私と神様と時々おっさん

花雨

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 京花の奮闘記

 京花のとある1日③

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 私、青空京花には必ずするルーティンがある…

 お風呂に入った時、顔だけ水面から出し、内側からパタパタとフタを閉め、迫りくる水の恐怖を自ら演出するのだ♪♪
 この絶対パニック感がたまらないのだ♪♪
飽きてきたら、アマゾンの奥地の洞窟で大冒険している設定に変えたりもする…。


   10年前…

 やっぱり、お風呂入った時は絶対これだね♪♪
 今日はアマゾンの洞窟にしよう♪♪


 京花…京花…あれ??
 あの子いないわね…
 そしたら私、お風呂入ろうかしら…

 …ママだ!!今フタ開けられたらめっちゃ…気まずいやん…!!!
 お願いだから開けないで!!現実のパニック感は私求めてないの!!


 だが無情にもフタ開けられる…

 しかし人間とは不思議なものだ…絶対的、危機に直面した時、それに瞬時に対応するのだ…人間だけではない。他の生物も危機が迫るとその環境に適応し、時には形すら変えて進化してきたのだ…
 むろん京花も例外ではなかった…

 わー!!!ママー!!!ビックリしたー??!!!

 京花!!!ビックリさせないでよ!!……

 ママったらいつまで経ってもフタ開けてくれないんだもん♪♪
 待ちくたびれちゃったよ♪♪

 …まったく、あなたって子は…♪

 テヘ♪♪♪


 乗り越えたぞ!!!この絶対的危機感を!!!
 乗り越えてみせたぞ!!!

 そして足早に京花は自分の部屋に戻るのであった…

         作:花雨








 お父さん…お父さん…京花がお風呂で顔だけ水面から出してフタを閉めていたの…
 あの子、機転きかせて驚かせるフリするから、私も騙されたフリしたけど……あの子大丈夫かしら…。

 …。京花にはその話に触れるな…
 人には一つや二つ、言えない秘密ぐらいあるだろ…

 京花の家の壁は薄く、丸聞こえだった…
 そして京花はフトンを頭から被り、全て何もなかったという暗黒空間を自ら演出するのであった…



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