室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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序章 英国フォルティア学院

女王様は新たなスキルを身につけました

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ヒューたちが再びクリフェイドに視線を向けると、失神したまま動かない理事長に対して蹴るのを飽きたのか、今度は標的を…


青ざめた顔で端のほうで震える生徒会長に乗り換えたようだ。


クリフェイドは震える生徒会長を首根っこを掴み引きずるが、何を思ったのか突然手を離すと、奥の部屋の仮眠室に入って行った‥

「………?」

その突然の行動に全員、首を傾げるがそれも数秒と経たぬうちに絶望へと変わった。

― - ガチャッ

仮眠室の扉が開き、中から喜々として出てきたクリフェイド。その手にあるモノは――‥

― - ビシィィィッ!!

「へぇ… なかなか良い趣味してんじゃん」

にぃーっと口許を歪めるクリフェイドは、その手に持った鞭で一振りする。

失神し、意識のない理事長を除いた全員が一瞬にして背筋が凍り付いた。

そして――‥

この日を境にクリフェイドは新たなスキルを身につけた。(…酒飲んだとき限定で)

クリフェイドの鬼畜ドS伝説が生まれようとしていた……。


「なぁ…?バ会長。俺さぁ、そういや、前にあんたに変なことされそうになったよな‥?
くくっ、ちょうどいいじゃねぇか!そん時のツケっつーもんを払ってもらおうか? あ゙ァ!!?大して偉くねぇくせに威張り散らしてンじゃねぇぞ!?雑魚がっっ!!!」

クリフェイドは、ガッ!!と生徒会長の衿元を掴み引き寄せると、そのまま床に叩きつけた

「ぐっ…げほっ」

床に叩きつけられた衝撃で噎せる生徒会長をクリフェイドは、ただ蔑んだ瞳で冷ややかに見下ろす…

く、クリフェイド…っ?!

すっかり人が変わってしまったように残虐さを纏わせる弟の様子に、ヒューはただただ唖然とするばかり--。


「オ゙ラッ!!!下僕は下僕らしく俺様にヘコヘコしとけばいいんだよ! くくっ… いいねぇ…  その怯えた顔、ぞくぞくする」

(さ… サディスティック!!? )

(サディスト発言ーっっ!!!!)

ヒューの部下たちはただ怯えるばかり‥。自分が奴の標的になったら…っと思うと鳥肌が立ち、震えが止まらない。


「なぁ… 知ってるか?

顔が美形な奴ほど、自分の顔がぐちゃぐちゃにされたらどうなるか… 答えは簡単だ。実際に試したらいいんだよ。目の前でガタガタ震えてる奴でな?――…あんただよ、生徒会長さん?」

目を細め口角を突き上げるクリフェイドは心底愉しそうに、くくくっ…と愉快に笑う。そんな愉しくて堪らないクリフェイドに比べ、生徒会長のほうは・・

ガタガタのブルブル…っ だった。

もはや、この生徒会長に恐怖も何もない。ただ目の前の恐怖に捕われた憐れな贄だ

パシィィィンーーっっ!!!

「オ゙ラッッ 下僕は下僕なりにすることがあンだろぅがっっ!!あ゙ア!?下に両膝ついて土下座しろよ? 許しを乞いてみろ。

……それとも、その無駄に整った顔を‥」


クリフェイドは、ぐいっと生徒会長の髪を鷲掴んで引き寄せ、にぃーっと歪んだ笑みを浮かべた。

「ぐちゃぐちゃにしてやろうか? あ゙!?」

― - ビシィィィッ!!!!

言い終わると同時にクリフェイドは鞭を一振りし、大理石でできた床が一部・・・

ーー剥げた。

「 「「「………………」」」」

しーん…

その、鞭が固い大理石でできた床をえぐった光景に…

さらに静けさが増した。

「ひっ…ー━━!!!!ゆ、許してっくだ…っさい!!!」

パシィィィンーーッッ!!!

「ちげぇだろ!!許しを乞うっつーのはなぁ、頭を地面にくっつけて、『ご主人様、私みたいな下僕をもっと痛めつけてください』っつーのが、常識だろぅが!?あ゙ア!?
てめぇは言われねぇと出来ねぇのかよっ!こッの、糞下僕がっっ!!」

え? それ、なんの常識!? そんな常識が存在していたなんて、初めて聞いたんだけど!!?

アゼルは口許をヒクつかせながら、目を付けられないよう口には出さず、内心突っ込む…。

― - ビシィィィッ !!!

「ひぎゃっ!ヒ…ッ ゆ、許し…っ ご、ご主人様お許しくださいっっ!!!」

クリフェイドは鞭を一振りする。一振りした鞭はバシッ!という音を立てて生徒会長の顔を容赦なく叩いた。

右頬が血で赤に染まった生徒会長は目の前の恐怖に…

もはや、失神寸前だった。
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