白いワンピースのお姉さん

Saki

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怪談 怖い思い出

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 「私が五歳ぐらいの時の話です。私が通っていた保育園は夏にプールの時間があり、プールに入るにはプールカードという園児の体調などを書いたカードとプール道具を持って保育園に行かなければプールに入れないんですが、残念なことに母がプールカードを忘れてしまい、プールに入れず、室内で風邪ぎみの男の子と大きなガラスから見える皆が楽しくプールで遊んでいるの時々見ながら積み木や普段では皆に人気であまり遊べないおもちゃで遊んいました。保育園の先生はプールで遊んでいる園児にかかりきりで室内に保育園の先生はいませんでした。大きなガラスで室内にいる私と男の子の状況がすぐにわかるのと私と男の子があまり手のかからない子だったので保育園の先生も安心していたのかもしれません。最初の方は、プールで楽しく遊ぶ皆を羨ましく思っていましたが、だんだんと男の子と積み木や普段では皆に人気であまり遊べないおもちゃで遊ぶのが楽しくなり、プールの皆のことを忘れ、男の子とずっと遊んでいました。そうして男の子と積み木やおもちゃで楽しく遊んでいると誰かがじっとこっちを見ているような気がしたのでその方向を見てみると室内の角に白いワンピースを着た、長い髪のお姉さんがいたんです。長い髪のせいでお姉さんの表情は見えませんでしたが、その時の私は男の子とずっと2人きりだったのでこの状況に飽きてきたのかも知れません。普段だったら恐怖を感じて先生を呼ぶのですが、その時の私は好奇心が抑えられず「ねえ、お姉さんなんでそんな所にいるの?私たち一緒に遊ぼうよ!」と言ってしまったのです。「ねえ、さくらちゃん、やめようよ。」と何回も言う男の子のことを無視して、私はお姉さんに積み木を持って駆け寄ったんです。その時、ガチャ、という音がしました。プールで遊んでいた園児と保育園の先生が戻って来たんです。「あらさくらちゃんどうしたの?」保育園の先生が聞いてきました。「あのね、積み木で遊んでたの!でね、お姉さんが寂しそうだったから遊ぼうって誘ってたの!」と言って、白いワンピースのお姉さんがいた方を見るとお姉さんはもういませんでした。保育園の先生は疑問に思ったものの、室内に入るドアの近くでプールをやっていたので知らない人が入ろうとしたらすぐに気づくため、よくある子供の妄想で終わらせ、おやつの準備をしました。当の本人である私はあれ?と思ったもののすぐにおやつに興味が移り、私と遊んでいた男の子は怖かったのか今思えば表情が少し暗かったかもしれません。ここまでなら私も忘れてしまい、今まで覚えていないんですが、あることがきっかけで私の記憶に深く刻まれてしまうのです。
 その日の帰り、母と手を繋ぎながら家に向かっている時「今日はごめんね。」そう母がプールカードを忘れたことを謝り、私自身もプールに入れはしませんでしたが、普段では皆に人気であまり遊べないおもちゃで遊べたり、楽しく積み木で遊べたので朝の時は不貞腐れていましたが、その時は機嫌がよかったので「別にいいよ。」と水に流しました。
 ガチャ、母が家のドアを開け、私は玄関に入りました。あれ?
 私の家の玄関には大きな鏡があり、玄関に入り横を見ると目に入るようになっているんですが、私がふとその鏡見ると、なんと保育園にいたが写っていたんです。私のその時の服は黒のTシャツにピンクのスカートで髪はショートカットだったので見間違えようがなかったのでとても驚き、同時に恐怖も感じました。「お母さん!お姉さんが!お姉さんが鏡の中にいる!」私はそう叫びお母さんが鏡を見たんですがその時には、鏡にお姉さんは写っておらず、母も子供の妄想だと思い深く考えず、「もう、何も写っていないわよ。」と言い、その時は私も恐怖であまり考えたくなかったので「うん。」と何も言い返さずに終わったんですが、たまに鏡を見ると写っているんですよ。白いワンピースのお姉さんが。その時の私は怖くて鏡が見れなくなってしまいました。まぁ、子供の好奇心でたまに見てしまうんですけどね。母に言おうか迷ったんですけど、どうせ信じてくれない、と諦め、ずっと我慢していました。八歳ぐらいになったときからは、鏡を見てもまったくとお姉さんが鏡にうつらなくなったんですが、今でもあの大きな鏡を見ると白いワンピースのお姉さんが見えてしまいそうで少し怖いです。って言う話なんだけど。どう?怖かった?」
友達の桜がそう言い終わった。
 「うん、まじで怖いんだけど。凄く暑い教室が少し涼しく感じた。」私は笑いながらそう言った。
 何故、友達の桜が怖い話を語ることになったかと言うと。夏という季節もあってお昼休みの余った時間にジャンケンで負けた方が怖い話をするということだった。私が言い出し桜もそれを承諾し、ジャンケンをした。ジャンケンの結果は桜が負け、怖い話を語った訳だが桜の顔は少し暗い、主人公の名前はさくら、だから多分この話は桜の実体験なんだろう。普通なら作り話?ってからかうところなんだけど桜の話は本当な感じがした。「ねえ」私が話を続けようとした時、キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン、予鈴のチャイムがなった。桜の話に聞き入っていて時計を見ていなかったから気づかず、二人とも授業の準備をしていなかった。桜と私は急いで自分の席に座って授業の準備をした。
 「気をつけ、礼。」
 日直の男子が号令をかけた。先生が教室出たらすぐに桜が私の所に来た。「ねえ、さっきなんか言った?」どうやら桜は私が言いかけた言葉を聞こうと思ったらしい。「何も言ってないよ。桜の聞き間違いじゃない?」私はさくらに嘘をついた。「そう、ならいいんだけどさ。」桜はそう言って放課後どうする?っていう話をした。
 私は言えなかった。桜の話だと白いワンピースのお姉さんは八歳から、って言うことだけど七つまでは神のうち、という言葉みたいに八歳になったことでその白いワンピースのお姉さんが見える力がなくなって、桜が見えないだけで桜の家にはまだ白いワンピースのお姉さんがいるんじゃない?昼休みの時は言いそうになったけど、桜は白いワンピースのお姉さんに恐怖を感じてるようだし、見えていたときだって見えるだけで酷い怪我や大きな不幸にあった、と言う話は桜から聞いたことがないからもし私の考えがあっていたとしてもあってる、っていう証拠は見えないから分からない。だから見えないならさくらには害がないと思うから私が言ったことで桜が不安になるようなことにはしたくなかった。

 ん~、懐かしい夢を見たな~、多分中学二年生ぐらいの時のだ。
 桜と私は今でも親友で社会人となってからもちょくちょく連絡をとっている。桜は家を出て一人暮らしだし、桜の実家にとりついているなら今度会ったらあの時言えなかったことを言って見ようかな?あ~、今日、休日だしどうしよっかな~。


今、白いワンピースのお姉さんは何処にいる?
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