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第1章 月森ヶ丘自由学園
必要なときに必要なモノを使って何が悪い?
「…ふむ。困ったな」
祖父は俄に顔をしかめた
「警察沙汰に公に公表しては、シュバルク家の名前にも影響なさるのでは?」
あまり、大事にするのは如何なものか‥と口添えする祖母。
「ですが、公に公表した方がその分クリフェイドの情報が集まりやすい‥」
少しでも有力な情報を得るために世界放送TVにて、クリフェイドの顔写真を公開するべきだ‥と言うアクシオン
話し合いの結果、クリフェイドの写真を公開、情報を取り集めると共にシュバルク総出でクリフェイドを捜すことに決まった。
勿論、FBIやCIAの協力も得て。
───と、そこへ
「アクシオン・シュバルク殿。俺も捜索に参加させてもらいます」
「ターナー君。なぜ君が?」
「ふっ‥俺はクリフェイド君に一目惚れしてしまいましてね? 心配なんですよ、クリフェイドの身がね」
「そうか。君が惚れてる云々は今は置いておいて… 君が捜索に協力してくれるとはありがたい」
ターナーの意図にも気付かず、アクシオンはすまないね‥と快くターナーの協力を受け入れた。
「…これはまた面倒なことになったなぁ」
皿に盛り合わせたサラダなどを口に運びつつ、レオは僅かに顔をしかめるマコーネルを見る‥
「本当に…。彼は何故こうも毎回、トラブルを招くのですかね」
溜息つくマコーネルに、まったく、だな‥とレオは賛同する。
「まぁ…彼らの話しを聞く限り、金髪の少年と一緒にいた銀髪の青年というのは恐らく、シフォンでしょう。シフォンがいるなら、なんとかなるでしょう‥。あのシフォンですし、何だかんだ言っても室長の面倒見もいいですし、室長にそう無茶はさせないはずです」
キリッとして断言するマコーネル、レオもまたうんうん頷いていた。
「だなだな!あれでも、室長慕ってるからなぁ‥アイツ」
「ですが、事が事なだけに悠長にはしていられません。室長と揉み合いどちらかの血が飛び散ったというのは‥‥向こうは室長を殺す気だったということ。もし、室長がそんなことをすると考えると‥‥自分の身を守るため、やむを得ない状況だったということ。
ならば、早く室長とシフォンを見つけなければ‥ 室長は間違いなく命を狙われてるはずです。シフォンが一緒だったことを考えると、その現場に鉢合わせしたのではないしょうか‥
室長がシフォンと消えたのは、会場にいる追っ手から逃げるため…… そう考える方が妥当かと」
「んじゃ、先ずは情報収集だな!ま、あの室長だしな… そう簡単に捕まらねぇと思うけどな。……良い意味でも悪い意味でも」
マコーネルとレオは大統領に断りを入れると会場から出て行った‥。
──────……
───…
ブルルルンーッッ…
ブォーッッ
一方変わってクリフェイドとシフォンはというと海原にいた。
「…室長、何故クルーザーなんですか!?」
「そこにあったから?」
「イヤイヤイヤ!これ、絶対人のモノでしょ!? 窃盗になるんじゃ…っ」
ふぅー…
「…シフォン、全ては必然なんだ。必要なときに必要なモノを使って何が悪い? 同じ星に生きている人間なんだ‥。 即ち、皆共同で使い、互いに協力し合う。…素晴らしき世界っ!!」
ど、どーんっ!!と言い放つクリフェイドにシフォンは呆れ目を向ける
「いや、なんか‥
聞いた感じ、すっごく良いことを言っているように聞こえますけど……なんですか!そのかなり無茶苦茶な定義っ!!!そんな勝手な解釈が許されるわけがないでしょっ!!!!」
「ちっ… 一々煩い奴だなお前は。大体お前は、少し頭が堅すぎるんだ」
「いや、マコーネルさんに比べたら、ずいぶんマシな方だと思いますけど」
「マコーネルと比べる自体が悪い。アイツは特殊なんだ。奴と比べるな。それと、大体だな‥シフォン、お前が人の気も知らないでドジるから、そもそもこんな事になったんじゃないか」
恨みがましくクリフェイドはシフォンを睨んだ。
「うっ…すみませんっ!!ですけど、本当にビックリしたんですよ!? ネズミですよネズミ!!! そりゃあ、嫌いとかはないですけど‥
いきなり足元に現れたら驚きますって」
「ですけどっ!
