485 / 516
第1章 月森ヶ丘自由学園
下克上と地獄
ぶるっ…
(…お、おかしいですね。なぜ急に寒気が…それに何故か脳内で警報が鳴り響いて止まないのですが‥)
シフォンは、密かに感じるこの冷気ともいえるこの感覚を以前にも感じたことがあったのを思い出す
(Σはっ!!そうです!この感じはっ…!!)
「た…た‥いちょ、う…?」
そう尋ねるシフォンの顔には冷や汗が滲み出る
岬は、シフォンの声が聞こえなかったのか、無言。閉じていた目を開けた‥
そして、そんな岬の口から発せられた声は…
「…オイ゙、誰に指図してんだ?あ゙!!?」
冷たく地を這うような低くドスの篭った声だった。
「「「……………」」」
その岬のただならぬ様子に一瞬にして、シーン…と静まり返る中、学園長は、は?え?と混乱している。それも当然。岬に暗示をかけたのは学園長自身、おまけに自分の配下についたと思い込んでいたのだから、尚更のことだった。
───だが、そんな学園長を見る岬の目にはしだいに苛つきが垣間見える‥
「ちっ…。下僕がっ調子乗ってんじゃねーよ!!」
バシィィィッ!!
何処から出したのか、岬は丈夫そうな革で出来た鞭を学園長の身体に振り下ろす
「ひぎゃぁぁ!!」
そして、間もなく聞こえる学園長の悲鳴
さらに…
「頭が高いっっ」
――ビシィィッ!!!!
今度は頭が高いと、岬は鞭を学園長の肩を打つ。
その岬の、まるで人が変わったような今現在のその、容赦ない恐ろしい光景に、その場にいた誰もが全身の血の気が引いていく…
それほどまでに、今の光景は、とてつもなく恐ろしいことになっていた。
「……ちょっとぉぉ!!?銀髪君!!あれ、誰ネ!? 」
顔を引き攣らせ、隣にいるシフォンに問うも、シフォンは青ざめながら答えた
「・・・正真正銘の隊長です」
「知らないネ!!あんな人、私、知らないヨ!ちがうネ。きっとボスの皮を被った他人アルっ!!」
その恐ろしい光景に崙は、あれは他人だと否定する。そんな彼らを差し置き、岬はというと…
「オイ、新米の下僕が!!礼儀がなってねぇんじゃねーの?」
ズレる眼鏡を指で押し上げる岬は、ガタガタと震える学園長を蔑んだ目で見据える‥
その岬の、性格も口調も何もかも変わってしまった変わり様に学園長は怖じけづく
「ちっ…新米が気が利かねぇな。オイっ 肩を揉め!!」
「ひ…は、はいぃーーっっ!!」
学園長は鞭を打たれるという恐怖からか、ビクビクしながらもその岬の命令に従う
「もういい。俺は喉が渇いた。茶」
「はいぃぃっっ!!!た、ただいま!!」
学園長は車からお茶のペットボトルを持って来ると尋常ならぬ汗を拭いながら岬に差し出した。
「き、霧島君!!お、おおお持ちしましたぁぁ!!!」
・・・が、
─ガッ!!─
岬は舌打ちし、学園長の残り少ない髪を掴み上げた。
「ぐ、ぐぁっ……い、いたっ…痛いぃっ!!!」
「オイ、新米の下僕ふぜいが名前を呼ぶな… 俺のことは、『ご主人様』と呼べ」
学園長の髪を力いっぱい掴み上げる岬は苦しげに顔を歪める学園長にニヤニヤと嘲笑う
チーン…
(お、恐ろしいっ!!な、なんて恐ろしいんだ!!!)
岬を下僕にするつもりが、逆に学園長が岬の下僕という立場、こんな筈じゃなかった…と嘆く学園長に、憐れみの視線さえ向ける人間もいた。
そう、岬にアルコール禁止令が出されているのは‥‥早い話、人が変わったようにサディスティックな性格になるからだった───。
「………」
「ちっ…シケた顔しやがって…オ゙ラッ もっと泣けよ!!」
げしげし…と学園長の頭を蹴りまくる岬に学園長は助けてくださいっ!!すみませんでした!!と、ひたすら岬に縋るように謝るけれど、
「あ゙ぁ!? 舐めたこと吐かしてんじゃねーよ!!下僕は下僕なりに地面に這っとけよ!!」
─ガンッ─
「ぐふーっっ!!」
再度、足を上げ、顔を踏むと鼻血を出し怯える学園長の髪を掴み、地面に叩きつけた--
「うがっ!!」
その学園長が痛みで苦しみ怯える姿に、岬は‥‥
「クックッ…いい。その歪める顔。痛いか?苦しいか?もっと、苦しめよ…?ははっ!!人が苦しむ姿ほど愉しいモノはないな。オ゙ラッ!もっと苦しめよ!!!」
ガンっと失神しつつある学園長を尚も蹴る岬、
それは、恐ろしい光景だった――‥。
あなたにおすすめの小説
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
目立たないでと言われても
みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」
******
山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって……
25話で本編完結+番外編4話
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
灰かぶり君
渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。
お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。
「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」
「……禿げる」
テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに?
※重複投稿作品※
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
聞いてた話と何か違う!
きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。
生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!?
聞いてた話と何か違うんですけど!
※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。
他のサイトにも投稿しています。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。