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第18話
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宿舎にリシアを連れ帰ってから、数日が過ぎた。エリスとの再会は感動的だったが、リシアの心には複雑な感情が渦巻いているようだった。彼女は妹と話す時は笑顔を見せるものの、どこか遠くを見つめるような寂しげな表情を浮かべることがあった。俺はそんなリシアの様子に気づいていた。
「姉様、このお菓子、美味しいよ!」
ルナがリリアが買ってきたお菓子をリシアに差し出す。リシアは優しく微笑み、それを受け取る。
「ありがとう、ルナ。可愛いお嬢さんだな」
だが、すぐにその表情は曇りがちになる。セシリアもリリアも、リシアが完全に心を許しているわけではないことを感じ取っていた。特にセシリアは、森の民としての彼女の立場を理解しようとしているようだった。
◇
ある日の夕食後、ルナが寝静まり、セシリアとリリアが部屋を離れた後、俺はリシアに話しかけた。
「リシア、何か悩んでるのか?」
俺がそう尋ねると、リシアは俺から視線を逸らし、静かに窓の外を見つめた。
「……別に」
リシアはそう答えたが、その声には微かな震えがあった。
「嘘だろ。お前、何か心に抱えてるだろ。エリスに会えて嬉しいのは分かるけど、それだけじゃないだろ?」
俺がまっすぐにそう言うと、リシアはゆっくりと俺の方を向いた。その瞳は、何かを訴えかけるように揺れている。
「……私は、森の民だ。森を守る役目がある。だが、妹は……もうここでの生活に馴染んでいる。私には、どうすればいいのか分からない……」
リシアは言葉を詰まらせながら、胸の内を明かした。彼女が抱えているのは、故郷への責任感と、離れて暮らす妹への愛情、そして、エリスが森に戻る気がないことへの寂しさや戸惑いなのだろう。森の民としての誇り高い生き方と、妹との絆の狭間で、彼女の心が揺れ動いているのが痛いほど伝わってきた。
俺はリシアの隣にそっと座った。
「なあ、リシア。俺はお前の気持ち、少しは分かるつもりだ。俺だって、元の世界に帰れるかどうかも分からないまま、この異世界にいる。戸惑う気持ちも、不安な気持ちも、お前と同じだ」
リシアは俺の言葉に、ゆっくりと顔を上げた。
「でもさ、俺はここにはセシリアがいる。リリアも、ルナもいる。そして、お前が来たことで、エリスも本当に嬉しそうだ。ここにいるみんなが、俺にとっては大切な存在なんだ」
俺はそう言って、リシアの手をそっと握った。彼女の手は、弓を扱うせいか少し硬いが、温かかった。
「お前が森の民として、森を守る役目があるのは分かる。それは、お前の誇りでもあるんだろ。でも、エリスも、お前の大切な妹だ。お前がここに来てくれたことで、エリスは本当に喜んでいるんだ」
リシアは俺の言葉を、噛みしめるように聞いている。その瞳から、再び涙がこぼれ落ちた。
「でも……私は……森を捨てては……」
「誰も森を捨てろなんて言ってない。ただ、お前が今、どこにいたいのか、誰のそばにいたいのか。それを、お前自身の心に聞いてみたらどうだ?」
俺はリシアの肩に手を置き、優しく言葉を続けた。
「無理に決めなくていい。ただ、ここにいる間は、ゆっくり考えてみたらいい。エリスも、俺たちも、お前のことを大切に思ってる。それは、間違いないから」
俺の言葉に、リシアは深く頷いた。俺は、彼女が抱える葛藤を少しでも軽くすることができたなら、と思った。
「姉様、このお菓子、美味しいよ!」
ルナがリリアが買ってきたお菓子をリシアに差し出す。リシアは優しく微笑み、それを受け取る。
「ありがとう、ルナ。可愛いお嬢さんだな」
だが、すぐにその表情は曇りがちになる。セシリアもリリアも、リシアが完全に心を許しているわけではないことを感じ取っていた。特にセシリアは、森の民としての彼女の立場を理解しようとしているようだった。
◇
ある日の夕食後、ルナが寝静まり、セシリアとリリアが部屋を離れた後、俺はリシアに話しかけた。
「リシア、何か悩んでるのか?」
俺がそう尋ねると、リシアは俺から視線を逸らし、静かに窓の外を見つめた。
「……別に」
リシアはそう答えたが、その声には微かな震えがあった。
「嘘だろ。お前、何か心に抱えてるだろ。エリスに会えて嬉しいのは分かるけど、それだけじゃないだろ?」
俺がまっすぐにそう言うと、リシアはゆっくりと俺の方を向いた。その瞳は、何かを訴えかけるように揺れている。
「……私は、森の民だ。森を守る役目がある。だが、妹は……もうここでの生活に馴染んでいる。私には、どうすればいいのか分からない……」
リシアは言葉を詰まらせながら、胸の内を明かした。彼女が抱えているのは、故郷への責任感と、離れて暮らす妹への愛情、そして、エリスが森に戻る気がないことへの寂しさや戸惑いなのだろう。森の民としての誇り高い生き方と、妹との絆の狭間で、彼女の心が揺れ動いているのが痛いほど伝わってきた。
俺はリシアの隣にそっと座った。
「なあ、リシア。俺はお前の気持ち、少しは分かるつもりだ。俺だって、元の世界に帰れるかどうかも分からないまま、この異世界にいる。戸惑う気持ちも、不安な気持ちも、お前と同じだ」
リシアは俺の言葉に、ゆっくりと顔を上げた。
「でもさ、俺はここにはセシリアがいる。リリアも、ルナもいる。そして、お前が来たことで、エリスも本当に嬉しそうだ。ここにいるみんなが、俺にとっては大切な存在なんだ」
俺はそう言って、リシアの手をそっと握った。彼女の手は、弓を扱うせいか少し硬いが、温かかった。
「お前が森の民として、森を守る役目があるのは分かる。それは、お前の誇りでもあるんだろ。でも、エリスも、お前の大切な妹だ。お前がここに来てくれたことで、エリスは本当に喜んでいるんだ」
リシアは俺の言葉を、噛みしめるように聞いている。その瞳から、再び涙がこぼれ落ちた。
「でも……私は……森を捨てては……」
「誰も森を捨てろなんて言ってない。ただ、お前が今、どこにいたいのか、誰のそばにいたいのか。それを、お前自身の心に聞いてみたらどうだ?」
俺はリシアの肩に手を置き、優しく言葉を続けた。
「無理に決めなくていい。ただ、ここにいる間は、ゆっくり考えてみたらいい。エリスも、俺たちも、お前のことを大切に思ってる。それは、間違いないから」
俺の言葉に、リシアは深く頷いた。俺は、彼女が抱える葛藤を少しでも軽くすることができたなら、と思った。
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