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守っていたはずのもの、これから守るもの
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守っていたはずのもの、これから守るもの
『終わったぞ。問題ないから先帰ってろ。』
母親が弁護士らしき人に連れて行かれるのを見た。最後まで足掻く母の姿を見て醜い。そう思ってしまった。
これで、よかったんだろうか。お母さんとメアはこれからどうやって生活するんだろう。私が、もう少し強ければ家族を守れたんだろうか。
(いや、家族なんてとうに壊れてたか....)
生まれた瞬間から壊れていた。そのことに気づかず何かを守っているつもりでいた。
私が守っていたものは、なんだったんだろう。
家に着いた。帰ることが怖くない家。
手を洗って、制服を脱いで、部屋着に着替えて。そしたら息ができる。
ピンポーン
「あ、レオ....すぐ開けるね...ってこれどうやるの」
「バカ、右側の上から2番目のボタンあるだろ。それ押すだけだ。」
「....開いた?」
「開いた。すぐ行く。」
モニター越しの顔に安心する。母親が校門前に来た時は血の気が引いたのに。
ドアをノックする音。
「レオ」
「おーす....……お前が俺の素の状態見て固まった理由が分かるわ.....」
緩い、コットンの部屋着。正直肩も落ちてるし袖も伸びていてよく考えたらこれで出る方が恥ずかしいのだけど。
「私レオみたいにメガネでもないんだけど....」
「部屋着の緩いの、やばい。俺耐えれんのか....」
何やら呟いて空を仰いでいるレオだが玄関で止まってしまっている。
「とにかく入ったら?」
「ああ、お邪魔します」
「私がお邪魔してるみたいなもんなんだけど。」
「気にすんな。もうお前の家だ。」
「気は抜かしてもらってる。」
「抜け。抜いて抜きまくれ。家具とか、どうだ?」
「使いやすいのばっかりで、ほんとに助かってるよ。」
「一緒に選びたかったんだが、当面住むのはお前とライだしな。同棲の時は一緒に買いに行こう。」
こともなげに未来の話をする。そのことが嬉しくて、でもやっぱり少し怖い。
「レオお腹まだ空いてないよね?」
「ああ。夕飯、何か決めてたのか?」
「カレーにしようかと思ってたんだけど...レオ好き?」
「日本のか?」
「ううん、インド系。」
「何度か食べたことある。好きだぞ。」
「じゃあそれで。材料後で買いに行かなくちゃ。」
「一緒に行くか。ここなら学校からも遠いし見られねえだろ。」
「そうだね。」
「それなら行こうぜ。一回座ったら出たくない。」
「確かに。行こ。」
サンダルをつっかけて、外に出る。こうやって部屋着で手を繋ぐと、本当に近くなったみたいで、変な感じがする。
こちらを向いたレオが、嬉しそうに笑った。
「やべえ、スーパー行くのが楽しみとか俺おかしいわ。」
「私もなんか楽しみ。これがデートでもいいくらい。」
「たまにはアリかもな。趣味に料理追加するか。」
「レオってお菓子作ったりはしないの?」
「しねえなぁ。....食べてみたいか?」
「なんか上手そう。器用だし。」
「今度やってみるわ。お前は作らねえの?」
「私お菓子作りはほんっとダメで....絶対順番間違えたり何か入れ忘れたりするのよ....」
「料理は上手いのにな。」
「料理は順番ミスっても適当に美味しくなればOKじゃない?それがお菓子は許されないの。」
「お菓子は繊細だからなあ。そこがいいんだけど。よし、着いたな。」
「このスーパー初めてだけど何が安いんだろ....」
「今日は気にすんなよ。引越し祝いで俺が出すから。」
「いや、逆に気にするから。とにかく入ろ。」
『終わったぞ。問題ないから先帰ってろ。』
母親が弁護士らしき人に連れて行かれるのを見た。最後まで足掻く母の姿を見て醜い。そう思ってしまった。
これで、よかったんだろうか。お母さんとメアはこれからどうやって生活するんだろう。私が、もう少し強ければ家族を守れたんだろうか。
(いや、家族なんてとうに壊れてたか....)
生まれた瞬間から壊れていた。そのことに気づかず何かを守っているつもりでいた。
私が守っていたものは、なんだったんだろう。
家に着いた。帰ることが怖くない家。
手を洗って、制服を脱いで、部屋着に着替えて。そしたら息ができる。
ピンポーン
「あ、レオ....すぐ開けるね...ってこれどうやるの」
「バカ、右側の上から2番目のボタンあるだろ。それ押すだけだ。」
「....開いた?」
「開いた。すぐ行く。」
モニター越しの顔に安心する。母親が校門前に来た時は血の気が引いたのに。
ドアをノックする音。
「レオ」
「おーす....……お前が俺の素の状態見て固まった理由が分かるわ.....」
緩い、コットンの部屋着。正直肩も落ちてるし袖も伸びていてよく考えたらこれで出る方が恥ずかしいのだけど。
「私レオみたいにメガネでもないんだけど....」
「部屋着の緩いの、やばい。俺耐えれんのか....」
何やら呟いて空を仰いでいるレオだが玄関で止まってしまっている。
「とにかく入ったら?」
「ああ、お邪魔します」
「私がお邪魔してるみたいなもんなんだけど。」
「気にすんな。もうお前の家だ。」
「気は抜かしてもらってる。」
「抜け。抜いて抜きまくれ。家具とか、どうだ?」
「使いやすいのばっかりで、ほんとに助かってるよ。」
「一緒に選びたかったんだが、当面住むのはお前とライだしな。同棲の時は一緒に買いに行こう。」
こともなげに未来の話をする。そのことが嬉しくて、でもやっぱり少し怖い。
「レオお腹まだ空いてないよね?」
「ああ。夕飯、何か決めてたのか?」
「カレーにしようかと思ってたんだけど...レオ好き?」
「日本のか?」
「ううん、インド系。」
「何度か食べたことある。好きだぞ。」
「じゃあそれで。材料後で買いに行かなくちゃ。」
「一緒に行くか。ここなら学校からも遠いし見られねえだろ。」
「そうだね。」
「それなら行こうぜ。一回座ったら出たくない。」
「確かに。行こ。」
サンダルをつっかけて、外に出る。こうやって部屋着で手を繋ぐと、本当に近くなったみたいで、変な感じがする。
こちらを向いたレオが、嬉しそうに笑った。
「やべえ、スーパー行くのが楽しみとか俺おかしいわ。」
「私もなんか楽しみ。これがデートでもいいくらい。」
「たまにはアリかもな。趣味に料理追加するか。」
「レオってお菓子作ったりはしないの?」
「しねえなぁ。....食べてみたいか?」
「なんか上手そう。器用だし。」
「今度やってみるわ。お前は作らねえの?」
「私お菓子作りはほんっとダメで....絶対順番間違えたり何か入れ忘れたりするのよ....」
「料理は上手いのにな。」
「料理は順番ミスっても適当に美味しくなればOKじゃない?それがお菓子は許されないの。」
「お菓子は繊細だからなあ。そこがいいんだけど。よし、着いたな。」
「このスーパー初めてだけど何が安いんだろ....」
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「いや、逆に気にするから。とにかく入ろ。」
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