室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

序章 英国フォルティア学院

室長の…… トラブル体質を嘗めてたっち!!!

「…まさかとは思うけど、クリフェイド…… 本当に犯される寸前で合図するつもりなんじゃ‥」


「「「……………」」」

アシスの言葉に、一瞬重い沈黙がのしかかる‥

「そ、そんな！ いくらなんでも…!!!」


た、確かに… 言われてみれば‥‥‥って、それじゃぁマズイっち！！少なからず、手をつけられるってことじゃないっスか！

まさか！… いや、だけど室長ってよーく思い出してみると、けっこう無茶してるっち･･･ しーーっつ、ちょーーっっの貞操がーっっ！！

「もう合図はいいっス！！」

我慢できなくなったノクスは勢いよく立ち上がったが‥


「へぁ！？」

「ノクス‥？どうしたんだい？」


ノクスの素っ頓狂な声に少し驚いた顔でアシスが尋ねてきた

「い、今… あそこに…人が……」


ちょーーっっ？！待つッス!!!!今の四人組は確かっ！！！

ブラッックリストに載ってた･･･ イタリアとロシアマフィアじゃないっスかーーーっっ！！


まずいっち!! 奴ら、こっちに向かって来るッス！！なんで！？と、とりあえず‥っこのままだと室長と鉢合わせするっっち！！

ノクスは頭を抱えた…。


さらに最悪なことに――

「待てぇぇぇぇ！！そこの四人組っっ!!」


遠くのほうでそんな怒鳴り声が聞こえてきた

マフィアを追いかける人間なんて、そうそういるはずがない。普通に考えて敵対しているマフィアか、警察かのどちらかだ。


だが、ノクスが見たのはボス同士、仲の悪いことで有名なイタリアとロシアが共に逃げている、という奇妙な光景‥‥

ならば、普通に考えて追っかけて来ているのは必然と警察になるわけだ。。

「あぁ! まずいっス!!とんでもなく嫌な予感がするっっち!!!」

ノクスの異様な慌てさに勘のいいアシスは、まさか… と顎に手を当てる。

さらにさらに予定外なことが起きた。


「ちょっと！押さないでよ!!」

「んなこと言われても… って、オイオイ… マジかよ!?」


ぼうぼうの茂みに隠れ、カメラを廻す-

スタッフらしき男とリポーターらしき女…


「ちょっ！ なんで、一般人までいるんッスか！？」


もはや顔面蒼白、今にも倒れそうなノクスはますます頭を抱えたくなった‥。