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第5話 ログアウト
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プレイヤーとの初接触は友好的とは程遠く、問題点だけを増やし呆気なく幕を下ろす。シナリオ進行に伴った問題ならば遅かれ早かれ解明する。
ただし直ぐに確認しなければならない問題が幾つかあり、一旦ログアウトし現実世界で調べる必要があるという結論に至る。その為にも現在のリスポーンポイントでもあるセフィーシア城へ帰城する必要がある。
リスポーンポイントは宿屋や自室など安全に睡眠をとれる場所となっているため、本来なら先に更新しクエストなどに挑むというのが通例なのだが自室へ案内される前に今回の少女と老人を助けるという新シナリオが開放された。
この手のミッション系シナリオは二人が目指す目的地へと無事に送り届けることでクリアとなる可能性が高い。放置することも可能だが別れた後、魔物や盗賊に襲われ命を失えば助けた意味が無くなってしまう。
「一度安全な場所に移動しよう。二人を送るにしても準備だけは整えたいし」
「・・・・・・ わ、わかりました。お姉さんを信じる」
「お姉さんじゃなくてお兄さんなんだけどね・・・・・・」
「んっ?」
毎回のように間違われてしまうとワンピースに認識阻害などの特殊効果が付与されているのではないかと勘繰ってしまう。だが同姓に見えることで多少の信頼を得られたのなら不本意ながらワンピースを装備していたことも意味を成していたのかもしれない。
二人を連れセフィーシア城へと転移する前に再度、無残に横たわる獣人のアバターを確認してみたが、やはり消滅する兆候すら見受けられない。
このまま放置し復活の有無を確認するというのも悪くないが、アンデット化する可能性があるため火葬することを転移直前に決める。
「【短距離転移】【桜火】・・・・・・」
四人全員の体が光に包まれると空を舞う一枚の桜の花弁を残し一瞬のうちに姿が消える。花弁は静かに舞い降り獣人に触れた瞬間、激しい炎が全身を包み込み一瞬で土に還した。
セフィーシア城 玉座の間
視界が開けると玉座に座りクッキーのようなものを頬張るミィの姿が視界に入る。転移してきたことに今、気がついたのか慌ててお菓子を隠そうとする仕草が可愛く思え今回は見なかったことにし周囲を見渡す。
玉座の間にはレイス、ミィ、エルオードそれと執事長を兼務するオリス・テインが控えており他の守護者の姿は見えず、少女が老人の傍で不安そうな表情を浮かべている。
「レイス、一時間後に守護者を全員集めてもらっていいかな? それと二人に部屋を用意してくれ」
左眉から頬にかけて大きな傷をもつ燕尾服を着た白髪の男がレイスの一歩前に出ると跪く。オリス・テインは守護者と執事長を兼務する唯一の人族で元冒険者らしいのだが詳しい出自は明らかになっていない。
「既に客室及びメイドの手配終えております。差し出がましいかと思いましたがお客様の御着替えも用意しております」
一歩先を行く仕事のできる男だと感心すると同時にメイドという言葉に関心が向く。守護者とメイドを兼務するNPCでも居るのだろうか。
サービス開始時、情報の無さから戦闘などで命を失い多くの引退者を出したユリウスでの経験を活かすどころか運営会社からは改善するという意思を感じない。
リアリティを追求するのならレベルなんて概念もステータスボードなどの便利機能など存在しないだろうし神の手助けや助言といった主人公に都合の良いことばかり起きたりしない。
視点を変えユリウスという現実世界からセクレシアという異世界へ来たと考えれば今ある状況も、ある意味リアリティの追求と言えなくもないのだがゲームなのだから最低限のサポートや情報の開示があっても良いのではないだろうか。
「配慮が足りず申し訳ありません。専属メイドに関しましては厳正なる審査を経て選任されますのでもう暫くお時間を頂けないでしょうか」
「えっ? いや、そういうのじゃなくて」
