13 / 53
第14話 ラバースーツの誘惑
しおりを挟む
ショッピングモールの明るい通路を歩いていた二人。
ブランドの洋服や靴、アクセサリー……どの店も華やかで、麗子は目を輝かせていた。
だが、その中にひときわ異彩を放つ店があった。
マネキンが着ているのは、艶やかな黒いラバースーツ。
スポットライトに反射し、まるで濡れたように輝いている。麗子の足が、一瞬だけ止まった。
視線は吸い寄せられるようにラバースーツへ――。
(……だめ。見ちゃだめ。今は普通の女性として一平と一緒にいるんだから。)
そう心でつぶやきながらも、目は離せなかった。
~~ 一平の気づき ~~
「……麗子?」
横に立つ一平が、彼女の視線の先に気づいた。
艶やかな黒いスーツを見つめるその瞳。
一平はハッとした。
――そうだ。麗子には秘密があった。
あの“異形の姿”のまま、密かにラバースーツを着て楽しんでいたこと。
記憶が胸の奥に甦り、彼はそっと彼女の手を握った。
「……ごめんね、一平。」
麗子は俯きながら小さくつぶやいた。
「やっぱり……好きなの。ああいうの。変だって思うでしょ?」
一平は首を横に振り、優しく笑った。
「変なんかじゃないよ。俺は知ってる。麗子が隠してきたことも、頑張って普通に見せようとしてることも。でも……それも全部、麗子だから。」
麗子の瞳に、涙がうっすら浮かぶ。
「……ありがとう。」
店の前を通り過ぎながら、二人はそっと見つめ合った。
それは「秘密を共有できる幸せ」を改めて確かめた瞬間だった。
ラバースーツの店を通り過ぎたあとも、麗子は心の奥でドキドキが止まらなかった。
「……やっぱり、私……まだラバースーツのこと、忘れられない。」
小さな声でつぶやくと、一平は立ち止まり、彼女をじっと見つめた。
「麗子。」
「……なに?」
一平は少し照れくさそうに笑いながらも、真っ直ぐに言葉を紡ぐ。
「今日は俺の理想の女性になってくれたろ? だから、帰ったら……今度は麗子の好きな姿を見せてほしい。」
麗子は瞬きを繰り返した。
「えっ……?」
「シリコンスーツを脱ぐ前に、その上からラバースーツを着てみてよ。麗子がどんなにそれを好きなのか、俺もちゃんと知りたいんだ。」
一瞬、麗子の目が大きく見開かれた。
(……一平が、ラバースーツの姿の私を見たいって……?)
これまで「気持ち悪がられる」と思い込み、隠し続けてきた趣味。
それを一平は拒絶するどころか、受け止めてくれた。
「……ほんとにいいの? 変な姿かもしれないよ?」
「いいさ。変なんかじゃない。俺は麗子の全部が見たいんだ。」
麗子は堪えきれずに笑顔をこぼし、涙ぐんだ。
「……ありがとう、一平。帰ったら……ちゃんと見せてあげる。」
二人は再び歩き出す。
手と手を強くつなぎながら、街の雑踏の中で笑い合った。
麗子にとって「外に出られる自分」を見せた日が、同時に「秘密の自分」を肯定してもらえた日でもあった。
そしてそれは――二人の絆を、さらに強く結び直す瞬間でもあった。
ブランドの洋服や靴、アクセサリー……どの店も華やかで、麗子は目を輝かせていた。
だが、その中にひときわ異彩を放つ店があった。
マネキンが着ているのは、艶やかな黒いラバースーツ。
スポットライトに反射し、まるで濡れたように輝いている。麗子の足が、一瞬だけ止まった。
視線は吸い寄せられるようにラバースーツへ――。
(……だめ。見ちゃだめ。今は普通の女性として一平と一緒にいるんだから。)
そう心でつぶやきながらも、目は離せなかった。
~~ 一平の気づき ~~
「……麗子?」
横に立つ一平が、彼女の視線の先に気づいた。
艶やかな黒いスーツを見つめるその瞳。
