがふと思いついたように、軽い調子で提案してきた。
ただの社交辞令のような誘いだったが、こんな色気のある美人に声をかけられて、断る男はいない。

「お、俺でよければ、ぜひ。……あ、でも今日はちょっと疲れたので、これで失礼します!」

俺は居たたまれなくなり、逃げるように席を立ち上がった。
これ以上ここにいたら、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだった。

「あら、もう帰っちゃうの? またね、渉」

リナの声を背中に受けながら、俺は足早に酒場を出て、ギルドの出口へと向かった。
扉に手をかけたところで、俺はふと足を止めた。
もう一度だけ、あの暴力的なまでに魅力的な姿を目に焼き付けておきたかったのだ。
俺はそっと振り返り、人混みの向こうにいるリナの方を見た。

その瞬間、リナとバッチリ目が合ってしまった。
彼女はこちらを見て、妖艶な笑顔を浮かべながら小さく手を振っていた。

「うわっ……!」

見ていることが完全にバレた。
俺は顔を真っ赤にしてギルドの扉を押し開け、転がるように外へ飛び出した。
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