室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

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第1章 月森ヶ丘自由学園

…失礼ですが、貴方は?



「実はですね……僕と彼は今年入学したばかりなのですが、光君と同じクラスになりましてね…

話によると、二年前からこの病院で入院していようなので、見舞いがてらにこうして来たんです」


そう言って、岬は後ろにいた幸村に目を向けた。

「そうやねん!!せっかく、心配して見舞いに来たっちゅうのに、そこの、ネーチャンはあかんっ!!の一点張りや。オッサンどぅにかしてくれへんか?」


「そう言われてもねぇ…… 彼は今、面会謝絶だしねぇ」

その院長の言葉に岬は目で結城に合図を送る。


「…面会謝絶?その光という子供はそこまで酷いのか?」


そう聞いてくる結城に院長は訝しげに視線を向ける


「…失礼ですが、貴方は?」

「俺は、こいつらの担任だ。それより、もう一度問う。その光という子は面会謝絶をしなければならないほど……

   本当に酷いのか…?」


その結城の言葉に院長は今だ訝しげな目を向けていた。


特に、金髪とその服装に。

「……院長先生?」


その結城の声に、院長は我に返ったようだ


「あ、あぁ……すまない。貴方は彼らの担任でしたか。

えぇ。彼は面会謝絶でなければいけないほど酷い状態なんです。院長の私がこう言うんです。間違いありません」


胸を張って堂々と高々に宣言する院長に結城は言った…。


「…んじゃ、同じ医者仲間として放っておくにはいかないな」

「へ!!?何ですと?!」


院長は結城の言葉に素っ頓狂な声を上げた。 


「…院長先生? この地域一帯の中で大きな大学病院があるのをご存知ですよね?

結城大学病院…。彼はそこの院長の息子なんですよ」


どんっと告げた岬の言葉に青ざめる院長‥

そりゃぁそうだ。なにせ、結城大学病院と言えば優秀人材の医者が多数揃うスペシャリスト。


成功率の低い難関なオペとて、彼らにしちゃそれほど難関ではない。そして、そのトップが院長の結城の両親である。

彼らの手は、大掛かりな手術にも失敗することもなく、難なく成功させることから神の手と呼ばれているほど。


そんな偉大なる両親を持つ結城が、たとえ医者でなくとも、医者の専門的知識を知っているのは明らか。

そんな結城が光の現状を見たら、一発でバレてしまう


彼を人工的に眠らせていることを。



「……院長先生?早く案内してほしいんだが」


結城の言葉に院長は焦っていた。だが、結城の怪しむような視線に堪えられず…


「こ、こちらです…」

ふらふらと、歩きながら光の部屋へと向かう


その院長の後ろを結城と幸村が歩く。


そしてその二人から少し距離を離し、岬もその後ろをついて行った――‥。
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