室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

先生の愛車がぶっ壊れてもいいんですか?

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「うるさいですね。別にいいじゃありませんか。こうして予め、話を合わせておいた方がいいんですよ」


前で腕を組み、淡々と言う岬‥


「…さて、話も纏まったことですし‥

                 そろそろ参りましょうか…小原病院へ」

――‥

――――‥……

  ジャリ、


「…なぁ、委員長‥? 車って、まさかとは思うんやけど…

この車で行くっつー言うんか?」


幸村は、岬に連れら来られ目の前にあるモノを見て言った‥。

「…そうですが、それが何か?」

「いや、それが何か?じゃねぇよ。これ、どう見ても学園が所有している車じゃねぇか…」


そう聞き返す岬に、幸村の代わりに結城が言った


「はぁ…。見てのとおり、学園の所有している教員共有の車ですが、それが何か…?」

「いや、何か?じゃなくてだな。俺の車の方がいいんじゃないか?」


その結城の言葉を聞いた岬は…



「……別に僕は構いませんよ?……先生の愛車がぶっ壊れましても」


「「「……………」」」

一瞬、空気が凍った。


「…………」


結城は、もはや何も言うことなく、無言で運転席に座る


その学園所有の車は私立なだけあって、黒塗りの高級感溢れる車だった…。

「では、光先輩と幸村君は後部席に乗って下さい。それと、幸村君…君にこの紙袋を預けときますね」


有無言わさず、問答無用で持っていた紙袋を幸村に押し付ける岬。

「…何なん?これ……(ゴソゴソ…)服??」


そう、岬に押し付けられた紙袋の中には学園の制服が入っていた

「彼を…、光先輩を病院から連れ出すとなると、着ている服が患者服というのは目立ちますからね…

とりあえず、学園の制服を用意しておいたんですよ」



そのあまりの用意周到な岬の行動に幸村は呆れを通り越し、感嘆した。
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