何のために厳正な審査をしているのか分からないが専属メイドの必要など無い。運営会社への不満が表情に表れていたのか、レイスが変な勘違いし専属メイドを付けると言い始め便乗するようにエルオードが会話に割って入ってきた。
「ほらぁ。そんな回りくどいことしなくてもエルオードに任せるって颯斗様が言ってるよ。そもそも僕しか伽の相手は務まらないんじゃないかな」
「えっ⁉」
フルダイブMMORPGでは十八禁に抵触する行為は禁止されており、当然ユリウスでも同様に禁止されていた。勿論、フルダイブ技術を使用した風俗や十八禁ゲームも存在するのだが当然、学生はログインすらできない。
言葉だけなら問題は無いだろうがペナルティを貰う危険性があるだけに、痛覚感知同様ログアウトし調べる必要があるだろう。だからこそ一刻も早く自室へ向かいリスポーンポイントを更新しなければならない。
レイスに自室への案内を頼み、意識を失い未だ目を覚まさない老人に寄り添い不安そうな表情をみせる少女の元に歩み寄ると肩に手を添え言葉をかける。状況が状況だっただけに名前を名乗ることも聞くこともしていない。幸運が重なった結果、今の信頼があるに過ぎないのだから心から安心させることなどできないだろう。
「自己紹介が未だだったね。俺の名前は早乙女颯斗。ここなら襲撃されたりしないから安心してほしい。それと部屋を用意したからお爺さんが目覚めるまで体を休めて、今後のことはお爺さんが目覚めてからにしょう。えっと・・・・・・」
名前が分からず言葉に詰まったことを感じ取ったのか少女は続けざまに言葉を発す。
「ル、ルーファ。私の名前はルーファです・・・・・・ あ、あの。お姉さんは一緒に居られないの?」
「知ってる人と居た方が安心できるよね。ラミアと一緒に居たいのなら――」
「ラミアさんじゃなくて・・・・・・ 私、お姉さんと一緒に居たい」
守護者達の誤解が解けたと思えばプレイヤーらしき獣人に欲情され、ルーファは誤解したまま未だにお姉さんと呼んでいる。今すぐ装備変更し誤解を解きたいが未だにアイテム類を取り出すことができない。
落ち着きを取り戻すまで一緒に居てあげたいのは山々だが問題が山積していて時間を割くことができない。結界が解除され攻撃を受ける可能性が格段に高まったこともあり早急に情報を集め戦いに備える必要がある。
そしてラミアと獣人の戦闘を間近で見て思った疑問。想定が正しければ守護者全員が同様の状況下にあると思って良い。一旦ログアウトするにせよ把握しておけば次回ログイン時までに対策を講じることができる。
玉座の間を後にして自室へと続く回廊を歩きながら疑問の一つをレイスに投げかける。ログアウト前に聞いておいた方が考える時間を確保でき再ログイン時にスムーズに対処できる。
「一つ聞きたいんだけど。武器やアイテムってどの程度、持ってる?」
「転生時、武器アイテムの消失、能力低下、幾つかのスキルの封印・・・・・・ そして記憶の一部喪失。個人差はあるものの守護者全員に同様の事象を確認しています。全員が私と同様だと仮定するなら武器やアイテム類は持ち合わせていないと思われます」
デスペナルティでも貰ったかのような事象がNPCを圧倒的に弱体化させているのは間違いない。武器やアイテムは手持ちの素材とスキルで何とかなるが能力低下とスキル封印は死に直結しかねない。守護者統括のレイスですらその状態なら他の守護者も同様だと考えるべきだろう。
想定より遥かに悪い状況ではあるが絶望的状況ではない。ラミアの強さを基準とした場合、武器や防具、アーティファクトにより能力の底上げをしつつ経験を積ませさえすれば中堅プレイヤーとなら互角以上に渡り合えるだろう。
守護者達に何を渡すか考えている間に自室に到着したようで、他の部屋と比べて一際豪華な扉がある部屋の前でレイスは足を止め室内に入ると軽く頭を垂れる。
「私は玉座の間へ戻り他の守護者の武具などの所持状況を確認し後程報告いたします」
「助かる。俺も出来るだけ早く戻るようにする」
会釈し部屋を後にするレイスを見送り足早に寝室へと向かい三人が一度に眠れそうな大きさのベッドに飛び込み目を閉じる。
(痛覚、キャラメイク機能と十八禁行為、時間があれば能力低下とスキル封印について調べるって感じで良いかな。よし!! ログアウト・・・・・・ あれっ!? ログアウト・・・・・・ もしかして声に出さなきゃダメなのか⁉)
