神々の遊戯に巻き込まれ無双した件

杜乃真樹

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第13話 ムードメーカー≒トラブルメーカー

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 クライセル大陸中央から南部沿岸へと広がる大森林は遥か昔より侵入を拒む結界が全域を包み込むように展開されており、陸路で国家間を移動する場合、大森林を迂回する必要があった。

 東方のバイムース帝国、ホリスターク魔法国、西方にはサミュズリー皇国、ヴェルダー王国、クラレスタ王国。

 そして大森林北方に位置し東西を結ぶ軍事経済の要衝、セルゲスト王国。

 この六ヶ国は遥か昔より同盟関係を維持し今も良好な関係を築いていたのだが神戯ラグナロクの始まりと共に大きな変化が起ころうとしていた・・・・・・




 


       セルゲスト王国王都セタース バゼルマーク城玉座の間

 深紅のドレスに身を包んだ女が無人の玉座に対しひざまき首を垂れ、まるで玉座と会話しているかのように言葉を発している。

 セルゲスト王国王女にして神戯ラグナロクに参加した神の一柱、セクメトラ・マーゼス。

 下級神でありながら遥か昔、神戯ラグナロクで勝利したほどの力を有し女神と呼ばれるだけあり美しい容姿をしている。

「で、ですが・・・・・・ 申し訳ございません・・・・・・ 直ぐに対処いたします・・・・・・」

 玉座の間を静寂が包み込んだ後、立ち上がると玉座へと向かい歩を進め腰を下ろすと右手親指の爪を噛み険しい顔で何か呟いている。

「何が演出よ!! 馬鹿馬鹿しい。亜神なんて利用価値すらないじゃない・・・・・・」

 跪く守護者に対し殺気に満ちた視線を送り深い溜息をつく。そしてセラスレークと呼ばれる天使族の男の後方に控える男女に声をかける。

「そうだ。キルゼルト、キャスラル。二人にやってもらいたいことがあるの・・・・・・」

 何か思いついたのか先程までの焦りや苛立ったような表情は消えており、穏やかな表情で二人に微笑みかける。






          フォルテシア神王国 セフィーシア城

 ベッドに飛び込み着替えることなく眠りに落ち、窓から差し込む陽の光で目を覚ます。

 昨日まで感じていた違和感や疲労感を感じることは一切なく、昨日より高密度の力が満ち溢れているような気までする。ただ目の前に広がる光景は昨日と何も変わらない。

 心の片隅ではシステムトラブルによりログアウトできないだけじゃないかと現実を受け入れられずにいる反面、全て現実として受け入れている部分もある。

 僅かでも非現実かもしれないという考えが思考に混じれば致命的な隙を生み出しかねず、リスクを考慮するなら現実だと考え行動するべきだと頭では分かっているのだが、人と神という二面性から生まれる葛藤や迷いがログアウトできるかもしれないと希望を抱かせ行動させる。

 本来ならばルーファ達を送り届け国王に話を聞くことも守護者に任せ自ら動く必要などない。

 だがどうしても自らヴェルダー王国へ赴く必要がある。正確には必要がある気がするだけで明確な理由は存在しない。

 女神セクメトラとの戦いに備えるべきだと理解しているのだが、何度考えても答えは変わらず時間だけが経過しヴェルダー王国へ向け出発する時を迎えることとなった。

 ウィクスの話を聞く限り敵守護者と遭遇したことは偶発的だった可能性が高く、敵の探知能力が大森林にまで及んでいないことが見て取れる。

 もしもクライセル大陸全域が探知範囲だとするなら敵神守護者が戦いの痕跡を探したりしないからだ。

 だからと言って堂々と魔法やスキルを使用することで探知され襲撃されるという事態だけは避けなければならない。多少時間を必要とするが徒歩でヴェルダー王国へ向かうほうが賢明だろう。

 その為にも不測の事態が起こった場合に備え対応など全員と摺合せをしておきたいのだが、その前に一つだけ絶対にやっておきたいことがある。

 容姿が女性に見えるからかミィやルーファを筆頭に膝に乗ったり抱きついたりとスキンシップが激しく、常に身綺麗にしておかなければ顰蹙ひんしゅくを買ってしまいそうなので風呂に入りたい。

 ユリウスでは指定した対象の汚れを一瞬で消し去ることができる無属性魔法【洗浄ウォッシュ】を使用していたのだが現実である可能性が極めて高いと思った途端、日本人としての特性なのか湯船に浸かりたい衝動に駆られる。

