室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

序章 英国フォルティア学院

貴方が『殺せ』というなら私は躊躇なく彼らを手にかけるでしょう

――‥ ﾊﾟﾀﾝ！


「…………」



何を考えてるのか…


壁にもたれたクリフェイドは無機質な瞳で床を見つめる―-



「……やはり、何だかんだ言いつつも、彼らが大好きなんですね… 愛しき我が王は-」


聞こえた声に、ハッと顔を向ける先、そこには黒い燕尾服の執事服をきちっと着こなした昴がいた。


「昴…

もう少し人間なりの行動を…」


突然現れた昴に呆れた目を向けるクリフェイド、しかし昴は､くすりと笑うだけだった‥｡



「私は悪魔なんですよ？無力な人間と違い、悪魔は何でもできます…

記憶を弄ることも-


気にいらない者を消すことも‥」


 　す… ば‥ る………?



「す…… ばる……?」


スーッと、クリフェイドの顎を上に向かせる昴に困惑した表情を見せる



「どうしてです？なぜ、頼ろうとしないのですか？」


　え…？


戸惑いに瞳が揺れる小さくも愛おしい主に、昴は急に真顔になる



つぅー…


指先でクリフェイドの頬を一撫でする-



「私があの日、魔族と契約し、悪魔となったのは… 貴方を助けたかったからですよ。愛おしい坊ちゃん、貴方はわかっていませんね…


貴方が王であっても坊ちゃんだろうと‥私のお慕う気持ちはあの頃と全く変わりません。

そして、貴方が傷つき悲しむ姿を見るだけで心が痛むのも――。

貴方が彼らを『殺せ』というなら私は躊躇なく、彼らを手にかけるでしょう。」


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