室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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序章 英国フォルティア学院

陛下… ご存知ですか、今シュバルク家が崩壊しつつあるのを――

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――…一方、


「…徹夜?今、徹夜と言わなかったか?」

「ここのところ、とも言ってましたね…」



「明後日の会議の資料が破かれたみたいだが…」

「カタルセの今の言い方だと、前にも破かれたようですね」


「「「……………」」」

なぜか重い沈黙になった。


「…藤野と言っていたな」


「えぇ、確か‥‥ 日本の総理大臣の… 甥ですよ。溺愛する甥っ子が留学したいって話に、シュバルク家に任せたじゃないですか」


あぁ、あのー…

陛下の思い出した表情に、側近のアルバートは溜め息。


「ご存知ですか、今シュバルク家が崩壊しつつあるのを…」

「いや、初耳だ」


「その甥っ子がクリフェイド・シュバルクを… 追い詰めてるんだよ、」


涼しげな顔で入ってきたのは、遅れてやってきたアゼルだった。


「家に帰れば、例の彼がアクシオン達に泣きついてクリフェイドが悪者に仕立てあげられるんだって。

だから、ここんところ帰ってないらしいよ?なんでも、彼が来てから学園でも同じような状況になったみたいでね、おまけに生徒会の役員がよりによって惚れたんだって。」


そう告げられた言葉にアゼル以外は陛下をも含めて目が点になっていた。


「で、溜まり溜まった生徒会の仕事を片付けるのに副会長であるクリフェイドは必然と一人でやらないといけなくなる。おまけに、今まで話し合いで彼が統率していた親衛隊が、例の甥っ子くんの登場に統率取れなくなっている。


+他役員の暴動。


…で、休む暇がないに加え、さらに甥っ子くんは問題を起こしたんだよ。………新たに同室者となったクリフェイドの部屋に勝手に入ったあげく、

データの入っていたパソコンを壊して、とっくに出来上がっていた会議に使われる資料を破かれたんだよ、ゴミだってね」



無言に静まり返る室内にアゼルの声がやけに響いた。 
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