 ただ日の出から一時間程が経過しており風呂に入るだけの時間がない。足早に洗浄ウォッシュで全身を綺麗にしたあとウィクス達、騎士団の面々に渡しておく武器やポーション類の準備を済ませると玉座の間へと転移する。





            セフィーシア城 玉座の間

「もうどうしてアンタは毎回そこで寝てるのよ!!」

「そんなに座りたいの? 私が颯斗様にお願いしてあげるニャ」

 転移してきたことに気がつかず話を続ける二人の会話にレイスが言葉を割り込ませ会話を止める。

「ニャに? レイスも・・・・・・ えっと・・・・・・ 颯斗様の膝上にソレイユとルーナが乗りたいそうです」

 恥ずかしそうな表情で俯いているソレイユとルーナを尻目に玉座から静かに下りるとラミアの隣で跪く。チーム戦において重要視するファクターの一つとしてミィのようなムードメーカーの存在は欠かせない。

 圧倒的敗北を味わい辛うじて生を拾った者達にとって同様の危険が潜む大森林を進むことは恐怖であり死を身近に感じる場所でしかない。緊張した表情、恐怖に抗い体の震えを懸命に抑え込もうとしているように見える。

 厳しい訓練を耐え抜いた精鋭であろうウィクス達ですら緊張から顔を強張らせていた。だがミィの言動を見たウィクスが笑みを零すと状況が一変し和やかな雰囲気に包まれる。

「えっ? 膝の上? ま、まぁ構わないけど」

 兄の膝上に乗りたがっている幼い妹に替わり気持ちを伝えてあげた母親の言葉を聞いているような気がして許可してしまった。

 恨めしそうにこちらを見つめるエルオードと違い要望に応えたからといって何かを失ってしまうようなことにはならないだろう。

 何も考えていない気もしなくもないがムードメーカーとしての役割は十分果たしていると言える。

「御歓談中失礼たします。魔物等の対応を我々が受け持つことに不服は無いのですが先の戦闘で武器を破損、紛失した者が多く。申し訳ないのですが短剣でも構いませんのでお貸しいただけないでしょうか」

 ウィクス達の武器に関しては想定通りで準備もしてある。だがルーファの服に関しては何の準備もしていない。昨日最後に見た時、間違いなく着替えていた。だが今は襲撃された時と同じピンクのドレスを着ている。

「全員分の剣と予備のポーションを準備しているのでお渡ししますね。それとルーファ・・・・・・ その服って」

「あ、あの。このお洋服は御父様が選んでくれて・・・・・・」

 襲撃された際に負った傷から出血しできた染みや斬撃により裂けた個所が複数見え汚れも目立つ。ましてや特殊な素材で作られているわけでも特殊効果を付与されているわけでもない。

 それでも身に付けていたいと思うほど家族から愛情を注がれていることが見て取れからこそ、その気持ちを大切にしてあげたい。

「それぐらいの損傷なら元通り直せると思うよ」

「直せるんですか?」

「丁度いい素材持ってるから直せるよ。一旦、渡してある服に着替えてきて」

 嬉しそうに頷くと一礼し客室へと戻っていった。

 修復に必要な素材なら揃っており、この程度の損傷なら簡単に直すことができる。しかし今後のことを考えると直すついでに最低限の防御能力を持たせた方が良いだろう。

 総合的に判断するならば王位継承権などの権力闘争に巻き込まれ襲われた可能性は低いと思うが、襲撃してきた獣人が守護者だと言う点を考慮するなら襲撃されるだけの理由が存在し再度襲われる可能性を否定できない。

 手持ちの素材の中で修復に使えそうな素材は現状一つしか持っておらず創造クリエーションを使えば必然的に使用されるガードスパイダーの魔糸まし

 綿のように軽く絹のような肌触りをしているのにも拘らず高い物理、魔法耐性を併せ持つ魔糸を使用しドレスを修復すれば大抵の攻撃なら防いでくれる筈だ。

 そんな事を考えていると着替え終わったルーファが息を切らせ玉座の間に戻ってきた。

「はぁはぁはぁ。あ、あの。これ。お願いします」

「すぐ終わるから待ってて。【創造クリエーション】」

 スキル【創造クリエーション】を発動すると光玉が現れフワフワ漂いながらルーファの元へと飛んでいくと値踏みしているかのように体の周りを周回しだす。

 暫く周回していた光玉が突然、全身を包み込んだかと思った次の瞬間、胸の辺りへ光が収束していき溶け込むように消え修復されたピンクのドレスを身に纏ったルーファが姿を現す。

