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序章 英国フォルティア学院
王の鍵と双子の兄弟
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――――……
――…
「おはようございます坊ちゃん」
小鳥の囀りに目を覚ましたクリフェイドは、あふっ… と小さく欠伸をする
「昴…? おはよう」
上半身をベッドから起こしたものの、まだ完全に覚醒していないクリフェイドは目を摩りながらまた欠伸を一つした
「あぁ摩ったらだめですよ?」
水で濡らしたタオルをそっとクリフェイドの目の上に置く…
「ッ! 冷たっ!!!」
ようやく覚醒したクリフェイドは目の上に乗せられた濡れたタオルを剥ぎ取った
「なんだこれ!? 水ってこんなに冷たかったか?!!」
すっかり覚醒したクリフェイドは昴に振り向くも‥
くっくっ!
「それは冷たいでしょうね… なにせ、坊ちゃんのために氷水で濡らしたのですから。そのタオル。ふふっ…」
一度でいいから……… この男を殴れるようなら殴りたい。
心の底からそんな殺意が沸いたクリフェイドは一睨みするも、小さな溜息ついて視線を窓に移した--
「あぁそういえば…
この間、咎の塔に連行したあの二人…… 今朝の明け方、遺体で発見されたそうですよ」
昴の言葉にクリフェイドは見ていた窓の外から昴へと視線を移した
「遺体っ!?」
あまりの驚愕にクリフェイドは顔を歪ませる
「そんな馬鹿な… だって、あそこは厳重な警備に監視があるはずだぞ?!」
「えぇ… 。その警備と監視もやられたそうです。監視員に至っては塔に幽閉された罪人たちと同じく、バラバラとなって… 生存者が0とのことです。発見者は…
監視の交代が塔に入り、そこで初めて事態を把握したそうです。幸いといえば… 市民が塔の存在を知らない故、表沙汰にはならないことでしょうか。余計な混乱を招き兼ませんからね…」
クリフェイドは面倒くさそうに小さく溜息つく。
その憂いた表情に昴はほくそ笑む‥
――‥ 運命の歯車が廻りだした…
恐らく、塔の人間を殺したのは坊ちゃんのためーー
そして殺したのは…
片割れである坊ちゃんの双子の兄、歪んだ愛は止まらない…
可愛い可愛い双子の兄弟。生まれた環境に大人たちの都合で引き離された双子… それは弟への執着心に拍車を駆け、歪んだ愛となった。
本当に… 運命と は残酷なものですね。どういう形で憐れな双子の兄弟を逢わせるのか―― クスッ、興味深いですね…
――‥王の鍵を持つ二人、覚醒はもうすぐ…。
ほくそ笑む昴の黒い瞳は…… 妖しい赤い光が宿っていた。
「………昴?」
ニコッ
「どうしました坊ちゃん」
クリフェイドに呼ばれた昴は一度瞬きをした。するとそこには‥ いつもの黒い瞳で笑いかける昴に戻っていた。
「いや… なんでもない」
今、確かに赤い瞳だった… どういうことだ?
いつも黒い瞳の昴、瞳が赤いことに気付いたクリフェイドは見た…
瞬きした昴の瞳がいつもの黒い瞳に戻ったところを――。
――…
「おはようございます坊ちゃん」
小鳥の囀りに目を覚ましたクリフェイドは、あふっ… と小さく欠伸をする
「昴…? おはよう」
上半身をベッドから起こしたものの、まだ完全に覚醒していないクリフェイドは目を摩りながらまた欠伸を一つした
「あぁ摩ったらだめですよ?」
水で濡らしたタオルをそっとクリフェイドの目の上に置く…
「ッ! 冷たっ!!!」
ようやく覚醒したクリフェイドは目の上に乗せられた濡れたタオルを剥ぎ取った
「なんだこれ!? 水ってこんなに冷たかったか?!!」
すっかり覚醒したクリフェイドは昴に振り向くも‥
くっくっ!
「それは冷たいでしょうね… なにせ、坊ちゃんのために氷水で濡らしたのですから。そのタオル。ふふっ…」
一度でいいから……… この男を殴れるようなら殴りたい。
心の底からそんな殺意が沸いたクリフェイドは一睨みするも、小さな溜息ついて視線を窓に移した--
「あぁそういえば…
この間、咎の塔に連行したあの二人…… 今朝の明け方、遺体で発見されたそうですよ」
昴の言葉にクリフェイドは見ていた窓の外から昴へと視線を移した
「遺体っ!?」
あまりの驚愕にクリフェイドは顔を歪ませる
「そんな馬鹿な… だって、あそこは厳重な警備に監視があるはずだぞ?!」
「えぇ… 。その警備と監視もやられたそうです。監視員に至っては塔に幽閉された罪人たちと同じく、バラバラとなって… 生存者が0とのことです。発見者は…
監視の交代が塔に入り、そこで初めて事態を把握したそうです。幸いといえば… 市民が塔の存在を知らない故、表沙汰にはならないことでしょうか。余計な混乱を招き兼ませんからね…」
クリフェイドは面倒くさそうに小さく溜息つく。
その憂いた表情に昴はほくそ笑む‥
――‥ 運命の歯車が廻りだした…
恐らく、塔の人間を殺したのは坊ちゃんのためーー
そして殺したのは…
片割れである坊ちゃんの双子の兄、歪んだ愛は止まらない…
可愛い可愛い双子の兄弟。生まれた環境に大人たちの都合で引き離された双子… それは弟への執着心に拍車を駆け、歪んだ愛となった。
本当に… 運命と は残酷なものですね。どういう形で憐れな双子の兄弟を逢わせるのか―― クスッ、興味深いですね…
――‥王の鍵を持つ二人、覚醒はもうすぐ…。
ほくそ笑む昴の黒い瞳は…… 妖しい赤い光が宿っていた。
「………昴?」
ニコッ
「どうしました坊ちゃん」
クリフェイドに呼ばれた昴は一度瞬きをした。するとそこには‥ いつもの黒い瞳で笑いかける昴に戻っていた。
「いや… なんでもない」
今、確かに赤い瞳だった… どういうことだ?
いつも黒い瞳の昴、瞳が赤いことに気付いたクリフェイドは見た…
瞬きした昴の瞳がいつもの黒い瞳に戻ったところを――。
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