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序章 英国フォルティア学院
テンプル騎士団と明かされる秘密ーー
「あの大聖堂も昔は荒廃した小さい寂れた教会だったんですよ? 信じられないでしょう…? 今ではあんなにも立派な大聖堂が」
あの聖堂が、か!?
「ふふっ… 驚く顔も可愛いですね。あぁ、そんな怖い顔しないでください。せっかくの可愛い顔が台なしですよ?」
“可愛い“という言葉に、顔をしかめたクリフェイドは続きを話せとばりに昴を睨む
「あぁ、続きを話ますね…
誰も住んでいないその寂れた教会に何とか逃げのびれた、ごく僅かなテンプル騎士団員たちが新しく建て直したんです。
あるカモフラージュのためにね…。」
カモフラージュ… 聖杯か?
「それにしても、騎士団員らは誰から逃げてきたんだ?」
クリフェイドのその言葉に昴は飲んでいたカップをテーブルに置き、指を組むと目を伏せた…
「………彼らを追い込んだのは、フランス王の… フィリップ四世です」
フランス王…? なぜ、フランスが?
「フィリップ四世はヨーロッパ諸国に彼らは異端だ!と広め…
捕まった騎士団員たちは火あぶりなどで処刑されました」
目を伏せたまま、何故か悲哀帯びた瞳で当時を思い出す
「…なぜ、フィリップ四世はそこまでして彼らを追い詰めたと思います?」
聖杯?
「聖杯を狙って… じゃないのか?」
クリフェイドの答えに昴は、いいえ…と首を横に振る
「聖杯も狙っていましたが、フランス王フィリップ四世は…
それと同時にテンプル騎士団の莫大な財産を狙っていたんです」
「テンプル騎士団は十字軍に遠征しない領主から多額の寄進を受けていました。それを元手に金融業を営んだ結果、
多くの荘園を持つようになり、スコットランドを経済的に援助できるほどの莫大な財産を保有するようになりました。
そんな彼らが蓄えた財産を狙うフランス王のフィリップ四世は、一部の騎士たちがバフォメットという山羊の顔を持ち、背中にカラスの翼を持つ…
両性具有の異形の偶像を崇拝していることや、男同士での同性愛などの嫌疑をかけ、壊滅させたんです。
その後、テンプル騎士団は解体し、散り散りとなって何人かは生き延びました。そして――…
フィリップ四世の追っ手から逃れた一部の騎士団員たちは、廃墟となった小さい教会に身を寄せると、その地下に迷宮な造りとなった都市を造りあげ、そこに莫大な財産と聖杯を隠したのです」
ですが、と昴は話を切り出した
「ですが、ちょっとしたヘマでフィリップ四世の手下に捕まったテンプル騎士団の一人が…
喋ってしまったんです。あそこにあることを‥。
俗にいう裏切りですね。彼は拷問中、死を覚悟したときフィリップ四世に商談を持ちかけられたんです
『聖杯とお前たち の隠す莫大な財産の隠し場所を教え、私に尽くのならお前を我が同士としよう』…と。
そして、その男はフィリップ四世に寝返り、仲間を売ったんです。幸い、地下への道はそのとき悪魔と契約した騎士によって、ある鍵を持つ人間しか見つけられないように術を施しました。
それによって、悪魔と契約したその男は次生まれるときは悪魔として生まれることが決定していました。それでも護らなければならなかった…」
昴の表情、話し方にクリフェイドは違和感を覚えはじめた。まるで、自分もそこにいたような… 実際、体験したことを話すような昴の口ぶりにクリフェイドは眉を寄せる
「……そして、テンプル騎士団はその場で殺されました。裏切り者を除いた全員が」
「フィリップ四世は裏切り者の記憶を元に、地下への道を捜したようですが見つけることが叶わず――…
そして死んだ。
知っていますか? 悪魔も天使も元は人間だったんですよ?」
目を真ん丸くするクリフェイドにくすりと笑って、昴はカップに残る冷めた紅茶を飲み干した
「輪廻… という言葉はご存知ですよね?
もう、お気づきでしょう? 私がそのとき悪魔と契約を交わし、地下への道を封印したテンプル騎士団員です」
…ちょっと待て
「お前、悪魔じゃ、かなり上の位とか言ってなかったか!?」
「そんなもの関係ないですよ。生まれてくる場所にもよるんですから。まぁ、私は運よく随分恵まれた環境に生まれ落ちたようですがね。
で、ヒューマン牧師、彼の前世は…
その、フランス王フィリップ四世なんですよ。彼はこの世に生まれ落ちた日から、その魂を持ち、今までずっと… 探しているんです。地下への道を。秘密の扉を…。
彼が魔物を召喚するのも、あの広い大聖堂の中を探させるため…
そして、彼はついに鍵の存在を知ってしまった。それは私があのとき契約し施した術を破る、唯一の方法を…
それが貴方です。
ソロモン王の鍵を持つ人間。その人間を使えば、禁断の扉へのフリーパスのようなもの… 自由に行き来できる。
フィリップ四世の生まれ変わりであるヒューマン牧師は、ソレを知り、密かに捜しています。その部下にはあの裏切り者も恐らく――‥」
その昴の信じ難い言葉にクリフェイドは絶句する。
「貴方が逢った天使、クローシェも同じく前世はテンプル騎士団員の一人です。…最初に言ったでしょう?修道会がエルサレムに眠る聖杯を探すための捜索隊として作った通称・テンプル騎士団の正しい名称は
『キリストとソロモン神殿の清貧騎士団』。名前のとおり、テンプル騎士団はソロモンと深く関わりを持つんです。
……つまり、これは貴方にとって人事ではないのですよ?寧ろ、貴方と深く関わりのある問題なんですから」
「悪魔と契約した人間は魂を魔界に持って行かれ、転生後は永遠に悪魔として生を生きることになっています。
一度、悪魔になると再び人間へ転生することはできません。
それでも、護りたかった…
もう人間には生まれ変わることができなくても、悪魔への転生が永遠に決まっていても、私は護りたかったんです。お慕いしてる貴方に誓いましたから… 何があっても、貴方を護ると――‥」
昴はいきなり席を立つと、床に片膝をつき、椅子に座ったまま吃驚するクリフェイドの右手を取り、キスを落とす
それは、まるでーー…
自分の主に忠誠を誓う忠実な騎士のようだった。
あの聖堂が、か!?
「ふふっ… 驚く顔も可愛いですね。あぁ、そんな怖い顔しないでください。せっかくの可愛い顔が台なしですよ?」
“可愛い“という言葉に、顔をしかめたクリフェイドは続きを話せとばりに昴を睨む
「あぁ、続きを話ますね…
誰も住んでいないその寂れた教会に何とか逃げのびれた、ごく僅かなテンプル騎士団員たちが新しく建て直したんです。
あるカモフラージュのためにね…。」
カモフラージュ… 聖杯か?
「それにしても、騎士団員らは誰から逃げてきたんだ?」
クリフェイドのその言葉に昴は飲んでいたカップをテーブルに置き、指を組むと目を伏せた…
「………彼らを追い込んだのは、フランス王の… フィリップ四世です」
フランス王…? なぜ、フランスが?
「フィリップ四世はヨーロッパ諸国に彼らは異端だ!と広め…
捕まった騎士団員たちは火あぶりなどで処刑されました」
目を伏せたまま、何故か悲哀帯びた瞳で当時を思い出す
「…なぜ、フィリップ四世はそこまでして彼らを追い詰めたと思います?」
聖杯?
「聖杯を狙って… じゃないのか?」
クリフェイドの答えに昴は、いいえ…と首を横に振る
「聖杯も狙っていましたが、フランス王フィリップ四世は…
それと同時にテンプル騎士団の莫大な財産を狙っていたんです」
「テンプル騎士団は十字軍に遠征しない領主から多額の寄進を受けていました。それを元手に金融業を営んだ結果、
多くの荘園を持つようになり、スコットランドを経済的に援助できるほどの莫大な財産を保有するようになりました。
そんな彼らが蓄えた財産を狙うフランス王のフィリップ四世は、一部の騎士たちがバフォメットという山羊の顔を持ち、背中にカラスの翼を持つ…
両性具有の異形の偶像を崇拝していることや、男同士での同性愛などの嫌疑をかけ、壊滅させたんです。
その後、テンプル騎士団は解体し、散り散りとなって何人かは生き延びました。そして――…
フィリップ四世の追っ手から逃れた一部の騎士団員たちは、廃墟となった小さい教会に身を寄せると、その地下に迷宮な造りとなった都市を造りあげ、そこに莫大な財産と聖杯を隠したのです」
ですが、と昴は話を切り出した
「ですが、ちょっとしたヘマでフィリップ四世の手下に捕まったテンプル騎士団の一人が…
喋ってしまったんです。あそこにあることを‥。
俗にいう裏切りですね。彼は拷問中、死を覚悟したときフィリップ四世に商談を持ちかけられたんです
『聖杯とお前たち の隠す莫大な財産の隠し場所を教え、私に尽くのならお前を我が同士としよう』…と。
そして、その男はフィリップ四世に寝返り、仲間を売ったんです。幸い、地下への道はそのとき悪魔と契約した騎士によって、ある鍵を持つ人間しか見つけられないように術を施しました。
それによって、悪魔と契約したその男は次生まれるときは悪魔として生まれることが決定していました。それでも護らなければならなかった…」
昴の表情、話し方にクリフェイドは違和感を覚えはじめた。まるで、自分もそこにいたような… 実際、体験したことを話すような昴の口ぶりにクリフェイドは眉を寄せる
「……そして、テンプル騎士団はその場で殺されました。裏切り者を除いた全員が」
「フィリップ四世は裏切り者の記憶を元に、地下への道を捜したようですが見つけることが叶わず――…
そして死んだ。
知っていますか? 悪魔も天使も元は人間だったんですよ?」
目を真ん丸くするクリフェイドにくすりと笑って、昴はカップに残る冷めた紅茶を飲み干した
「輪廻… という言葉はご存知ですよね?
もう、お気づきでしょう? 私がそのとき悪魔と契約を交わし、地下への道を封印したテンプル騎士団員です」
…ちょっと待て
「お前、悪魔じゃ、かなり上の位とか言ってなかったか!?」
「そんなもの関係ないですよ。生まれてくる場所にもよるんですから。まぁ、私は運よく随分恵まれた環境に生まれ落ちたようですがね。
で、ヒューマン牧師、彼の前世は…
その、フランス王フィリップ四世なんですよ。彼はこの世に生まれ落ちた日から、その魂を持ち、今までずっと… 探しているんです。地下への道を。秘密の扉を…。
彼が魔物を召喚するのも、あの広い大聖堂の中を探させるため…
そして、彼はついに鍵の存在を知ってしまった。それは私があのとき契約し施した術を破る、唯一の方法を…
それが貴方です。
ソロモン王の鍵を持つ人間。その人間を使えば、禁断の扉へのフリーパスのようなもの… 自由に行き来できる。
フィリップ四世の生まれ変わりであるヒューマン牧師は、ソレを知り、密かに捜しています。その部下にはあの裏切り者も恐らく――‥」
その昴の信じ難い言葉にクリフェイドは絶句する。
「貴方が逢った天使、クローシェも同じく前世はテンプル騎士団員の一人です。…最初に言ったでしょう?修道会がエルサレムに眠る聖杯を探すための捜索隊として作った通称・テンプル騎士団の正しい名称は
『キリストとソロモン神殿の清貧騎士団』。名前のとおり、テンプル騎士団はソロモンと深く関わりを持つんです。
……つまり、これは貴方にとって人事ではないのですよ?寧ろ、貴方と深く関わりのある問題なんですから」
「悪魔と契約した人間は魂を魔界に持って行かれ、転生後は永遠に悪魔として生を生きることになっています。
一度、悪魔になると再び人間へ転生することはできません。
それでも、護りたかった…
もう人間には生まれ変わることができなくても、悪魔への転生が永遠に決まっていても、私は護りたかったんです。お慕いしてる貴方に誓いましたから… 何があっても、貴方を護ると――‥」
昴はいきなり席を立つと、床に片膝をつき、椅子に座ったまま吃驚するクリフェイドの右手を取り、キスを落とす
それは、まるでーー…
自分の主に忠誠を誓う忠実な騎士のようだった。
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