その後、声を出したり身振り手振りを交えたりと様々なことを試みたがログアウトできず時間だけが過ぎていった。体の自由が利くことからシステムトラブルの可能性は低くログアウトできない原因が全く分からない。
この世界もユリウスと同様、システムコールなど実装されておらず運営会社への連絡が一切できない。そもそもサービス開始時から現在に至るまでユリウスにおいてバグなどのシステムトラブル報告件数は皆無。そういう意味ではシステムコールを必要としないと言えなくもない。
そういったこともありユリウスでは通常ルートとは別にログアウトする方法が幾つか存在していた。この世界でも同様のルートが存在しているか不明だが最悪それらを試すしかない。
システムトラブルによりプレイ継続不可能と判断され強制ログアウトされるケースを除くとゲーム内での死亡判定、意図的に十八禁行為に抵触した場合の二パターン。また現実世界で災害など生命の危機に瀕した場合もゲーム内アナウンス発生後強制ログアウトされる。
死亡判定や十八禁行為抵触と違い生命の危機というのは偶発的過ぎるしログアウトした後の方が危険な状況だけに現実的ではない。
ゲーム内で死亡判定受ける方法はログアウトできても二度とログインできなくなる可能性がある。そう考えると意図的に十八禁行為に抵触する方法が最もリスクが低く、ラッキースケベ程度なら数日で復帰できたという報告も存在する。
問題は誰に対して行うか、行うだけの勇気を持ち合わせているかということの二点。
こんなことを頼めるほど親しい女性プレイヤーが存在しない以上、候補者は必然的にソレイユ、ルーナ、ラミア、サティナ、エルオード、ミィの六名に絞られる。
ただエルオードは性別不明、ミィは性別こそ女性だが猫ということもあり触ったところで十八禁行為とみなされない気がする。実際玉座で目覚めた時、ミィは密着していたが十八禁認定されず強制ログアウトすることもなかった。
ソレイユとルーナは見た目幼く倫理観が全力で拒否し、ラミアは触れると逆鱗にも触れてしまいそうだ。サティナは透明感があり清楚で神秘的、天使族で聖女という設定により罪悪感を増幅させる。
最終手段だけあって何かとリスクが高く最善とは言い難く使わないに越したことはない。
ただし直ぐに確認しなければならない問題が幾つかあり、一旦ログアウトし現実世界で調べる必要があるという結論に至る。その為にも現在のリスポーンポイントでもあるセフィーシア城へ帰城する必要がある。
リスポーンポイントは宿屋や自室など安全に睡眠をとれる場所となっているため、本来なら先に更新しクエストなどに挑むというのが通例なのだが自室へ案内される前に今回の少女と老人を助けるという新シナリオが開放された。
この手のミッション系シナリオは二人が目指す目的地へと無事に送り届けることでクリアとなる可能性が高い。放置することも可能だが別れた後、魔物や盗賊に襲われ命を失えば助けた意味が無くなってしまう。
「一度安全な場所に移動しよう。二人を送るにしても準備だけは整えたいし」
「・・・・・・ わ、わかりました。お姉さんを信じる」
「お姉さんじゃなくてお兄さんなんだけどね・・・・・・」
「んっ?」
毎回のように間違われてしまうとワンピースに認識阻害などの特殊効果が付与されているのではないかと勘繰ってしまう。だが同姓に見えることで多少の信頼を得られたのなら不本意ながらワンピースを装備していたことも意味を成していたのかもしれない。
二人を連れセフィーシア城へと転移する前に再度、無残に横たわる獣人のアバターを確認してみたが、やはり消滅する兆候すら見受けられない。
このまま放置し復活の有無を確認するというのも悪くないが、アンデット化する可能性があるため火葬することを転移直前に決める。
「【短距離転移】【桜火】・・・・・・」
四人全員の体が光に包まれると空を舞う一枚の桜の花弁を残し一瞬のうちに姿が消える。花弁は静かに舞い降り獣人に触れた瞬間、激しい炎が全身を包み込み一瞬で土に還した。
セフィーシア城 玉座の間
