室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

文字の大きさ
500 / 516
第1章 月森ヶ丘自由学園

副室長サマはお怒りです。

しおりを挟む
「ひっ…!」

思わぬマコーネルの登場に青ざめたシフォンは小さく悲鳴をあげる。マコーネルは極めて無表情を努めているようだが、その額には青筋が浮かんでいる。

はっきり言って、マコーネルという人物を知る者には怖いとしか言いようがない


「……シフォン、貴方には後で話がありますので………覚悟しておくように」

学園長を取り押さえ、部下に引き渡すマコーネル、そして言い放たれたその言葉にシフォンは目の前が真っ暗になる…

(・・・終わった。確実にどやされるっ!!!)

「それから、お久しぶりですね。クリフェイド室長。ずいぶん長く遊んでいらしたようですが、私はシフォンのように甘くありませんので、即行、私と共に本国へ帰ってもらいますよ」

「知るか。大体、もう僕には関係のないことだ。僕に戻る気もなければ、マコーネルと帰る気もない。置き手紙に書いていただろ?それと、ついでにシフォンを連れて帰れ」

シフォンを差し出すクリフェイドにマコーネルの端正な眉が寄せられる

「こんな置き手紙、無効に決まっているでしょう!!第一、私が受理しません。さっさと本国へ戻りますよ。貴方には、今回の始末書と、溜まり溜まった仕事があるんですから」

マコーネルは、部下達に命令を下す

「彼を捕獲して下さい」


それを合図に部下達はマコーネルの指示の下にいっせいにライフル銃を構える

「君っ!!何をするつもりだ!!」

アクシオンはその光景に驚く

「別にどうもしませんよ。ただ、彼に少し眠ってもらおうかと思いまして‥‥。

あぁ、安心して下さい。これらのライフルは全てただの麻酔銃なので、なに、一時間程度の効き目ですので身体に害はありません。飛行機にさえ乗せてしまえばあとは連れて帰るだけですから」

淡々と告げるマコーネル。マコーネルは身体に害はないから大丈夫だと言うが、撃たれること自体が痛いことに変わりない

(何が大丈夫だ!?)

周囲の人間がマコーネルの言葉に凍りついた瞬間だった――‥。

「え、」

さすがのクリフェイドも、このマコーネルの強行手段に顔を引き攣らせた

が、勘違いをしてはならない。そのライフル銃が向けられているのは、あくまでクリフェイドのいる場所だ。

それは、すなわち‥‥‥

「あ…あの、マコーネルさん…? 気のせいでなければ、そのライフル銃って俺達にも当たるんじゃ…」

クリフェイド同様に同じく顔を引き攣らせるシフォンは恐る恐る聞く


「当たるのでは‥‥ではなく、当たりますよ当然。何故って? それは連帯責任だからです。室長と会話を交わしたにも関わらず、私に報告しなかったシフォン。それに、薄々、室長の正体を気づきつつあったマフィアのボス。

そして、勝手に室長の座を下りると置き手紙だけを残し、消えた室長…。」



「「貴方々、全員同罪に決まってるでしょう!!」」

そう告げたマコーネルは般若の如く怒っていた。
しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

王道学園に通っています。

オトバタケ
BL
人里離れた山の中にある城のような建物。そこは、選ばれし者だけが入学を許される全寮制の男子校だった。 全寮制男子校を舞台に繰り広げられる様々な恋愛模様を描いた短編集。

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

【完結】その少年は硝子の魔術士

鏑木 うりこ
BL
 神の家でステンドグラスを作っていた俺は地上に落とされた。俺の出来る事は硝子細工だけなのに。  硝子じゃお腹も膨れない!硝子じゃ魔物は倒せない!どうする、俺?!  設定はふんわりしております。 少し痛々しい。

うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。

春雨
BL
前世を思い出した俺。 外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。 愛が重すぎて俺どうすればいい?? もう不良になっちゃおうか! 少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。 説明は初めの方に詰め込んでます。 えろは作者の気分…多分おいおい入ってきます。 初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。 ※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫だと……思います(?) ※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。 もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。 なるべく全ての感想に返信させていただいてます。 感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます! 5/25 お久しぶりです。 書ける環境になりそうなので少しずつ更新していきます。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

第十王子は天然侍従には敵わない。

きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」 学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。

処理中です...