「上手く直せたみたいでホッとしたよ」

 完璧に修復され物理、魔法、状態異常への耐性が付与されており余程のことが無い限り命を奪われることはない筈だ。

 安心して送り届けることができるのは良いが前回と光玉の動きが違っていたことが気になって仕方がない。

 固有武器エクスクルーシブのように意思を持つ武器やアーティファクトを創造する場合、希少価値の高い素材を使用しなければならないのだが今回使用した魔糸は希少価値という点だけ見れば大したことがない。

 絶域の全階層で頻繁に遭遇するガードスパイダーという蜘蛛の魔物の素材ということもあり大量に保有している。

(あの光玉の動きって何だったんだろ・・・・・・)

 念の為に鑑定スキルで調べてみたが物理耐性、魔法耐性、状態異常耐性以外に特に変わったところは見つけられず、謎だけが深まってしまったが最低限の準備ができただけでも由とするべきかもしれない。






           四時間後 セフィーシア城西部 

 予定していた出発時間を少し過ぎてしまったが概、予定通り移動できている。

 数度、魔物と遭遇することもあったがウィクス達の息の合った連携により問題なく撃退、敵神守護者の襲撃でもない限り手助けは必要なさそうに見える。

 このまま順調に進むことができれば二日後には王都ヴェルフィアに到着、翌日にはルーファの父ヴェルダー王国国王ライザー・ニア・ヴェルダーとの謁見という流れになるのではないだろうか。

 飛翔フライなどの魔法やスキルを使えば今日中に到着することも可能だと思うが可能な限り力を隠したまま送り届けたい。

 こうしている今この瞬間も神界で盛り上がりに欠けると愚痴りながら観戦し、演出と称し女神セクメトラに入れ知恵しているかもしれないのだ。

 情報が筒抜けになっている可能性があるだけに、その時が来るまで雑魚だと思わせておいた方が勝率を底上げすることができる。そう言った理由もありウィクスが提示したプランを受け入れた。

 命の恩人、そして大森林全域が自国領だと主張する国家の代表者が同行しているのだからルーファ同様、護らなければならない対象と考え行動しているのだろう。

 セクメトラに存在を認識されているミィとサティナ、両名に関しては力を抑えれば偽装を疑われる恐れがある事からある程度自由に行動させている。

 ただし戦闘に参加する場合、体術主体、危機的状況に陥るまで魔法やスキルの類を使わないようと出発前に言っておいたこともあり出発後、一度たりとも戦いに参加していない。

「颯斗様、遠足にはおやつが必要だと進言しますのニャ」

 このような緊張感のない発言を繰り返しサティナに呆れられているがミィなりに考えがあって言っている時が稀にある。

 事実、出発して四時間ほど経過しているが小休憩すら取れていない。急ぎ帰国したい気持ちは分からなくもないが無理してまで強行する必要性を感じない。無理せず休憩を取るべきだと言いたいのだろう。

「そうだね。休憩にしようか」

「私が伝えてきますニャ」

 嬉しそうにウィクスに声をかけ戻ってくると期待に目を輝かせ訴えかけるような表情で見つめてくる。

 水や食料は敵に分断された場合を想定して出発時に全員に手渡しておいたのだがミィの進言にゲームでは気にも留めなかったことに気がつかされた。

「まだここはフォルテシア神王国国内ですニャ!!  お客様をもてなさなければ国、颯斗様の沽券に関わりますとレイスなら言うと思うのニャ」
 
 確かにレイスなら同様の進言をするだろうし執事長のオリスなら何も言わず何か振舞っているような気がする。

 亜神だということを臥せフォルテシア神王国という国家として、この世界と関りを持つのであれば国や王としての立ち振る舞いが求められる。

 自国内という事もあり本来なら護衛するべき立場、しかし現状は他国の騎士に護衛してもらっている。やむを得ない理由があり戦えないのなら戦闘以外の部分で饗すべきではないかとミィは伝えたかったのだろうか。

「こんなときオリスなら何を用意するんだろ・・・・・・」

「疲れた時には糖分を摂取すると良いですニャ。そうだ!! あの四角い焼き菓子がお薦めですニャ」

 以前から四角い焼き菓子、多分カステラのことだと思うが食べたそうにしていたのを思い出す。

 有名老舗店のカステラを再現しただけで魔力回復や体力回復といった特殊効果が付与されているわけじゃない。ユリウスで建国した時に仲間と食べようと創り出した数百の中の一つでしかない。

