【R18】【挿絵多い】異形の彼女 

まへまへ

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第14話 ラバースーツの誘惑

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ショッピングモールの明るい通路を歩いていた二人。

ブランドの洋服や靴、アクセサリー……どの店も華やかで、麗子は目を輝かせていた。

だが、その中にひときわ異彩を放つ店があった。

マネキンが着ているのは、艶やかな黒いラバースーツ。

スポットライトに反射し、まるで濡れたように輝いている。麗子の足が、一瞬だけ止まった。

視線は吸い寄せられるようにラバースーツへ――。
(……だめ。見ちゃだめ。今は普通の女性として一平と一緒にいるんだから。)

そう心でつぶやきながらも、目は離せなかった。

~~ 一平の気づき ~~

「……麗子?」

横に立つ一平が、彼女の視線の先に気づいた。

艶やかな黒いスーツを見つめるその瞳。

一平はハッとした。

――そうだ。麗子には秘密があった。

あの“異形の姿”のまま、密かにラバースーツを着て楽しんでいたこと。

記憶が胸の奥に甦り、彼はそっと彼女の手を握った。

「……ごめんね、一平。」

麗子は俯きながら小さくつぶやいた。

「やっぱり……好きなの。ああいうの。変だって思うでしょ?」

一平は首を横に振り、優しく笑った。

「変なんかじゃないよ。俺は知ってる。麗子が隠してきたことも、頑張って普通に見せようとしてることも。でも……それも全部、麗子だから。」

麗子の瞳に、涙がうっすら浮かぶ。

「……ありがとう。」

店の前を通り過ぎながら、二人はそっと見つめ合った。

それは「秘密を共有できる幸せ」を改めて確かめた瞬間だった。

ラバースーツの店を通り過ぎたあとも、麗子は心の奥でドキドキが止まらなかった。

「……やっぱり、私……まだラバースーツのこと、忘れられない。」

小さな声でつぶやくと、一平は立ち止まり、彼女をじっと見つめた。

「麗子。」

「……なに?」

一平は少し照れくさそうに笑いながらも、真っ直ぐに言葉を紡ぐ。

「今日は俺の理想の女性になってくれたろ? だから、帰ったら……今度は麗子の好きな姿を見せてほしい。」

麗子は瞬きを繰り返した。

「えっ……?」

「シリコンスーツを脱ぐ前に、その上からラバースーツを着てみてよ。麗子がどんなにそれを好きなのか、俺もちゃんと知りたいんだ。」

一瞬、麗子の目が大きく見開かれた。

(……一平が、ラバースーツの姿の私を見たいって……?)

これまで「気持ち悪がられる」と思い込み、隠し続けてきた趣味。

それを一平は拒絶するどころか、受け止めてくれた。

「……ほんとにいいの? 変な姿かもしれないよ?」

「いいさ。変なんかじゃない。俺は麗子の全部が見たいんだ。」

麗子は堪えきれずに笑顔をこぼし、涙ぐんだ。

「……ありがとう、一平。帰ったら……ちゃんと見せてあげる。」

二人は再び歩き出す。

手と手を強くつなぎながら、街の雑踏の中で笑い合った。

麗子にとって「外に出られる自分」を見せた日が、同時に「秘密の自分」を肯定してもらえた日でもあった。

そしてそれは――二人の絆を、さらに強く結び直す瞬間でもあった。

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