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第50話 『ボクの彼女は、教室でキスをした。後編』 

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Scene.03 夜のグループLINEと「チーム名」の話

 その日の夜。悠真が風呂上がりに髪を乾かしていると、スマホがピロンと通知音を鳴らした。

 ──【SMS】グループチャット(5)

 表示されたのは、彩花が作ったバイク仲間のグループLINE。参加者は、結、凛、悠真、彩花、そして琴音は課題があるとかで欠席。事件の余波でざわついた昼間が嘘のように、スマホ画面からはほんのりと温もりが伝わってくるようなやり取りが始まっていた。



彩花:
なぁなぁ、折角ウチらも一つにまとまってきたしさ、チーム名考えへん?

結:
チーム名って、必要あるの?

彩花:
別に無くてもええけどな!でも今のウチらの絆を形にするって意味では、あってもええかなって……って、何恥ずかしいこと言わせんねん!!

凛:
出た、彩花の一人ノリツッコミ。

結:
何処かの自転車漫画かアニメのセリフだよねそれ。

彩花:
う、うっさいわ!!

悠真:
でも、そういうのって素敵です!チーム名ってちょっと憧れてたかも……。でも、どんな名前にするんですか?

彩花:
ふっふっふ。ウチが考えとるチーム名、それは……
SMS!
しまなみ・ミニマム・スロットルズ!!(ドヤァ)

凛:
うわぁ……

悠真:
何か、可愛くないです……

彩花:
ウチらの十代バカップル、手厳しいわぁ~~!!
助けてぇドラ○もん~じゃ無くて結ちゃ~~ん!!

凛:
誰がバカップルよ誰が!!

結:
あはは……。だからグルチャのタイトルが【SMS】なんだ。で、琴音ちゃんはどんな反応だったの?

彩花:
二人と同じで「ええぇ~」ってなってたわ。

結:
あ~、そうなんだね。

彩花:
というわけで。ここはウチらのリーダー、結ちゃんに考えてもらおうと思うんやけど……どや?

凛&悠真:
異議無~し!!

結:
えぇ!? いつから私がリーダーになったの!?

彩花:
何言うてんの。皆、結ちゃんを中心に集まってきたんやで?
あんたには、それだけのカリスマがある。そこは自信持ちぃや。
何だかんだ言うて琴音も、あんたをめっちゃ慕っとるし。

結:
琴音ちゃんが……?

彩花:
あの子がPCX買ったんはな、凛ちゃんらと仲良うなったのもあるけど、一番は結ちゃんと走りたかったからや。
ウチんとこ帰ってきても、よう結ちゃんの話しとるんやで。
……姉としては、ちょっと複雑やけどな。

結:
そ、そうだったんだ……。わかった、リーダーは置いといて、とりあえず私なりに考えてみるね。

彩花:
その意気や! 頼んだで~!!

凛:
結だけに丸投げするのもかわいそうだし、あたしも一緒に考えようか?

結:
ありがとう!でも気持ちだけ受け取っておくね。

凛:
そ、そっか……。でも行き詰まったら、遠慮なく相談して。

悠真:
凛だけじゃなくて、ボクにも相談してくださいね!

結:
ありがと~! 二人とも優しいっ!

彩花:
おいコラ待てやぁ!!
それじゃウチだけ優しくないみたいやんか!

結:
あっ、彩花さんいたんだ。

彩花:
おったわ!!



 笑い合うようなグループトークの画面を見ながら、悠真はふわりと笑った。

 ──ああ、自分は今、ちゃんと「ここ」にいるんだなって。

 誰かと走る日々。誰かに守られ、そして守りたいと思える日々。
 何もかもが、少し前の自分には想像もできなかった。

 でも今は、少しだけ、誇れる気がする。

 自分の隣に立ってくれた、強くて優しい恋人と。
 それを受け入れてくれる、かけがえのない仲間たちと。
 そして、少しずつ前に進もうとする、未来の自分と。



 こうして、夜は更けていった。
 今治の海に月が浮かび、また新しい朝へと風が吹く――。



 だが、それが事件の始まりだった。

To be Continued...
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