「準備するから皆、呼んできて」
 
「行ってきますニャ」

 嬉しそうに皆を呼びに行くミィと違い、どこか元気がなく浮かない表情を見せるサティナ。セクメトラとの戦いで芽生えた感情が何らかの影響を与えているように見える。

「サティナ? 体調悪そうだけど大丈夫?」

 単純な好き嫌いでは説明できない程の憎悪が渦巻き、感情のコントロールを困難にしているのだろうか。

 自覚もなければ記憶も無く初対面の相手に対して抱きようのない感情の根幹にあるものが何なのか今は分からない。

 消し去ることのできない感情なら、美味し菓子を食べている間だけでも忘れることができれば良いのだが。

「いつ魔物と遭遇するか分かりませんし我々は護衛なのですから気にせず休んでください。グレイス警戒を怠るなよ」

「あぁーっ。もぉーっ。休んでって言ってるのニャ!! でないと私、死んじゃう」

 泣き崩れるミィの言動に困惑した表情を浮かべるウィクス達には申し訳ないが、もう少し寸劇に付き合って欲しいと思っているとサティナが徐に立ち上がると二人に話しかける。

「ミィちゃん我儘言っちゃダメですよ・・・・・・ でも休める時に休んでおかないと必要な時に力が出せないことだってあります。それに私が一帯に結界を張ったので休憩する時間位なら問題なく過ごせると思いますよ」

 結界を張ったと話しているが魔法やスキルを使用した形跡はなく休憩させる口実を与えているだけのようだ。どちらにせよ周囲に人どころか動物すら居ないのだから結界を張る必要も無い。

「しかし・・・・・・」

 強過ぎる責任感から頑なに休むことを拒んでいたウィクスだったがミィとサティナに言い包められたのか団員達が次々集まってきた。

 先程まで落ち込んでいたのが嘘のように楽しそうにしているサティナを見るとミィのようなムードメーカーの存在の大きさを実感させられる。

 そして全員集まったところでカステラを切り分け配る。

 どうせ作るならと老舗の味に近づけたいと努力した成果、驚くほど忠実に再現できた自信作なのだが他者に食べさせたことがなく反応が気になり気持ちが落ち着かない。

 談笑しながら美味しそうに食べるミィとルーファ、そしてウィクス達、男性陣の反応も上々。ただ隣に座っているサティナだけが未だ一口も食べていない。

 もしかするとケーキ等の甘いものが苦手なのだろうか。だとすればもう少し糖分控えたお菓子の方が良かったのかもしれない。

 何か別の菓子と交換してあげようと思っていると心配して心配した表情のサティナが声をかけてきた。

「颯斗様はお食べにならないのですか?」

「皆が美味しそうに食べているのを見ているだけで満足かな」

「・・・・・・ 颯斗様が食されないのなら私も食べることができません」

 王が食せず臣下が食する。サティナの言いたいことは分かるのだが空腹でもなく反応を見ていたい気持ちの方が強く食べる気にならない。

「一口だけでも食べなきゃダメですよ! はい。あーん・・・・・・」

 フォークで一口サイズに切り分けると少し照れた表情で口元へと運ぶ。

「サ、サティナ?」

 聖女と呼ばれるほどの品位と美しさを兼ね備えた女性が照れながら食べさようとしている現状に理解が追い付かず一瞬固まってしまった。

 しかもこのまま躊躇し断ったりすれば傷つけてしまう可能性が高いような気がするため冷静を装いながら差し出されたカステラを頬張る。

「うん。美味しい。ありがとう。美味しいからサティナも食べてみて」

 幸せそうにカステラを食べているサティナを見ていると本当に何がしたかったのか見当すらつかない。

 ただ先程からルーファと話しながら何度もこちらへと視線を送るミィが何か知っているような気がするので折を見て話を聞いてみようと思う。






               二日後午前

「この街道沿いに進めば王都ヴェルフィアに到着します」

 魔物と何度か遭遇したこと以外は何も起こらず予定通りの日程でヴェルダー王国へと入国、王都ヴェルフィアまで十キロを切った辺りで街道に出るとウィクスは騎士団の一人を先行させた。

 国境沿いにある検問を迂回し避けたところを見ると内通者の存在を考慮し極力リスクを減らすような選択をしているのだろう。

 下級神だとしても相手は神、セクメトラの能力次第では策を講じたところで意味をなさない。

 だからこそヴェルダー王国と同盟を結び協力関係を構築しなければならない。

「どうやら迎えが到着したようです」

 ウィクスの指さす方へ視線を向けると冒険者らしき装備を身に纏った四名の男女と馬車二台がこちらへ向かってくるのが見えた。


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