室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

お…おおお落ち着け!!

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───ビシィィッ!!!

「うわっ!!あ…、あっぶねぇーっ!!つか、お前ら助ける気、ゼロかよ!!?さりげなく、目を逸らそうとすんなっ!!!」


バシィィィッ!!!

「どわっっ!!いってぇぇーっ!!」


岬の攻撃を躱していた伊集院だったが、どうやら頬に鞭が掠ったようだ

たらっ…

掠った頬からは血が垂れる。


(ちょっ…マジで出血がハンパないんデスけど!?は?!何これっ!??掠っただけでこの血の量って……
ヤバくねぇ?もろに当たったら‥‥‥うわ゙っ 俺、マジで死なないか?ι)

頬に掠っただけだから良かったものの、それがもろに当たったときのことを考えると、伊集院は一気に顔を青ざめる。しかも、岬は次の構えをスタンバイしていて伊集院は慌てて後ろへ後退った。

「ま、まま待てっ!!お…おおお落ち着け!!つか、いい加減目を覚ませ!き、霧島、と‥とりあえず、は…早まるなっ 話せばわかるっ!!!」

ちょっ…マジでこれ以上は勘弁と伊集院はシフォンらに視線を送るが、

「し……じゃなかった。隊長はアルコールを口に含むと鬼畜のサディストになりますが、それも一瞬だけですよ。豹変が激しいだけあって酔いも醒めるのが早いんで…」

と、崙と同じくシフォンは他人事で。

「ほう?中々いい顔するじゃねぇか…。俺としてはもっと歪んだ顔を見たいところだが、その顔もまた、ぞくぞくするな…?」


その岬の言葉にこれ以上ないくらいに青ざめる伊集院はもはや倒れそうだ。

「もう、そろそろですね…」

「何が?銀髪君」

「隊長は、酔うとサディストというタチの悪い人にはなりますが、そのぶん酔いが醒めるのも早いんですよ。酔って鬼畜になって、散々暴れると…」

「………」


伊集院を追いかけ回していた岬は突如、走っていた足をピタッと止めた。

「ッ!?な、なんだ??」

突然、足を止めた岬にホッ…とするも伊集院は警戒しつつ、視線は岬へと向ける


「…ゔっ‥き、気持ちわる…ッ」

と、伊集院が目を向けた先には地面に膝をつき、口に手をあて苦しげに呻く岬の姿が───。

・・・は!?

「……なにがどうなってんだ?」


現状がイマイチ把握できていない伊集院は一瞬安堵するもすぐに怪訝げにその表情を曇らせた。
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