室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

僕の邪魔をする気なら──…

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────────………
────…

――…パァンッ


 カンッ!
          コロコロ…


弾が床に転がる--


「…新しく結成されたスネークのメンバーか?まさか、壁際に隠れていたとはな」


転がる弾と共に崩れ落ちていくのは、まだ若い男‥

「それとも、こういうべきか…

元中国マフィアのファミリーで、"崙"の部下だった裏切り者」


地下であるため、岬の声はより反響する。その岬の言葉に地面に臥せる男は悔しげに顔を歪ませる。


「あいにく、僕は君を相手にしているほど暇ではありません。思わぬ貴方の奇襲で学園長を逃がしてしまったんですから…。ですが、まぁ足の急所を狙いましたし、それに……その出血の量を見れば動けないことは、明白。

僕は崙とは知り合いですが、これは崙と貴方の問題。僕は関わる気は、これっぽっちもありませんので…とどめは刺しません。これ以上、邪魔をする気なら容赦しませんがね…」


とりあえず、貴方には眠っててもらいます、と岬は動けない男の首に素早く手刀を下ろした。

「…見失いましたか」

――…コツコツコツ、


男の意識を失くさせた後、逃げた学園長の後を追って、薄暗い道を歩く岬は時おり、ズレ落ちる眼鏡を押し上げ…


ただ、ひたすら歩いていた。


歩くごとに、目に映るたくさんの牢屋は年代が古いのか所々錆びていてボロボロだった‥

うっかり指が触れてしまえば、たちどころに柵が崩れるんじゃないかと思うほど───。



歩くに連れ、しだいに年代が古いモノばかりに姿を変えていく元鉄格子で囲まれた牢屋。

辺りは人の気配さえ感じないほどに静かだ。最初は警戒していた岬だが、何となく錆びた牢屋の奥に人の気配を感じた岬はそこに足を忍ばせた。


  ───その瞬間、

気配を感じた姿を目で捉えた岬は驚いてしまった。そして、その岬の一瞬の隙を反対側の牢屋に潜んでいた学園長が見逃す筈がなかった。
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