白いワンピースのお姉さん

Saki

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同僚

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 そういえば同僚が、っと何かを思い出しそうな時、「桜、どうしたの?玄関に突っ立て?」母が訝しげに聞いてきた。「うんん、なんでもない。あ~、帰ったな~と思って。」私がそう言うと母は納得したようで「そう、なら早く自分の部屋に荷物を置いてきなさい。今、お昼の準備しているから。」と言ってすぐに母は台所に行った。私は二階にある自分の部屋に着替えなどが入ったバックを持って向かった。暑い。今年の夏は地球温暖化が関係して例年より暑いらしい。今日は雲一つない晴天で階段の窓から強い光が降り注いでいる。リビングに入ればクーラーが効いていて天国のようだろうが階段は横幅はあまりないくせに窓は小さいが沢山壁についている。残念なことにカーテンという日差しを遮るものは一切ない。顔に強い日差しが覆い、頬に汗がつたう。やっと自分の部屋についた時にはもう疲れていた。朝から車で実家に向かい目的地についたのは昼頃、更に朝から何も食べてない。早くクーラーの効いた部屋で休みたい。そう思った私は自分の荷物置いてすぐにリビングに向かった。
 やはりリビングの中ではクーラーが効いていて天国のようだった。あ~、生き返る、私はソファに寝そべって涼んでいた。そういえばあの時何かを思い出しそうだったような?なんだっけ?ん~、あっ、そうだ!会社の同僚の上井さんがおかしなことを言っていたんだ!確か上井さんが何かを決心したような顔で「何かに恨まれるようなことをした?」って、私に向かっていってきた。言われた時は上井さんと大して仲良くなかったし、白いワンピースの女に心当たりがなかったから「白いワンピースを着た人に恨まれるようなことをしていないと思うよ。白いワンピースの女がどうしたの?」って、返したら上井さんも「うんん、なんでもない。気にしないで。」ってすぐに引き下がったし、上井さんの表情があまり良くなかったから言われた日は白いワンピースの女について深く考えていたんだけど、本当に心当たりがなかったから、上井さんのタチの悪い冗談かなって軽く受け止めて次の日にはあまり考えていなかったんだけど白いワンピースの女、もしかしてね。「桜、お昼ご飯のが出来たから机に運ぶの手伝って。」台所から母の声がした。「うん、わかった。そういえば父さんは?」私は台所に向かった。「お父さんは友達と一緒にバイクに乗って行ったわよ。ご飯その友達と食べるって。」母はそう言いながら焼きそばをのせたお皿を二個渡してきた。「え~、娘が帰って来たっていうのに友達とバイクで出かけるって、しかもお昼ご飯が焼きそばって。」私は文句を言いつつも焼きそばがのったお皿を受け取りリビングにある机に並べ、椅子に座った。「仕方ないでしょ。あんたが急に明日家に帰るよって連絡するのが悪い。その時にはもうお父さんも友達と約束していたし、どうせ泊まるんでしょ。あと、焼きそばが不満なら食べなくていいわよ。」母は麦茶が入ったコップ二つとお箸を二膳いっきに持って机に運んで並べ私の隣に母が座った。そして母の目の前に父が座れば昔と同じなのにな~。「いただきま~す。」私の中で、ご飯を食べる前は絶対にいただきますを言うという小さい頃からの謎のルールがある。そういえばいつからそうしようと思ったんだっけ?結構しょうもない理由だった気がする。「あんた、今日はどうするの?」母が聞いてきた。「今日も入れて三日間はいるつもりだから今日は家でゴロゴロするつもり~、てか焼きそばの味付けが濃い。」昼がすぎもう一時だ。実家がある地域は田舎で近くにあるのはコンビニと何故か神社と寺。夜になると辺りは暗くなり、あまり光がない。しかも朝から車で疲れていたのであまり家からでたくない。という気持ちがあった。「そう、じゃあご飯食べたらリビングの掃除するから自分の部屋にいてね。あと文句つけるなら食べなくていいから。