2 / 5
執事の表と裏
しおりを挟む
「ジェイド、ごめんね…いろいろしてくれているのに、何も返してあげられない」
「そんな事ありません、私の幸せはイズ様のお世話をする事です」
いつも同じ答えしか返ってこない。
でも、与えるだけではダメだ…俺もなにかしないと対等ではない。
今日はいつものように引き下がるわけにはいかない。
ジェイドに近付いてジッと顔を見つめて、あまりに見つめるからほんのりと顔が赤くなっている。
ゲームでは滅多に照れるシーンはなかったから新鮮だ。
男の俺に近付かれて照れるのも可笑しな話だ、もしかしたら怒りで顔が赤いのかもしれない。
魔法使いの中で最高位の力を持っているジェイドに人間の俺が勝てるはずもない。
目線は逸らさず、少しジェイドと距離を離すと何故か残念そうにしていた。
「給料は、頑張って何とか掻き集めるよ」
「いりません、イズ様のお好きなものにお使いください」
「ジェイドの欲しいものは俺じゃ手に入らないかもしれない…でも、対等にいるためにジェイドの欲しいものをあげたい」
「……考えておきます」
俺の熱意が届いたのか、ジェイドは小さく頷いてくれた。
なにがほしいのか、物欲を感じられないジェイドからは想像も出来ない。
どうしよう、龍神だから欲しいものも神様レベルだったら…
約束したからには破れない、どんなに時間が掛かっても叶えたい。
孤独で暗闇の中、助けてくれたジェイドに一生を捧げても足りないほど感謝している。
ジェイドと一緒に食堂に向かい、二人にしては広すぎる食堂でジェイドが作ってくれた朝食を一緒に食べた。
俺も勉強してジェイドに料理を食べさせたいけど「執事の仕事なので」とやんわり断られた。
料理で恩返しは、始まる前にとっくに終わっていた。
「イズ様、今日は学校の送り迎え…」
「それくらい俺一人で出来る、ジェイドは本業が忙しいんだから」
「本業はイズ様のお世話です」
真剣な顔で言われると、冗談には見えないのが困りものだ。
俺は冗談で流せるけど、本気にしてしまう人がいたらどうするんだ?
ジェイドの周りの女の子達は大変そうだな、と朝食を食べ終わった。
直接ジェイドから聞いたわけではないが、街で騎士団長を見る機会は少なくなくて遠くから見た事はある。
仕事の邪魔はしたくないから、外では他人のフリをしようとジェイドと約束した。
最初は「何処にいてもイズ様なのは変わりありません」と言っていて、しばらく悩んでそれ前提でプライベートと分ける事に同意した。
もしかしてヒロインはクールなジェイドに惚れたかもしれない。
俺といるジェイドは優しくてニコニコしている。
俺はそんなジェイドもいいと思うが、他の人は幻滅してしまうかもしれない。
守らないと…ジェイド・ロードという超絶美形キャラクターを…
だから送り迎えも何処に誰が見ているのか分からないから一人で帰れる。
学校から家はそう遠くないし、今まで一人で帰ってこれたから心配する事もない。
「寄り道せずに暗くなる前に帰ってください」
「分かった」
魔物も夜の時間しかいないから、それさえ守れば無事に帰れる。
玄関前でジェイドに見送られて、手を振って家を出た。
これが俺の日常、いつまで続くか分からないが俺が自立するまででいい…ジェイドがいてくれたらな…
ーーー
※ジェイド視点
学校に向かうイズ様を見送り、まだ時間があるから部屋に向かった。
イズ様が今日の夜、気持ちよく寝れるために新しいシーツに取り替える。
手には取り替える前のシーツが握られていて、鼻に触れた。
イズ様の匂い…香水を身につけた事がないのに花のような香りがする。
俺に近付いてきた時も同じ匂いがして、我慢出来た自分を褒めてやりたい。
今すぐにその柔らかい身体に触れたいと思った。
下半身に視線を向けて、小さく舌打ちをしてイズ様の部屋の掃除を終わらす。
毎日掃除しているからすぐに終わらせて、次は朝食の後片付けを終わらせた。
執事の仕事は終わった、壁に掛けられた時計を見てまだ時間があるなと思った。
俺も与えられた自分の部屋に戻り、自分のプライベート空間に小さく息を吐く。
やはりここが落ち着くな、イズ様にも「なにがあっても絶対に入ってはいけません」と言ったからきっと貴方は知らない。
壁一面に隙間なく貼られた紙のモデルは全てイズ様。
そして俺がこの目で見て、一つもブレる事なく書いた。
紙の一つを撫でて、気持ちがどんどん昂っていく。
ズボンの前を開けて下着をずらすと完勃ちしたものが勢いよく出た。
軽く擦るとビクビクと震えて、イズ様の顔を見るとイってしまいそうになる。
欲望を握る手の動きがだんだん早くなり、息も荒くなる。
貴方は知らない、俺がどんなに貴方を想っているのか。
男にこんな想いを抱くなんて考えた事がなかった。
男だけじゃなく、人間そのものに興味はなかった。
それが今ではイズ様の事はつま先までいろいろと知りたい。
他人が知らない全ての事を俺自身で優しく暴きたい。
さすがに幼い頃は純粋に好きで守りたいという気持ちだった。
イズ様でも、子供にそういう感情は抱く事が出来ない。
その代わりに恋心は限界を知らず大きくなった。
でも成長すると、俺の中で気持ちが変わっていく。
恋心は変わらず、もっと大きな欲望が支配していく。
せめて学校を卒業するまでは…そう思っていても、もう結婚出来る年齢だからいいかと落ち着いた。
あんな事を簡単に言ってはいけない、悪い男に利用されてしまう。
俺も、その悪い男の一人なんだけど…貴方は無邪気に笑うのだろう。
直接関係を壊す事を言えないから、妄想でしか手を出せない自分をお許しください。
「はぁ…っ、報酬なら貴方の中を思いっきり俺の欲望をぶつけて、奥の奥を熱く満たしたい」
一番ダメなところをめちゃくちゃに擦り上げて、いっぱいイかせたい。
手のひらに出した行き場のないものを見つめた。
紙じゃ満たされない、やっぱり俺には本物のイズ様が必要だ。
手を洗面所で洗い、ついでに顔を洗って鏡を見つめた。
鏡に映る顔は、執事のジェイドではなく騎士団長のジェイドだった。
鋭い瞳で、鏡の自分を睨みつけて洗面所を離れた。
この国の国民を守る事は、イズ様を守る事に繋がる。
俺がやる事は、イズ様が安心して過ごせる世界を作る事だ。
あの時交わした約束を守る、ただそれだけが俺の生きる意味だ。
「そんな事ありません、私の幸せはイズ様のお世話をする事です」
いつも同じ答えしか返ってこない。
でも、与えるだけではダメだ…俺もなにかしないと対等ではない。
今日はいつものように引き下がるわけにはいかない。
ジェイドに近付いてジッと顔を見つめて、あまりに見つめるからほんのりと顔が赤くなっている。
ゲームでは滅多に照れるシーンはなかったから新鮮だ。
男の俺に近付かれて照れるのも可笑しな話だ、もしかしたら怒りで顔が赤いのかもしれない。
魔法使いの中で最高位の力を持っているジェイドに人間の俺が勝てるはずもない。
目線は逸らさず、少しジェイドと距離を離すと何故か残念そうにしていた。
「給料は、頑張って何とか掻き集めるよ」
「いりません、イズ様のお好きなものにお使いください」
「ジェイドの欲しいものは俺じゃ手に入らないかもしれない…でも、対等にいるためにジェイドの欲しいものをあげたい」
「……考えておきます」
俺の熱意が届いたのか、ジェイドは小さく頷いてくれた。
なにがほしいのか、物欲を感じられないジェイドからは想像も出来ない。
どうしよう、龍神だから欲しいものも神様レベルだったら…
約束したからには破れない、どんなに時間が掛かっても叶えたい。
孤独で暗闇の中、助けてくれたジェイドに一生を捧げても足りないほど感謝している。
ジェイドと一緒に食堂に向かい、二人にしては広すぎる食堂でジェイドが作ってくれた朝食を一緒に食べた。
俺も勉強してジェイドに料理を食べさせたいけど「執事の仕事なので」とやんわり断られた。
料理で恩返しは、始まる前にとっくに終わっていた。
「イズ様、今日は学校の送り迎え…」
「それくらい俺一人で出来る、ジェイドは本業が忙しいんだから」
「本業はイズ様のお世話です」
真剣な顔で言われると、冗談には見えないのが困りものだ。
俺は冗談で流せるけど、本気にしてしまう人がいたらどうするんだ?