ターナー・ウィンディバンクがスネークの創立者だって話、俺は室長から聞いていませんよ!?」
「誰にも言ってないんだ。聞いてなくて当然だろう」
ブォー…
「元より、話す気なんてさらさらなかったんだ。…なのに、どっかの馬鹿が‥」
「だーかーらーっ スミマセンって謝ってるじゃないですかぁ!!!大体、何も言わなかった室長も悪いんですよ!??」
シフォンは顔をしかめるクリフェイドに言った
「うるさい。仕方ないだろ?僕だって、まさか本当に当たってるなんて思っていなかった!!」
シフォンはクリフェイドの言葉に思わず、ポカンと口を開けた
「……は?」
「だいぶ前に届いた検死の報告書には矛盾しているところが幾つかあったんだ。僕はそのとき、ターナーの双子の兄の存在に麻薬などの闇取引を行っていることを掴んでいた。それらの点を踏まえて、簡単に推理…というより、僕なりの解釈をさっき彼に言ったんだ。まさか、それを認めるなんて…
誰が思う? 僕は公の場で求婚された腹立たしいこの恨み‥ちょっとした嫌がらせ程度だったというのに、まさか本当だったなんてな…。それでも、勝算はあったんだ。僕一人ならな? …なのに、お前がなぁ…はぁ…。
せっかく人が長々しい話で奴の気を逸らしてやったのに、……自分から出てくるし」
はぁー… クリフェイドは大いに溜息ついた。
「お前を連れて来たには理由がある。…お前は僕らの話を聞いていた。おまけにシフォンお前は国の機関に属する人間だ。
あの場ではお前の名前を呼ばなかったが、すぐにバレる。何しろ、アイツはウィンディバンク家だしな。父親も財務大臣だし、父親に聞けばすぐにバレる…。よって、あのままだと間違いなくお前は殺されていた… 言わば、口封じ」
「そんな…っ 」
ん…?ちょっと待ってくださいよ!?
「…室長、ターナー・ウィンディバンクが闇取引していることを掴んでるって……先ほど言いましたよね!?」
「言ったな」
クリフェイドはすごい剣幕のシフォンから目を逸らした。
「だったら…
なんで、とっとと、お父様方やマコーネルさんに報告しないんですか!ハッ!もしかして…その賭けというのも‥」
じろりとクリフェイドを睨んだ
「最初からパーティーは抜け出す予定だったんだ。多少、計画に狂いは生じたが……。まぁ結果的には成功か。賭けもシフォンを助けるためと言ったがもう一つの理由がそれに便乗してパーティーから抜け出すためだ」
「やっっぱりっ!!!」
シフォンはクリフェイドに文句を言いたげに睨むが睨んだところでクリフェイドには無意味だ。
「…が、僕とお前が命を狙われていることには変わりない。だが、安心しろ。お前は満の学園に…」
「満って誰ですか!? いえ、そんなことより… その聞いた限りでは俺だけが行くみたいじゃないですか!しかも、何故学園?!」
「学園は良いところだぞ?食堂には美味しい食い物もいっぱいあるし『ちょっと待ってください!!今になって聞くのもあれですけど…
室長、前回、日本の学園にいらっしゃったんですよね!??まさかとは思いますけど‥ 食堂にあるその美味しい食い物って、甘いもの‥主食がデザート系とかじゃ、ありませんよね?」
シフォンの今の顔は般若だ。
「ま、待てっ!!落ち着け!!あんな美味しいもの…ハッ!!」
「つまり、主食は主にデザートを食べていたんですか…。俺、組織の食堂内にて、前に言いましたよね?主食はご飯。デザートはデザートだと‥ 確か、そう言いましたよね…? 」
ニッコリと笑みを浮かべながら、クリフェイドに詰め寄るシフォン‥
───その光景は恐ろしかった。
「…俺は確かに言いましたよね?飴なんかは、ちょっとしたおやつとして食べてもいいと言いましたが、偏った食事はダメだと…
そう言った筈なんですがねぇ?」
シフォンは仁王立ちでクリフェイドを見下ろす
「そう怒るな。僕だって、たまにはハメも外すさ!」
「室長… あんた、反省の色が全く見えないんですけど? 人がわざわざ室長の体調管理の為を思って言っているのに‥」
「余計なお世話だがな…」
「………マコーネルさんに電話繋ぎますか」
「ま、待て待て!なぜ、そうなる!? 」
携帯を片手に持つシフォンを慌て止めに入る
「それじゃあ、聞きますが何故学園なんですか?」
そのシフォンの言葉にクリフェイドは愚問だとばかりに言った
「それは‥‥
もちろん、僕がまだ学生生活をエンジョイしたいからだ!!」
「…………」
───直後、シフォンは無言になった。
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