一平はハッとした。
――そうだ。麗子には秘密があった。
あの“異形の姿”のまま、密かにラバースーツを着て楽しんでいたこと。
記憶が胸の奥に甦り、彼はそっと彼女の手を握った。
「……ごめんね、一平。」
麗子は俯きながら小さくつぶやいた。
「やっぱり……好きなの。ああいうの。変だって思うでしょ?」
一平は首を横に振り、優しく笑った。
「変なんかじゃないよ。俺は知ってる。麗子が隠してきたことも、頑張って普通に見せようとしてることも。でも……それも全部、麗子だから。」
麗子の瞳に、涙がうっすら浮かぶ。
「……ありがとう。」
店の前を通り過ぎながら、二人はそっと見つめ合った。
それは「秘密を共有できる幸せ」を改めて確かめた瞬間だった。
ラバースーツの店を通り過ぎたあとも、麗子は心の奥でドキドキが止まらなかった。
「……やっぱり、私……まだラバースーツのこと、忘れられない。」
小さな声でつぶやくと、一平は立ち止まり、彼女をじっと見つめた。
「麗子。」
「……なに?」
一平は少し照れくさそうに笑いながらも、真っ直ぐに言葉を紡ぐ。
「今日は俺の理想の女性になってくれたろ? だから、帰ったら……今度は麗子の好きな姿を見せてほしい。」
麗子は瞬きを繰り返した。
「えっ……?」
「シリコンスーツを脱ぐ前に、その上からラバースーツを着てみてよ。麗子がどんなにそれを好きなのか、俺もちゃんと知りたいんだ。」
一瞬、麗子の目が大きく見開かれた。
(……一平が、ラバースーツの姿の私を見たいって……?)
これまで「気持ち悪がられる」と思い込み、隠し続けてきた趣味。
それを一平は拒絶するどころか、受け止めてくれた。
「……ほんとにいいの? 変な姿かもしれないよ?」
「いいさ。変なんかじゃない。俺は麗子の全部が見たいんだ。」
麗子は堪えきれずに笑顔をこぼし、涙ぐんだ。
「……ありがとう、一平。帰ったら……ちゃんと見せてあげる。」
二人は再び歩き出す。
手と手を強くつなぎながら、街の雑踏の中で笑い合った。
麗子にとって「外に出られる自分」を見せた日が、同時に「秘密の自分」を肯定してもらえた日でもあった。
そしてそれは――二人の絆を、さらに強く結び直す瞬間でもあった。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
「真白」〜〜雪と蛇の女〜〜
まへまへ
キャラ文芸
恋愛ファンタジー小説です。
本作品の画像は全て生成AIを使用しております。
信州の雪深い山中で、母とともに小さなロッジを営む青年・一朗。
父を雪崩で亡くし、幼なじみをかばって手に傷を負った過去を抱え、静かに、淡々と日々を生きていた。
そんな彼の前に、ある日“白い蛇”が現れる。
罠にかかっていたその蛇を助けた夜から、運命は静かに動き出した。
吹雪の晩、ロッジに現れた少女――名を「真白」。
彼女は、あの日の白蛇だった。
純粋で無垢、けれどどこか懐かしい。
人の姿を得た彼女は、初めて知る「世界」に心を震わせ、一朗のそばで少しずつ“人間”を学んでいく。
雪に閉ざされた山のロッジで生まれた、人と白蛇の奇跡の絆。
過去の痛みと孤独を包みこむように、真白は優しく一朗の心に灯をともしていく。
けれど、やがて訪れる春が二人に突きつける――「蛇としての運命」と「人としての願い」。
白い雪の中で出会い、心を通わせた一朗と真白の、静かで切ない恋の物語ですが、ラバーフェチ要素やちょっとR15な要素(まへまへらしさ)が中盤以降登場しますので、、、。笑
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる