室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

序章 英国フォルティア学院

なんで、こうなった！？

――… ｶﾀｶﾀｶﾀ

ｶﾁｯ、ｶﾁｯ‥ ｶﾀｶﾀ…

一心不乱にデスクの上でキーボードを叩くのはクリフェイド、


そして、そんなクリフェイドに向けられる周囲の視線…

いい加減、うんざりだった。

―バンッ!!!!


「鬱陶しい」


ちらちらと向けられる視線があまりにも鬱陶しかったクリフェイドはデスクを叩く

コトッ…

苛立つクリフェイドの前に置かれたのは紅茶、ふと視線を向ければそこにいたのは肩にかかるか、かからない長さの銀髪の青年がいた


「そう、カッカしないでください。俺も含め全員、最年少の新しい室長が気になるんですから」

銀髪の青年は苦笑を浮かべる

「くっそ… あんな失態さえしなければ…っ こんなことなら、スクワットの奴をチクらなければ良かった！」

今さらながら、自分がしたことに後悔の念を見せるクリフェイドにシフォンは眉を寄せる


「なに言ってるんですか！彼は国の情報を横流ししてたんです。解雇されて当然ですよ」

クリフェイドが室長に任命されてから、一週間経った。

ふんっ！


クリフェイドは鼻を鳴らす


「あぁ、それと…

明日は来れない。入学式を控えてるからな」


「……入学式､ですか‥？」

キィーｯと音を鳴らし、パソコンの画面に目を向けていた憮然とした表情の金髪美形の男、いや青年は顔を上げクリフェイドに目を移す

「入学式なら仕方ありませんね…

てっきり、また仕事をサボるのかと思いました」


淡々と思ったことを言葉に出す彼にクリフェイドはあからさまに面倒くさそうな表情になる

「フンッ！

サボりの常習犯で悪かったな。マコーネル」

腕を組み、フンッとそっぽを向くクリフェイドにマコーネルの眉尻がﾋﾟｸｯと動く

「…わかってるなら、ご自分の立場をもっと自重なさって下さい」

そう、彼の正式名はマコーネル・レイド‥。クリフェイドのサボり常習に遣されたクリフェイドのお目付け役で、この職場の副室長を勤めている…。

シフォンと呼ばれた先ほどの銀髪の青年は、シフォン・レナード。クリフェイドがこの職場のトップ、室長なら‥

彼はその一部下だ。