【R18】【挿絵多い】ラバーマスクガール

まへまへ

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第20話 フロアショー

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フロア中央の特別席。

重厚なソファに腰掛けた男がいた。

黒のスーツを纏い、指先でグラスを軽く揺らしている。

その存在感だけで場の空気が張り詰め、他の客もキャストも無意識に距離を取る。――店のオーナーだ。

ハルカはバックヤードのカーテンの陰から、その姿を見て心臓が跳ねるのを抑えられなかった。
(……オーナー……私頑張る!………)

アキが隣に立ち、低く囁いた。

「大丈夫。もし無理なら、合図して。――ほら、深呼吸」

ハルカは頷き、ラバーマスクの内側で息を整えた。
(……できる。私ならできる)

その瞬間、フロアに響く声。

「……ハルカを呼べ」

店長が軽く合図すると、視線が一斉にハルカへ向けられた。

一歩、二歩。



ラバーのヒールが床を叩くたびに、身体の奥から熱がこみ上げる。

オーナーの前に立った瞬間、その眼差しに射抜かれる。

まるで鎧のようなラバーも、すべて見透かされてしまうようで――ハルカの背筋がぞくりと震えた。

「……お前か」

オーナーの口元に、わずかな笑み。

「いい顔だ」

グラスをテーブルに置き、指先でハルカを示す。

「私の前で、まずは――お前がどんな女かを見せてみろ」

ラバーの光沢に照明が反射し、ハルカの身体を艶やかに浮かび上がらせる。

心臓は激しく鼓動しているのに、不思議と声は震えなかった。

ハルカは膝をついて手を広げながら倒錯する。そして伝える。

「……私は、この姿でいるとき、全身を包まれて――いつも興奮しています」



フロアのざわめきが、ふっと静まった気がした。

ハルカはオーナーをまっすぐ見つめる。マスク越しの瞳に、熱が宿る。

「私を……見てほしいんです。もっと……もっと見てほしい」

オーナーは腕を組み、口元に笑みを浮かべた。

「ほう……自分からそう言うか」

背後でアキが、わずかに息を呑む気配。

だが止めようとはしない。

それどころか、誇らしげな視線を送っているようにさえ感じられた。

オーナーはゆっくりとグラスを持ち上げ、琥珀色の液体を口に含む。

「気に入った。――なら、証明してみろ」

指先が軽くテーブルを叩く。

「この場にいる誰よりも、お前が“見られるための女”だと、私に示してみせろ」

ハルカの胸の奥で、恐怖と高揚が絡み合い、さらに熱を帯びていく。
(――見られたい。見せつけたい。私の全部を……)



オーナーの低い声がフロアに響いた。

「示せ――お前が“見られるための女”だと」

ハルカは一瞬だけ目を閉じ、ラバーマスクの内側で息を整える。

(私を見て……全部、見てほしい……)

ラバーグローブをかけた指先が、首元のファスナーへと伸びる。

静寂の中、ジリ……と金属の音が響く。

赤いカラコンの目が照明に反射して輝く。次の瞬間、黒いラバーが割れ、奥から生身の白い肌がのぞく。



胸元が大きく開かれた瞬間――

「はぁ……♡」


吐息とともに、ラバーに抑え込まれていた双丘が解放され、露わになった。

照明の下で輝く乳房。

ハルカはそれを両手で寄せ上げ、オーナーへ突き出すように見せつける。

「見てください……これが、ラバーに包まれて熱くなった、私の胸……♡」

「あなたに……一番いやらしい私を見てもらいたい……♡」

その言葉に、フロアの空気がざわめきに変わる。

周囲の客が一斉に視線を注ぎ、ざわざわと息を呑む気配が広がる。

テーブル脇に控えていたアキが、思わず肩を震わせた。
(……ハルカ、そこまで……!?)

しかしオーナーは笑みを深め、満足げに頷く。

「ほう……いい。客ども全員の視線を浴びながら、そうして自分を差し出すのか」

ハルカは頬を紅潮させ、震える声でさらに続けた。

「視られるのが……快感なんです……♡
 あなたに……この身体を……もっと汚してほしい……♡」

フロア全体の空気が、いやらしい熱気で満ちていく。

オーナーはグラスを置き、ゆっくりと立ち上がった。

「――よし。次は、この女の“本当の価値”を引き出してやろう」

オーナーの声が、フロア全体を支配するように響いた。

「……アキ。ハルカの胸を揉んでやれ」

一瞬、空気が凍りついた。

アキは硬直し、ハルカを見つめる。

「……っ」

だが、オーナーの鋭い視線に射抜かれると、拒む余地などなかった。

ラバーグローブをはめた手を震わせながら、ハルカの胸へと伸ばす。

「……ごめん。」

アキが囁くように言った瞬間――

むにゅ、と柔らかな感触が掌を満たした。

「んっ……♡」
ハルカの口から色っぽい声が漏れる。

アキは、次の瞬間に違和感を覚えた。
(……これは……)

強く揉みしだいたとき、わずかな弾力の違い――それは、ハルカが身につけた“シリコンバスト”だと気づく。

マスクの奥で目を細め、クスッと笑った。

「……ふふ、ずいぶんいやらしい胸ね。偽物だって、こんなに淫らに震えるんだ……♡」

わざと大きく、いやらしい声を混じえながら、アキは胸を揉みしだく。

左右を押しつぶし、指先で乳首の位置を責めるように扱く。

「ひあっ……♡ そ、そんなこと言わないで……♡
 でも……気持ちいいの……♡ もっと……もっと見てください……♡」

ハルカも快楽に乗せられるように、淫らな言葉を返した。

観客のような周囲の客が一斉に息を呑み、フロアに熱が満ちていく。

オーナーはソファにもたれ、満足そうに腕を組んだ。

「いい……実にいい。二人とも、そのまま続けろ」

フロアは完全に二人の舞台となり、熱気と倒錯の渦に包まれていった。

アキのラバーグローブが、胸の膨らみをいやらしく揉みしだくたびに、
「偽物だ」――とわかっているはずなのに、ハルカの身体は熱を帯びていった。
(……だめ……これ、演技のはずなのに……)

順子としての自分が心の奥で必死に訴える。

――悟にだけは、こんな姿、絶対に見せられない。

――でも……ハルカとしてなら……?

胸を揺さぶられる感覚は、シリコン越しであるはずなのに、その「見られている」という意識が全身をゾクゾクさせる。

(私、見てほしい……。誰よりも、強く……。
 ラバーマスクの奥の私が、本当の私だって……)

マスクに覆われた頬は熱く、呼吸は乱れていく。

羞恥で心臓が早鐘を打ち、けれど同時に、

「快感に溶けてしまいたい」という衝動が身体を支配していく。

「んっ……あっ……♡ も、もっと……見て……!」

気づけば、順子自身の声が漏れていた。

ハルカとして振る舞っているはずなのに、その奥から順子の本音が溢れ出してしまう。

アキはわざと観客に聞こえるような声で囁いた。

「……ほら、もっと淫らに鳴いてみせなさい。あなた、こうされるのが……たまらないんでしょう?」

「ち、違っ……違うのに……っ♡」

心で必死に否定しても、声は艶を帯び、ラバーマスクの奥の順子は、自分が“ハルカ”に飲み込まれていく恐怖と快感に震えていた。

――順子である自分を、完全に失ってしまうのではないか。

――けれど、その堕ちていく感覚がたまらなく甘美に思えてしまう。

羞恥と快楽の狭間で、ハルカは観客の視線を浴びながら揺れ動いていた。

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