56 / 79
温かいお菓子の意味
しおりを挟む
温かいお菓子の意味
泣いても目が赤くなることがないセラだったが昨日は流石に泣きすぎたらしい。朝鏡を見れば目が赤くなっていた。
レオの言った言葉は、セラにとったら不思議でたまらなかった。嫌いにならないでいてくれて、待っていてくれる人。心は、少し軽くなった。あんなに怖いと思っていた気持ちは無くなった気がする。あとは、私が選ぶだけ。
仕事は順調に進んだ。改善案が評価されて一部取り入れることとなりその細かい打ち合わせに参加させてもらえることになった。細かいこととなるとまだ分からない部分が多く、学ばなければならないと午後は学びに時間を費やすことを許可してもらった。グレータは、セラの赤い目にも何も聞かずにいてくれた。最後、仕事が終わる直前、グレータが聞いた。
「仕事は楽しい?」
「そうですね……楽しいと言えるかどうかは分かりませんが、まだまだ未熟なのでやることだらけです。」
「セラちゃんは真面目よね。きっと何をやっても成功するわ。」
「そんなことはないと思いますが……」
「うちは純粋にセラちゃんが欲しいわ。その能力を買ってね。でもセラちゃんは、それで嬉しいの?」
「嬉しい……かは分かりませんが有難いと思います。」
「貴女は生活ベースで考える癖があるわね。まだ18なのに。」
「確かにそれはそうですね。生きなければならなかったので。」
「過去形?」
ハッとする。生きなければならないと追い詰められていたことがいつの間にか過去になっていたということに。
「あ……今も、かもしれません。」
「いいえ、違うわ。今貴女は選べる立場にいるのよ。初めて、普通の18歳のまだ未来ある女の子として。」
何が、言いたいのだろう。レオと何か話したんだろうか。
「……私には贅沢な話です。」
「他の18歳の子は親から当然のようにその権利を享受するわ。貴女はたまたま親でなかっただけ。セラちゃん、私がお菓子を今あげたいといったら受け取ってくれる?」
「そう、ですね……有り難くいただきます。」
「それはお菓子が好きだから?それとも断ったら失礼だと思ったから?」
「どちらもでしょうか。」
「お菓子は小さいから判断が簡単よね。でも断ると失礼は間違ってるわ。私は食べて欲しくてあげてるんだもの。」
「……そう、思うのは少し難しいです。」
「ええ。だからはい、お菓子。ここのじゃないけど、美味しいわよ。」
渡されたお菓子を食べると魔法でもかかっているかのように温かい気持ちになった。
「ありがとうございます。」
「また次もあげるから貰ってね。美味しく食べてくれたら嬉しいわ。」
そう言って、グレータは微笑んだ。
泣いても目が赤くなることがないセラだったが昨日は流石に泣きすぎたらしい。朝鏡を見れば目が赤くなっていた。
レオの言った言葉は、セラにとったら不思議でたまらなかった。嫌いにならないでいてくれて、待っていてくれる人。心は、少し軽くなった。あんなに怖いと思っていた気持ちは無くなった気がする。あとは、私が選ぶだけ。
仕事は順調に進んだ。改善案が評価されて一部取り入れることとなりその細かい打ち合わせに参加させてもらえることになった。細かいこととなるとまだ分からない部分が多く、学ばなければならないと午後は学びに時間を費やすことを許可してもらった。グレータは、セラの赤い目にも何も聞かずにいてくれた。最後、仕事が終わる直前、グレータが聞いた。
「仕事は楽しい?」
「そうですね……楽しいと言えるかどうかは分かりませんが、まだまだ未熟なのでやることだらけです。」
「セラちゃんは真面目よね。きっと何をやっても成功するわ。」
「そんなことはないと思いますが……」
「うちは純粋にセラちゃんが欲しいわ。その能力を買ってね。でもセラちゃんは、それで嬉しいの?」
「嬉しい……かは分かりませんが有難いと思います。」
「貴女は生活ベースで考える癖があるわね。まだ18なのに。」
「確かにそれはそうですね。生きなければならなかったので。」
「過去形?」
ハッとする。生きなければならないと追い詰められていたことがいつの間にか過去になっていたということに。
「あ……今も、かもしれません。」
「いいえ、違うわ。今貴女は選べる立場にいるのよ。初めて、普通の18歳のまだ未来ある女の子として。」
何が、言いたいのだろう。レオと何か話したんだろうか。
「……私には贅沢な話です。」
「他の18歳の子は親から当然のようにその権利を享受するわ。貴女はたまたま親でなかっただけ。セラちゃん、私がお菓子を今あげたいといったら受け取ってくれる?」
「そう、ですね……有り難くいただきます。」
「それはお菓子が好きだから?それとも断ったら失礼だと思ったから?」
「どちらもでしょうか。」
「お菓子は小さいから判断が簡単よね。でも断ると失礼は間違ってるわ。私は食べて欲しくてあげてるんだもの。」
「……そう、思うのは少し難しいです。」
「ええ。だからはい、お菓子。ここのじゃないけど、美味しいわよ。」
渡されたお菓子を食べると魔法でもかかっているかのように温かい気持ちになった。
「ありがとうございます。」
「また次もあげるから貰ってね。美味しく食べてくれたら嬉しいわ。」
そう言って、グレータは微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?
akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。
今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。
家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。
だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?
借りてきたカレ
しじましろ
恋愛
都合の良い存在であるはずのレンタル彼氏に振り回されて……
あらすじ
システムエンジニアの萩野みさをは、仕事中毒でゾンビのような見た目になるほど働いている。
人の良さにつけ込まれ、面倒な仕事を押しつけられたり、必要のない物を買わされたり、損ばかりしているが、本人は好きでやっていることとあまり気にしていない。
人並みに結婚願望はあるものの、三十歳過ぎても男性経験はゼロ。
しかし、レンタル彼氏・キキとの出会いが、そんな色の無いみさをの日常を大きく変えていく。
基本的にはカラッと明るいラブコメですが、生き馬の目を抜くIT企業のお仕事ものでもあるので、癖のあるサブキャラや意外な展開もお楽しみください!
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる