≪花の降る午後≫

dreams

文字の大きさ
22 / 31

≪焼く都市伝説≫

しおりを挟む
今年も、この季節がやって来た!

「や~~~~きいも~~~~ぉ、いしや~~~~きいも~~~~ぉ📣」

それは、この地では知らぬ者がいない、伝説の焼き芋屋である。

しかし…

この焼き芋屋、いまだかつて誰も買えた者がいないのだ!

あの声が聴こえると、今年こそは!我こそが記念すべき1番最初の購入者になろう!と、手の空いてる者は各々思い思いの武器を持って、焼き芋屋捕獲に勤しむ❗

さしずめ、その光景はマンモス捕獲の為に、取り囲む原始人のよう。

「いしや~~~~」

『よし、あっちだ❗』

『あの、ビルの裏だ❗回り込め‼️』

「そっちじゃないよ!こっちだよ!いしや~~~~きいも~~~~ぉ📣」

『くそッ‼️ダミーか❗』

『お前はあっちを頼む❗俺はこっちを探す‼️』

「移動販売を始めてから、一度も捕まった事の無い、いしや~~~~きいも~~~~ぉ📣」

年の中でも、その目撃情報は1度あるかないか。

マンモス捕獲に例えられるのも、あながち間違いでもなく、その捕獲手段は

▼遠くから弓矢で狙う!
▼崖に追い詰める!
▼落とし穴に落とす!
▼近距離から、火や槍や斧で仕留める!

と、ほとんど同じである。

「や~~~~きいも~~~~ぉ、いしや~~~~きいも~~~~ぉ。捕まえられるもんなら、捕まえてみな~~~~❗😁」

一時は、道路という道路を封鎖し数百人からなる警察官総動員で、追い込み猟型の捕獲を試みた事もある!

しかし、捕まらなかった。

するりするりと、巧妙にその網をくぐり抜け逃げてしまうのだ。

いつしか、国も捕獲に予算を割くのは無駄だとの判断か、それは行われなくなり、以降は複数の勇気ある個人の有志が捕獲に挑む形となった。


「や~~~~きいも~~~~ぉ、今日は蜜たっぶりの安納芋も焼いてるよ~~~~。いしや~~~~きいも~~~~ぉ📣」

『チキショー!安納芋、焼いてたって買えねぇーじゃねぇーかよッ‼️💢💢』

「鬼さんコチラ、手の鳴る方へ~。早くしないと売り切れちゃうよ~~~~ぉ(笑)📣」

『バカヤローッ❗手の鳴る方へ行ったら、社交ダンスのダンス教室でジジババしかいなかったじゃねぇーかッ‼️💢💢』


「や~~~~きいも~~~~ぉ、いしや~~~…、あ。ありがとうございます。紅芋2本と安納芋1本で合計2600円になりまーす📣」

『か、買ったのか?誰か買ったのか⁉️👀』

「なんてね~~~~。買えるもんなら買ってみな~~~~😭(笑)」

今日も、のら~りくら~りと余裕綽々で切り抜ける!

俺は買った事があるという人物に話を聞いた事がある!

買った人間は、連れて行かれ二度と戻って来なくなった!

焼き芋売りは、のっぺらぼうだ!イケメンだ!人間ではなかった!

その芋は、桃源郷の桃と同じく美味し過ぎて、そして不老長寿にあやかれる!

…等々、様々な噂が飛び交う❗

そのレア度は、砂金集めか?スカイフィッシュか?ツチノコか?徳川埋蔵金か?

今宵も、ビルの間に間に響く魔性の声

「や~~~~きいも~~~~ぉ、今なら1本買ったら1本サービス💡、いしや~~~~きいも~~~~ぉ📣焼き立て❗😁(笑)」

。。。。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

◆アルファポリスの24hポイントって?◆「1時間で消滅する数百ptの謎」や「投稿インセンティブ」「読者数/PV早見表」等の考察・所感エッセイ

カワカツ
エッセイ・ノンフィクション
◆24h.ptから算出する「読者(閲覧・PV)数確認早見表」を追加しました。各カテゴリ100人までの読者数を確認可能です。自作品の読者数把握の参考にご利用下さい。※P.15〜P.20に掲載 (2023.9.8時点確認の各カテゴリptより算出) ◆「結局、アルファポリスの24hポイントって何なの!」ってモヤモヤ感を短いエッセイとして書きなぐっていましたが、途中から『24hポイントの仕組み考察』になってしまいました。 ◆「せっかく増えた数百ptが1時間足らずで消えてしまってる?!」とか、「24h.ptは分かるけど、結局、何人の読者さんが見てくれてるの?」など、気付いた事や疑問などをつらつら上げています。

処理中です...