あんた、会社大丈夫?特に人間関係。」母の人間関係、という言葉に上井さんを思い出す。上井さんはあんなタチの悪い冗談を言う人なのだろうか?しかも白いワンピースの女という言葉、私が白いワンピースのお姉さんについて話たのは確か中学生の時に親友に喋っただけで、それっきり親にも話していない。そういえば、初めてあった時も私のことを見て少し驚いていたような?「ちょっと、どうしたの?」何も返さない私に母は少し焦ったようだった。「ごめん、少しぼーっとしてた。会社ではなんにもないよ。同僚とも上手くやってるし。」やばっ、これ人間関係でなんかあったと思われたかも。私は出来るだけ早く焼きそばを食べた。実際母から話を振ることはなく、少し気まずい空気がでた。
 「ごちそうさま。」焼きそばを食べ終えた私は食器とコップ、箸を台所に置き、自分の部屋に戻った。自分の部屋は蒸し暑く、すぐに部屋のクーラーをつけ、ベットに横になりながらスマホをいじった。私は上井さんから話を聞きたくて顔が広い同僚の由美から上井さんの電話番号かメールアドレスを聞けないか聞いてみようとした。電話をかけて見たら三コールででてくれた。「もしもし、ごめん休日にどうしても聞きたいことがあるんだけど良い?」休日に電話するのは少し気が引けたがどうしてもあの同僚から質問の意味を聞きたかった。「桜?珍しいね、休日に電話をかけてくるなんて。で、聞きたいことことって何?」由美は明るい声で周りは少しザワザワしていたからもしかしたら外にいるのかも知れない。「えっと、上井さんの電話番号かメールアドレス知らない?」やっとクーラーが効いてきて入った時のような蒸し暑さはなくなった。「上井さん?電話番号は知ってるけど勝手に人に教えるのは悪いから上井さんに許可とってからになるけど良い?」由美は少し驚いていたが上井さんがいいならば教えるって言ってくれたので少し安心した。「うん。どうしても上井さんに聞きたいことがあるから。」私がそう言うと「じゃあ切るね。」と言って電話を切った。三分くらいしたらまた由美から電話がきた。「もしもし、上井さんがさくらに電話番号を教えても良いって。じゃあ今から言うね。」「ちょ、待って。あっ、あった。」私は電話番号を言おうとするの由美を止め、バックからメモ帳とボールペンを取り出した。「もういい?」「うん良いよ。」「じゃあ言うね。〇〇〇の〇〇〇〇、〇〇〇〇だよ。大丈夫?」「〇〇〇の〇〇〇〇、〇〇〇〇で良い?」「うん良いよ。じゃあね。」「うん、ありがとう、助かったよ。」由美はなんで上井さんの連絡を取りたいのか聞いてこなかった。こういう気配りが出来るから他の人とも仲良く出来るのだろう。早速私は上井さんに電話をかけて見ることにした。四コールしてから上井さんは電話にでてくれた。「もしもし、ち、千葉と申しますが上井さんであっていますか?」少し声が緊張で震えてしまった。「はい、あっています。明石さんから話は伺っています。どうしましたか?」上井さんの声に感情が入っておらず、少し怖かったがどうしても聞きたいことがある為、会話を続けなければいけなかった。「あの、休日にすみませんが以前、私に白いワンピースの女性について聞いてきたことがありましたよね?そのことで少し聞きたいことがありまして。」私がそう言った瞬間電話ごしで上井さんの息をのむ声が聞こえた。「な、なんのことでしょうか?」上井さんの声が少し震えていた。この反応から上井さんが何かを隠していることがわかった。「お願いします!どうしても知りたいことがあるんです!上井さんの知っていることを教えて頂きませんか?」私は必死に頼み込んだ。「.......わかりました。私が知っていることを全て教えます。だけどこのことで私は何も責任をおいませんからね。」少しの間があった後、上井さんから教える、という返答を頂いた。「はい、ありがとうございます!」私はやっと意味の分からない恐怖から解放されると思い、喜んだ。それが本当の恐怖の始まりとは知らず。
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