愛人令嬢は今日も攻略対象を魅了する

海野すじこ

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愛しの女神様 1 (ロメロside)

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僕はロメロ・ヴァレスティン。

僕は、この国の宰相である父親に憧れている。
父はこの国をより豊かに、民の生活がより良いものとなるように、常に最善を考え予測し、対策を考えている。そんな父は僕にとってヒーローだった。

父の様な立派な人間になりたくて···少しでも父の背中に追いつけるように、勉学に励み、この国を豊かにするにはどうしたら良いか、民の生活をより良いものにするにはどうすべきか···時には父と話し合ったり、自分の目で見たり、自ら調べたり···父の真似事でしかないけども、僕なりに考えた。

数ヶ月前、たまたま参加した慈善活動で、孤児院を訪問していたのだが、その時に僕は運命的な出会いをしてしまう。

彼女は慈愛に満ちた、愛の女神様の様な容姿をしていた。

僕とあまり年が変わらないのに、慈善活動に積極的に取り組んでいるなんて···。

それに、彼女もたぶん高位貴族だと思う。

僕くらいの年の子は、まだ遊んだり、お茶会に参加したり、オシャレをしたり自分の事だけで手一杯だろう。

僕は父が宰相だった事から、慈善活動に参加するようになったが···。

貴族の子供が、自ら慈善活動に興味を持つというのはとても珍しいのだ。

特にこの国の貴族は贅沢こそがステータスだと勘違いしている者が多く、本来の貴族の義務を忘れている者がほとんどで、義務を忘れるどころか···平民を見下している貴族はたくさんいる。

私は、初めて彼女を見てから···彼女の事が気になってしまった。

思わず近くにいた大人に、彼女の事を聞いてみた。

彼女は、ヴェルサス侯爵家のご令嬢らしい。
今話題の貸しドレス業を始めたのも彼女のアイデアらしい。

そして話題性から、貸しドレス業が短期間で国中で大ヒットした為、多額の資金を得た。

その資金を教会や孤児院への寄付や、平民の為の学校建設、国内の様々な業種への投資なども積極的に行っている。

しかも、平民の為の治療院の建設も考えているらしい。

同じくらいの年なのに···彼女は、未来を見据え、この国がいかにすれば、より良くなるのかを理解している。それが当たり前かのように···。

僕と同じ考えを持ち、さらに僕よりも先を見て進んでいる。

彼女はとても輝いて見えた。

いつしか僕は、彼女に特別な気持ちを抱くようになった。

見た目だけじゃなく、先を見据える目を持ち、慈愛の心を持つ彼女は、なんて美しいんだろう。

僕の愛しの女神様。

もっと彼女を知りたい。
そして、彼女と親しくなりたい···。

どうにか彼女と交流を持ちたい。
しかし、なかなか機会に恵まれなかった。

諦めかけていたその時、ヴェルサス侯爵家が王家主催のパーティーで、褒章が授与されるらしいという話を父から聞かされた。

褒章が授与されるなら、ヴェルサス侯爵家の人間全員がパーティーへ参加する事は確実だ。

彼女と親しくなるにはその機会しかない。








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