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第1章 月森ヶ丘自由学園
頼むから、面倒起こしてくれるなよ?
「……?」
「いえ、僕は日向君とよ…「嫌だ」
「日向君…?」
僕の言葉を遮る葵に僕は怪訝な目を向ける
「俺、この学園に来て初めて優しくしてもらったんだ。岬に‥。だから… だから、俺はお前と友達になりたいんだ」
「……」
おい、ちょっと待てよ!僕はいつ、君に優しくした?僕はただ、結城に言われて、校舎案内してやってるだけだ!!
しかも、友達って…
いや、そういえば、こういう奴、クラスに一人いたような…
「ぁ゙ーっ!!!待ってよ!!霧島君!!」
そう叫ばれて、小動物が如く走ってくるのは…
「…柊 涙」
だった。
「もぅ!!!ひどいよ!!僕だって、葵君と仲良くなりたいのに」
ぷんすかと怒る涙に、葵は笑顔で…
「ぼ…俺と友達になってくれるのか?」
その葵の喋り方に少し驚いた涙だったが、にっこり笑う
「うん!!そういえば、僕の名前まだだったよね?僕は、柊 涙(ルイ)よろしくね?葵君。僕のことは涙って呼んでね!!」
「ありがと…」
「あれ…?葵君、なんか口調が違うよね?」
「あ、えっと…」
涙の質問の返答に困る葵を見て、僕は仕方なしに助け舟を出す…
「…彼にも色々と事情があるんですよ。知られたくない秘密を誰しもが持っているようにね…」
「なんか、ごめんね」
岬の言葉に少し気が沈む涙…。今にも泣きそうなため、僕は涙の頭を撫でた
「彼はまだ、この学園に来たばかりです。お互いに打ち解けてから、聞いてはどうです?」
正直、此処で涙を泣かせたら、コイツの兄である副会長が飛んで来るに決まっている。それだけは避けなくては!!
そう、岬が涙を無表情だが、頭を撫でて宥めているのは、涙が泣いて面倒なことにならないように…
全ては自分のためだった。
――‥が、葵と涙はというと…《さすが、委員長!!》
《…岬君って、やっぱり…優しいな》
と、憧れ的な眼差しを向ける葵と涙。
そうして、二人はますます岬に懐いたのだった。
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