視界が開けると玉座に座りクッキーのようなものを頬張るミィの姿が視界に入る。転移してきたことに今、気がついたのか慌ててお菓子を隠そうとする仕草が可愛く思え今回は見なかったことにし周囲を見渡す。
玉座の間にはレイス、ミィ、エルオードそれと執事長を兼務するオリス・テインが控えており他の守護者の姿は見えず、少女が老人の傍で不安そうな表情を浮かべている。
「レイス、一時間後に守護者を全員集めてもらっていいかな? それと二人に部屋を用意してくれ」
左眉から頬にかけて大きな傷をもつ燕尾服を着た白髪の男がレイスの一歩前に出ると跪く。オリス・テインは守護者と執事長を兼務する唯一の人族で元冒険者らしいのだが詳しい出自は明らかになっていない。
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一歩先を行く仕事のできる男だと感心すると同時にメイドという言葉に関心が向く。守護者とメイドを兼務するNPCでも居るのだろうか。
サービス開始時、情報の無さから戦闘などで命を失い多くの引退者を出したユリウスでの経験を活かすどころか運営会社からは改善するという意思を感じない。
リアリティを追求するのならレベルなんて概念もステータスボードなどの便利機能など存在しないだろうし神の手助けや助言といった主人公に都合の良いことばかり起きたりしない。
視点を変えユリウスという現実世界からセクレシアという異世界へ来たと考えれば今ある状況も、ある意味リアリティの追求と言えなくもないのだがゲームなのだから最低限のサポートや情報の開示があっても良いのではないだろうか。
「配慮が足りず申し訳ありません。専属メイドに関しましては厳正なる審査を経て選任されますのでもう暫くお時間を頂けないでしょうか」
「えっ? いや、そういうのじゃなくて」
何のために厳正な審査をしているのか分からないが専属メイドの必要など無い。運営会社への不満が表情に表れていたのか、レイスが変な勘違いし専属メイドを付けると言い始め便乗するようにエルオードが会話に割って入ってきた。
「ほらぁ。そんな回りくどいことしなくてもエルオードに任せるって颯斗様が言ってるよ。そもそも僕しか伽の相手は務まらないんじゃないかな」
「えっ⁉」
フルダイブMMORPGでは十八禁に抵触する行為は禁止されており、当然ユリウスでも同様に禁止されていた。勿論、フルダイブ技術を使用した風俗や十八禁ゲームも存在するのだが当然、学生はログインすらできない。
言葉だけなら問題は無いだろうがペナルティを貰う危険性があるだけに、痛覚感知同様ログアウトし調べる必要があるだろう。だからこそ一刻も早く自室へ向かいリスポーンポイントを更新しなければならない。
レイスに自室への案内を頼み、意識を失い未だ目を覚まさない老人に寄り添い不安そうな表情をみせる少女の元に歩み寄ると肩に手を添え言葉をかける。状況が状況だっただけに名前を名乗ることも聞くこともしていない。幸運が重なった結果、今の信頼があるに過ぎないのだから心から安心させることなどできないだろう。
「自己紹介が未だだったね。俺の名前は早乙女颯斗。ここなら襲撃されたりしないから安心してほしい。それと部屋を用意したからお爺さんが目覚めるまで体を休めて、今後のことはお爺さんが目覚めてからにしょう。えっと・・・・・・」
名前が分からず言葉に詰まったことを感じ取ったのか少女は続けざまに言葉を発す。
「ル、ルーファ。私の名前はルーファです・・・・・・ あ、あの。お姉さんは一緒に居られないの?」
「知ってる人と居た方が安心できるよね。ラミアと一緒に居たいのなら――」
「ラミアさんじゃなくて・・・・・・ 私、お姉さんと一緒に居たい」
守護者達の誤解が解けたと思えばプレイヤーらしき獣人に欲情され、ルーファは誤解したまま未だにお姉さんと呼んでいる。今すぐ装備変更し誤解を解きたいが未だにアイテム類を取り出すことができない。
落ち着きを取り戻すまで一緒に居てあげたいのは山々だが問題が山積していて時間を割くことができない。結界が解除され攻撃を受ける可能性が格段に高まったこともあり早急に情報を集め戦いに備える必要がある。
そしてラミアと獣人の戦闘を間近で見て思った疑問。想定が正しければ守護者全員が同様の状況下にあると思って良い。一旦ログアウトするにせよ把握しておけば次回ログイン時までに対策を講じることができる。