ジェイドの周りの女の子達は大変そうだな、と朝食を食べ終わった。
直接ジェイドから聞いたわけではないが、街で騎士団長を見る機会は少なくなくて遠くから見た事はある。
仕事の邪魔はしたくないから、外では他人のフリをしようとジェイドと約束した。
最初は「何処にいてもイズ様なのは変わりありません」と言っていて、しばらく悩んでそれ前提でプライベートと分ける事に同意した。
もしかしてヒロインはクールなジェイドに惚れたかもしれない。
俺といるジェイドは優しくてニコニコしている。
俺はそんなジェイドもいいと思うが、他の人は幻滅してしまうかもしれない。
守らないと…ジェイド・ロードという超絶美形キャラクターを…
だから送り迎えも何処に誰が見ているのか分からないから一人で帰れる。
学校から家はそう遠くないし、今まで一人で帰ってこれたから心配する事もない。
「寄り道せずに暗くなる前に帰ってください」
「分かった」
魔物も夜の時間しかいないから、それさえ守れば無事に帰れる。
玄関前でジェイドに見送られて、手を振って家を出た。
これが俺の日常、いつまで続くか分からないが俺が自立するまででいい…ジェイドがいてくれたらな…
ーーー
※ジェイド視点
学校に向かうイズ様を見送り、まだ時間があるから部屋に向かった。
イズ様が今日の夜、気持ちよく寝れるために新しいシーツに取り替える。
手には取り替える前のシーツが握られていて、鼻に触れた。
イズ様の匂い…香水を身につけた事がないのに花のような香りがする。
俺に近付いてきた時も同じ匂いがして、我慢出来た自分を褒めてやりたい。
今すぐにその柔らかい身体に触れたいと思った。
下半身に視線を向けて、小さく舌打ちをしてイズ様の部屋の掃除を終わらす。
毎日掃除しているからすぐに終わらせて、次は朝食の後片付けを終わらせた。
執事の仕事は終わった、壁に掛けられた時計を見てまだ時間があるなと思った。
俺も与えられた自分の部屋に戻り、自分のプライベート空間に小さく息を吐く。
やはりここが落ち着くな、イズ様にも「なにがあっても絶対に入ってはいけません」と言ったからきっと貴方は知らない。
壁一面に隙間なく貼られた紙のモデルは全てイズ様。
そして俺がこの目で見て、一つもブレる事なく書いた。
紙の一つを撫でて、気持ちがどんどん昂っていく。
ズボンの前を開けて下着をずらすと完勃ちしたものが勢いよく出た。
軽く擦るとビクビクと震えて、イズ様の顔を見るとイってしまいそうになる。
欲望を握る手の動きがだんだん早くなり、息も荒くなる。
貴方は知らない、俺がどんなに貴方を想っているのか。
男にこんな想いを抱くなんて考えた事がなかった。
男だけじゃなく、人間そのものに興味はなかった。
それが今ではイズ様の事はつま先までいろいろと知りたい。
他人が知らない全ての事を俺自身で優しく暴きたい。
さすがに幼い頃は純粋に好きで守りたいという気持ちだった。
イズ様でも、子供にそういう感情は抱く事が出来ない。
その代わりに恋心は限界を知らず大きくなった。
でも成長すると、俺の中で気持ちが変わっていく。
恋心は変わらず、もっと大きな欲望が支配していく。
せめて学校を卒業するまでは…そう思っていても、もう結婚出来る年齢だからいいかと落ち着いた。
あんな事を簡単に言ってはいけない、悪い男に利用されてしまう。
俺も、その悪い男の一人なんだけど…貴方は無邪気に笑うのだろう。
直接関係を壊す事を言えないから、妄想でしか手を出せない自分をお許しください。
「はぁ…っ、報酬なら貴方の中を思いっきり俺の欲望をぶつけて、奥の奥を熱く満たしたい」
一番ダメなところをめちゃくちゃに擦り上げて、いっぱいイかせたい。
手のひらに出した行き場のないものを見つめた。
紙じゃ満たされない、やっぱり俺には本物のイズ様が必要だ。
手を洗面所で洗い、ついでに顔を洗って鏡を見つめた。
鏡に映る顔は、執事のジェイドではなく騎士団長のジェイドだった。
鋭い瞳で、鏡の自分を睨みつけて洗面所を離れた。
この国の国民を守る事は、イズ様を守る事に繋がる。
俺がやる事は、イズ様が安心して過ごせる世界を作る事だ。
あの時交わした約束を守る、ただそれだけが俺の生きる意味だ。
16
あなたにおすすめの小説
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
氷の檻に閉じ込められた月~兄上のすべては、私のもの~
春野ふぶき
BL
『兄上は私のものだ。魂も、肉体も。永遠に―—』
アーヴェント侯爵家の長男ライカは、妾腹として正妻に虐げられ続けてきた。
唯一の救いは、次期当主を目される異母弟カイエンの存在。
美しく聡明で、氷の騎士と呼ばれる彼だけは、常にライカの味方だった。
だが、その愛情は兄を守るものではなく、深く歪んだ執着だった。
母を排除し、兄を囲い込み、逃げれば鎖で捕らえる。
そしてついに、ライカの心身は限界に追い詰められていく。
——カイエンが下す「最後の選択」とは。
ふたりが辿る結末は、幸福か、それとも狂気の果てか。
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺
スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。
大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる