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騒音
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ピーンポーン
俺はインターホンを押した。
何か物音がしたような気がしたが、反応はない。
ピーンポーン
もう一度押し、
「おーい、佐伯だけどー、しまのー、起きてるかー?」
と大きめの声で言った。
だが、やはり何の反応もない。
「はぁ…、これ以上遅刻したら単位がヤバいだろうと思ってせっかく起こしに来てやったのに…。これじゃあ寝てるのか起きてるのかわかんねーなぁ…。電話も出ねーし、LINEも既読になんねーし。どうするかなぁ…、ほっとこうかなぁ…。」
俺はぶつくさと独り言を呟いた。
すると突然、
「あのー、すみません。」
ときれいな女性に声をかけられた。
俺は咄嗟に
「島野の彼女か?ついこの前今は彼女いないって言ってたよな?」
などと考え、動揺する。
すると、
「私、下の階の203号室のものなんですが
、303号室の住人の方ですか?」
と女性は訪ねてきた。
俺は動揺しつつも、
「いえ、違います。この部屋の住人の友達です。」
と答えた。
するとその女性は、
「あっ、そうですか。失礼しました。」
と言って帰ろうとした。
俺はそれを見て咄嗟に、
「何か用でしたか?もし何か伝えておいてほしいことがあれば伝えますよ。」
と声をかけた。
するとその女性は、
「えっ、あっ、ありがとうございます。では、最近、床をトントンと叩くような音が聞こえてきて、昨日は0時頃に聞こえてきて気になったので、できれば控えてほしいとお伝え下さい。」
と言った。
「はい、分かりました。ちゃんと伝えておきます。ちなみに、コツコツって具体的にはどんな感じの音ですか?」
俺は尋ねた。
女性は、
「なんか…、トントントン、トーン、トーン、トーン、トントントンって感じのリズムを繰り返してた感じです。」
と答えた。
「あー、きっとそれエアドラムですね。詳しくは知らないですけど、最近あいつ大学のサークルでドラムやりはじめたんです。たぶん家ではエアドラムで練習してて、その足音とかだと思います。すみません。ちゃんと注意しておきますね。」
「そうなんですね、分かりました。何の音なんだろうってちょっと気になってたんです。このアパートペット禁止だけどもしかして飼ってたりするのかなぁ…って思ったりしてたんですけど…。」
「いやたぶんそれはないですね。俺も部屋には入ったことがないので絶対ではないですけど、猫とか犬に興味あるタイプじゃないですし、そんな話も聞いたことがないので。」
「なるほど、分かりました。ありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそ友達がご迷惑をおかげしてすみませんでした。」
話を終えると互いに軽くをお辞儀をし、女性は帰っていった。
女性の姿が見えなくなると俺は、
「はぁ、他人に迷惑かけんなよ…。」
と呟きながら、何か連絡がないかと島野のLINEを開こうとすると、丁度島野から電話がかかってきた。
電話に出ると焦っているような声が聞こえた。
「あっ、もしもし佐伯、今どこ?」
「お前の家の前だけど。」
「マジか…ごめん、俺もう大学にいる。だからすぐに佐伯も大学来て。万が一佐伯が遅刻したら申し訳なさすぎるから。」
「うん、わかった…。でもなんで今日はそんな早いわけ?」「実は、昨日夕方から飲んでて、1時には家に帰ったんだけど、すぐに床で寝ちゃって5時ぐらいに体の痛さと気持ち悪さで起きたんだよね。それからいろいろしてたら丁度いい時間になったからコンビニよって二日酔いの薬とか買って大学来んだよね。だからホントごめん。お詫びに昼飯奢るから。」
「いや、いいけど…。俺が勝手に迎えにきただけだし。」
「いや、いつも助けて貰ってるし、それも含めて奢らせてくれ。」
「わかった、ありがとう。じゃあ、また後で。」
「ああ、また後で。とにかく遅れないように早く来いよ。じゃあな。」
電話が切れると俺は大学へ向かった。
(答え)
島野は夕方から飲んでいて1時に帰っており、コンコンと音がした0時には家にいなかった。ペットや彼女もいない。ではこの音はなぜ聞こえて来たのだろうか。また、聞こえてきたリズムはSOSのモールス信号「トントントンツーツーツートントントン」に似ている。そしてそれが繰り返し聞こえて来ている。もしかしたら、島野の家で誰かが助けを求めているのかもしれない。
俺はインターホンを押した。
何か物音がしたような気がしたが、反応はない。
ピーンポーン
もう一度押し、
「おーい、佐伯だけどー、しまのー、起きてるかー?」
と大きめの声で言った。
だが、やはり何の反応もない。
「はぁ…、これ以上遅刻したら単位がヤバいだろうと思ってせっかく起こしに来てやったのに…。これじゃあ寝てるのか起きてるのかわかんねーなぁ…。電話も出ねーし、LINEも既読になんねーし。どうするかなぁ…、ほっとこうかなぁ…。」
俺はぶつくさと独り言を呟いた。
すると突然、
「あのー、すみません。」
ときれいな女性に声をかけられた。
俺は咄嗟に
「島野の彼女か?ついこの前今は彼女いないって言ってたよな?」
などと考え、動揺する。
すると、
「私、下の階の203号室のものなんですが
、303号室の住人の方ですか?」
と女性は訪ねてきた。
俺は動揺しつつも、
「いえ、違います。この部屋の住人の友達です。」
と答えた。
するとその女性は、
「あっ、そうですか。失礼しました。」
と言って帰ろうとした。
俺はそれを見て咄嗟に、
「何か用でしたか?もし何か伝えておいてほしいことがあれば伝えますよ。」
と声をかけた。
するとその女性は、
「えっ、あっ、ありがとうございます。では、最近、床をトントンと叩くような音が聞こえてきて、昨日は0時頃に聞こえてきて気になったので、できれば控えてほしいとお伝え下さい。」
と言った。
「はい、分かりました。ちゃんと伝えておきます。ちなみに、コツコツって具体的にはどんな感じの音ですか?」
俺は尋ねた。
女性は、
「なんか…、トントントン、トーン、トーン、トーン、トントントンって感じのリズムを繰り返してた感じです。」
と答えた。
「あー、きっとそれエアドラムですね。詳しくは知らないですけど、最近あいつ大学のサークルでドラムやりはじめたんです。たぶん家ではエアドラムで練習してて、その足音とかだと思います。すみません。ちゃんと注意しておきますね。」
「そうなんですね、分かりました。何の音なんだろうってちょっと気になってたんです。このアパートペット禁止だけどもしかして飼ってたりするのかなぁ…って思ったりしてたんですけど…。」
「いやたぶんそれはないですね。俺も部屋には入ったことがないので絶対ではないですけど、猫とか犬に興味あるタイプじゃないですし、そんな話も聞いたことがないので。」
「なるほど、分かりました。ありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそ友達がご迷惑をおかげしてすみませんでした。」
話を終えると互いに軽くをお辞儀をし、女性は帰っていった。
女性の姿が見えなくなると俺は、
「はぁ、他人に迷惑かけんなよ…。」
と呟きながら、何か連絡がないかと島野のLINEを開こうとすると、丁度島野から電話がかかってきた。
電話に出ると焦っているような声が聞こえた。
「あっ、もしもし佐伯、今どこ?」
「お前の家の前だけど。」
「マジか…ごめん、俺もう大学にいる。だからすぐに佐伯も大学来て。万が一佐伯が遅刻したら申し訳なさすぎるから。」
「うん、わかった…。でもなんで今日はそんな早いわけ?」「実は、昨日夕方から飲んでて、1時には家に帰ったんだけど、すぐに床で寝ちゃって5時ぐらいに体の痛さと気持ち悪さで起きたんだよね。それからいろいろしてたら丁度いい時間になったからコンビニよって二日酔いの薬とか買って大学来んだよね。だからホントごめん。お詫びに昼飯奢るから。」
「いや、いいけど…。俺が勝手に迎えにきただけだし。」
「いや、いつも助けて貰ってるし、それも含めて奢らせてくれ。」
「わかった、ありがとう。じゃあ、また後で。」
「ああ、また後で。とにかく遅れないように早く来いよ。じゃあな。」
電話が切れると俺は大学へ向かった。
(答え)
島野は夕方から飲んでいて1時に帰っており、コンコンと音がした0時には家にいなかった。ペットや彼女もいない。ではこの音はなぜ聞こえて来たのだろうか。また、聞こえてきたリズムはSOSのモールス信号「トントントンツーツーツートントントン」に似ている。そしてそれが繰り返し聞こえて来ている。もしかしたら、島野の家で誰かが助けを求めているのかもしれない。
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