玉座の間を後にして自室へと続く回廊を歩きながら疑問の一つをレイスに投げかける。ログアウト前に聞いておいた方が考える時間を確保でき再ログイン時にスムーズに対処できる。
「一つ聞きたいんだけど。武器やアイテムってどの程度、持ってる?」
「転生時、武器アイテムの消失、能力低下、幾つかのスキルの封印・・・・・・ そして記憶の一部喪失。個人差はあるものの守護者全員に同様の事象を確認しています。全員が私と同様だと仮定するなら武器やアイテム類は持ち合わせていないと思われます」
デスペナルティでも貰ったかのような事象がNPCを圧倒的に弱体化させているのは間違いない。武器やアイテムは手持ちの素材とスキルで何とかなるが能力低下とスキル封印は死に直結しかねない。守護者統括のレイスですらその状態なら他の守護者も同様だと考えるべきだろう。
想定より遥かに悪い状況ではあるが絶望的状況ではない。ラミアの強さを基準とした場合、武器や防具、アーティファクトにより能力の底上げをしつつ経験を積ませさえすれば中堅プレイヤーとなら互角以上に渡り合えるだろう。
守護者達に何を渡すか考えている間に自室に到着したようで、他の部屋と比べて一際豪華な扉がある部屋の前でレイスは足を止め室内に入ると軽く頭を垂れる。
「私は玉座の間へ戻り他の守護者の武具などの所持状況を確認し後程報告いたします」
「助かる。俺も出来るだけ早く戻るようにする」
会釈し部屋を後にするレイスを見送り足早に寝室へと向かい三人が一度に眠れそうな大きさのベッドに飛び込み目を閉じる。
(痛覚、キャラメイク機能と十八禁行為、時間があれば能力低下とスキル封印について調べるって感じで良いかな。よし!! ログアウト・・・・・・ あれっ!? ログアウト・・・・・・ もしかして声に出さなきゃダメなのか⁉)
その後、声を出したり身振り手振りを交えたりと様々なことを試みたがログアウトできず時間だけが過ぎていった。体の自由が利くことからシステムトラブルの可能性は低くログアウトできない原因が全く分からない。
この世界もユリウスと同様、システムコールなど実装されておらず運営会社への連絡が一切できない。そもそもサービス開始時から現在に至るまでユリウスにおいてバグなどのシステムトラブル報告件数は皆無。そういう意味ではシステムコールを必要としないと言えなくもない。
そういったこともありユリウスでは通常ルートとは別にログアウトする方法が幾つか存在していた。この世界でも同様のルートが存在しているか不明だが最悪それらを試すしかない。
システムトラブルによりプレイ継続不可能と判断され強制ログアウトされるケースを除くとゲーム内での死亡判定、意図的に十八禁行為に抵触した場合の二パターン。また現実世界で災害など生命の危機に瀕した場合もゲーム内アナウンス発生後強制ログアウトされる。
死亡判定や十八禁行為抵触と違い生命の危機というのは偶発的過ぎるしログアウトした後の方が危険な状況だけに現実的ではない。
ゲーム内で死亡判定受ける方法はログアウトできても二度とログインできなくなる可能性がある。そう考えると意図的に十八禁行為に抵触する方法が最もリスクが低く、ラッキースケベ程度なら数日で復帰できたという報告も存在する。
問題は誰に対して行うか、行うだけの勇気を持ち合わせているかということの二点。
こんなことを頼めるほど親しい女性プレイヤーが存在しない以上、候補者は必然的にソレイユ、ルーナ、ラミア、サティナ、エルオード、ミィの六名に絞られる。
ただエルオードは性別不明、ミィは性別こそ女性だが猫ということもあり触ったところで十八禁行為とみなされない気がする。実際玉座で目覚めた時、ミィは密着していたが十八禁認定されず強制ログアウトすることもなかった。
ソレイユとルーナは見た目幼く倫理観が全力で拒否し、ラミアは触れると逆鱗にも触れてしまいそうだ。サティナは透明感があり清楚で神秘的、天使族で聖女という設定により罪悪感を増幅させる。
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